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2020年11月22日、GENスポーツパレスにてZSTの昼夜大会が行われた。昼大会「BATTLE HAZARD 08」ではメインで岩本健汰が今成正和に一本勝ち、18時開始の夜大会「ZST.69」では、伊藤盛一郎と浜本キャット雄大がMMAで対戦する。両大会はPIA LIVE STREAMにて有料配信される。
▼RIZIN MMAルール(ヒジ有り) 57.5kg 以下契約 5分3R
○伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)
[1R 4分40秒 TKO]
×浜本”キャット”雄大(クロスポイント大泉)
元ZSTフライ級(-56.7kg)王者の伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)は、MMA12勝4敗2分。2018年10月の「ZST.62」で竿本樹生に判定負け後、2019年4月の「RIZIN.15」で58kg契約でマネル・ケイプに2R TKO負け。2020年8月の「RIZIN.23」では59kg契約で神龍誠と対戦。
ノンストップの激闘を繰り広げながらも2R ギロチンチョークで一本負けし、現在3連敗中。MMA12勝中、7つの一本勝ちをマークするなど柔道ベースの強いグラップリングを武器とする。
対する浜本”キャット”雄大(クロスポイント大泉)は、元WPMF日本スーパーバンタム級王者。ラウェイに挑戦して2017年6月に勝利を収め、同年大晦日にはRIZINで行われたキックトーナメントに参戦。1回戦で那須川天心と対戦したが2RにKO負け。ヒザ蹴りとボディブローを得意とする。2020年8月30日の「ZST.68」でMMAデビューし、歌川大輔に1R 4分13秒 KO勝ち。試合後に「グラップラーと戦いたい」とアピールし、勝村プロデューサーから伊藤盛一郎戦の内定を得ていた。
当初は、2020年3月15日の横浜大会で対戦が決定していたが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止に。浜本はMMAデビューを果たすなど、準備期間を経て、元王者と対戦することになる。
1R、ともにオーソドックス構え。出入りから先に右フックを当てる伊藤。ロープに詰めて左を振って組みに行くが、突き放す浜本。左ミドルを打ち、互いの右は交錯。伊藤はワンツーからダブルレッグに行くが、そこのカウンターの縦ヒジは浜本! 伊藤はそのまま胸に頭をつけてテイクダウンに行く、体を離すと頭部から出血。ドクターチェックも流血する伊藤。
再開。右ローを当てる浜本。詰めて右で差してリフトし、後方にスープレックスでする伊藤だが、ここも浜本はすぐに立ち上がる。コーナーまで歩き、バックテイクを狙う伊藤に正対する浜本。左ストレートを伸ばすが、伊藤は左フックでダウンを奪うと、パウンド! 立ち上がろうとする浜本にサッカーキック!
ここも立ち上がる浜本は下がりながら左を当てるが、詰める伊藤が打ち下ろしの右でダウンを奪い、四つん這いになった浜本にパウンド連打! レフェリーが間に入った。TKO勝利の伊藤は勝村代表と固くハグ。
出血のピンチに陥った伊藤だが、「気合で血が止まった」(勝村P)という1R、中盤から怒涛の攻めで、テイクダウンプレッシャーの中でストライカー相手に打撃を当て、これまでのRIZINの経験を活かしたサッカーキックで決定打を与えた。一方の浜本も勝村プロデューサーは「四つ組みは切られるから固執しないよう伊藤に指示した。フライ級でキャット選手に勝てる相手はなかなかいない」と高く評価している。
試合後、伊藤はリング上で、鼻血をぬぐう浜本に「浜本キャット選手、キックからMMAに覚悟決めて来てくれてありがとうございました。またチャレンジしてきてください。自分ももっと上の舞台でやれるように頑張ります」と挨拶。
続けて、「最後に勝ったのが3年前で、怪我から復帰しても負けて何度も辞めようと思いましたが、応援してくれるジムのみんなのおかげで勝つことができました。キャリアの差があって勝って当たり前じゃなくて、みんなの応援があってこうして勝てました。ありがとうございました」と周囲への感謝の言葉で、メインを締めた。