「俺が見合いしただけ、攻撃を出さなくても盛り上がる」と豪語する芦澤
2020年12月13日(日)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN』にて、島野浩太朗と対戦する芦澤竜誠(PURGE TOKYO)の公開練習が11月24日(火)都内所属ジムにて行われた。
「本当は見せたくない」というミット打ちで、芦澤は鋭い右ストレートを中心に、ウェイトの乗った右フックをミットに叩き込み、新生・芦澤竜誠の片りんを公開した。
「絶好調なので、あとは本当にみんな試合を楽しみにしておいて欲しいです」と自信に満ち溢れた表情。「(引退してから)1年くらい遊んで、4カ月前から始めて素晴らしい練習ができています。練習はただやるだけでは意味がないと思いました。意味あることをやらないと。それが分かりましたね。意味が分かっていないと練習は本当には頑張れない、理解できていると頑張れるんです」と、以前とは練習に打ち込む姿勢が全く違うという。
「サラちゃん(久保優太の妻)と仲が良かったので、久保選手のジムに行きたいと言っていて。そうしたらジムがここに新しくなって。本当にやりたいんですよねっていって紹介してもらった」とK-1ジム総本部からPURGE TOKYOに移籍し、「マインドがレベルアップした」とする。
「180度違う人間に変わった気がする。ちょっとムカつくこととかがあっても、俺はファイターだしって思うようになりました。売られないけれど、喧嘩を売られた時は以前なら“何だこの野郎”ってなっていたけれど、今は売られても“ごめんね”って言えるようになりました。俺は格闘家だから。本気で格闘技をやっているので構わないでくれって気持ちになれます。でも俺は火を消したわけじゃない。おちょくってくるヤツがいたら人生懸けてぶっ飛ばします」と、つまらないことに巻き込まれてプロ格闘家人生を棒に振りたくないと話した。
では何が変わったのかと聞くと「凄いっすよ。全部違うと思いますよ」と、全く違う芦澤竜誠になっているとした。
対戦する島野のことを聞かれると「島野選手のことはそんなに気にしてないんですよ、ぶっちゃけ。自分との勝負なので相手は自分なので。相手が武尊とかだったら意識するかもしれないけれど、島野選手は意識しない。でも、あれはあれでいい男だと分かっているので間違いなく男同士のめちゃくちゃいい試合になる」と、相手のことは気にしていないが好勝負になることは予感している。
「打ち合いにはならないと思う。俺は見切れるので、一方的じゃないですか。だから面白いんです。ラッキーですよ。彼は俺に倒される運命なんです。実はMA日本キックボクシング連盟のプロ推薦試験で、俺が16歳の時に島野選手とやれって言われてやったことがあったんです。普通に俺が勝ちました。その時から俺と島野選手の勝負は決まっているんです。向こうの方が遅くプロになったのに38戦やっているんですが、どれくらい成長したかを見せ合いたいですね」と、プロテストの時に島野と手を合わせたことがあるとのエピソードを明かした。
島野の持ち味は強打と気持ちの強さ。それについて芦澤は「心が折れないのは分かるけれど、彼は何していいか分からなくなると思いますよ。俺が今の動きをしたら何をしたらいいか迷うと思う。それが心を折ったことになる。なぜパンチもらうんだって」と、島野の心を折ると宣言。
「今後の目標は強くなれるところまで強くなること。毎日強くなっています。いろいろな人が俺に教えたいことがクソほどあると思うので、いろいろなことが出来るように強くなりたい。だから今は練習して強くなることが目標。その先のことはもう練習することもない、何でもできると思ってからでいい」と、今は自分が強くなることしか考えてないという。
『K-1 DX』での戦いぶりとは違うのかと聞かれると「あれはこのジムへ来て1カ月目の状態。週に2回3回くらいしか来てなかった時です。本気でやってない。矢口トレーナーがトレーナーになったことで、その期間でめちゃくちゃマインドが変わりました。そのマインドとトレーナーが教えることが合わさったらヤバい。今回見てれば分かるし、どんどんよくなるのもを見せていきたいですね」と、あの時とは比べ物にならないほど成長しているとした。
「試合を見れば分かります。そもそも俺がこんなことを言ってる時点で前とは変わっているでしょう。相手の悪口を言わないし、180度違う」と言い、「KOを見せたいわけじゃないけれど、KOじゃなくても絶対に俺の試合は盛り上がる。俺が見合いしただけ、攻撃を出さなくても盛り上がる。絶対にそうなりますから、まあ見ててくださいよ」と笑った。
さらに、復帰戦でどんなところを見せたいかと聞かれると「“愛”を見せたい」とする。
「見てくれる人に愛を届けたい。そうすれば愛が返ってくるんです。ファンにもアンチにも、みんなに愛を見せられれば。前は俺の試合だから勝てば嬉しい、負ければどん底、俺が負けて悲しむのは親と仲間だけだと思っていたけれど、今はみんなに愛を届けたい。俺は届けられる」と、“愛”を届けられる戦士になりたいと意外なことを言う。
「争いごとなんかしても負しかない。負がいっぱいきちゃうんですよ、そんなのは嫌だ。俺の周りは最高なので、いいヤツしかいないんです。その仲間たちみんなで愛を学んだ。前は俺一人でやるって言っていたけれど、格闘技をしないで遊び歩いていたら、死ぬまで応援するって言ってたヤツらが俺から離れたしまった。そういう人はK-1の芦澤竜誠が好きだったんですよ。でも周りの仲間は俺がラッパーをやっていても芦澤が好きだと言ってくれた人たちがいました。それで愛を感じました。俺が勝つことで、チャンピオンになることによって、芦澤をご飯に連れて行った、スポンサーをやっているって誇らしく思ってほしい。それがきっかけでしたね」と、仲間たちの愛によって支えられてきたから、今度は愛を全ての人に捧げたいと語った。