「ONE:Inside the Matrix 04」2020年11月20日(金)※配信日シンガポール・インドア・スタジアム
2020年11月13日(金)シンガポール・インドアスタジアムで事前収録された「ONE: INSIDE THE MATRIX 4」が配信された。
▼メインイベント キャッチウェイト(58.3kg)キックボクシング 3分3R〇アスランベック・ジクレーブ(ロシア)判定2-1×ワン・ジュングァン(中国)
ジクレーブはこれがONEデビュー戦。15歳からムエタイを学び、アマチュアでは100戦以上を経験。ロシアとヨーロッパでムエタイのタイトルを獲得しているという。
ジュングァンは2017年9月にK-1で武尊に判定負け後、2年間無敗。2019年10月のONEでの前戦では那須川天心とも対戦経験があるフェデリコ・ローマに1R KO勝利している。2019年12月にはサムエーとONE SUPER SERIESキックボクシング世界ストロー級王座決定戦を争ったが、判定3-0で敗れ王座獲得ならず。
1R、前に出て圧力をかけるのはジクレーブ。ジュングァンは圧力を感じているというよりは自分の意志で下がっている様子で、それほどスピードを感じさせないジクレーブのフックの空振りを誘い、右フックをさく裂させる。左フックから左右フックの連打が決まるが、ジクレーブは顔色を変えずに前へ出てくる。そこへ右テンカオを突き刺すジュングァン。
2R開始すぐ、ジクレーブの左フックがヒットする。ジュングァンは前へ出ると右フックをヒット、ジクレーブも左右フックで反撃する。このラウンドは前へ出るジュングァンにジクレーブは下がりながら左右フックを振り回すが、フックの回転力には差があり、ジュングァンのフックが顔面とボディへヒットする。それでも打ち合いになるとジクレーブの左フックがまたもジュングァンの顔面を捉えた。
3Rもガードの上からフックを叩きつけるジクレーブ。足を止めて左右フックの打ち合いになるとジクレーブがヒットを奪う。しかしバックハンドブローはスピードがなく空振り。ジクレーブの右フックをもらったジュングァンは顔色を変え、声を上げて前へ出る。下がりながらも手数を出すジクレーブにジュングァンは先手を取られ続け、判定は2-1でジクレーブが勝利。2Rからギアを上げていったジクレーブが、タイトル戦線へ名乗りを上げた。
▼第4試合 キャッチウェイト(-59.0kg)ムエタイ 3分3R×ロッキー・オグデン(オーストラリア)判定1-2〇ジョセフ・ラシリ(イタリア)
サムエーとの再戦を狙う2人のムエタイ世界チャンピオンが対戦。
WPMF世界王者オグデンは2月に初代ONE SUPER SERIESムエタイ世界ストロー級王座決定戦をサムエーと争い敗れた。現在ムエタイ2位、キックボクシング3位。あのジョン・ウェイン・パーの弟子だ。
ラシリはWBCムエタイ世界王者で、ラジャダムナンスタジアムでイタリア人として初めて勝利を収めた選手である。2018年1月にONEでサムエーに敗れているが、2019年3月の両国大会では秋元皓貴と対戦し、秋元にプロ初黒星を付けた一戦が光る。
1R、オグデンは左右ミドルを軸に右ストレート、右ヒジ、そして右ローを繰り出す。ラシリはパンチを出しながら前へ出て、テンカオを突き刺していく。離れて戦いたいオグデンと、接近戦を仕掛けたいラシリという展開だ。
2Rも前に出るラシリにオグデンはミドル、右ストレート、右ヒジで迎え撃つ。ラシリは組んでのヒザ蹴り、そして右ヒジを打つ。被弾する数はラシリの方が圧倒的に多いが、それでもどんどん前に出て右フック、テンカオ、そして右ヒジで攻めていく。
3R、ラシリの左ボディからの右ストレートがオグデンを捉える。さらに右ヒジ。オグデンは右ローを狙い撃ちにし、ワンツーで迎え撃つがラシリの右ストレート、右ヒジを連続被弾。どんどん前へ出るタフなラシリはヒザ、右ヒジを当てていく。
判定は2-1と割れ、後半追い上げたラシリが勝利。ランキングが上のオグデンを破り、サムエーとの再戦へ一歩近づいた。