2020年12月6日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.68』(昼の部)にて、52.0kg契約3分3R延長1R REDルールでREBELS-RED スーパーフライ級王者・老沼隆斗(STRUGGLE)と対戦する心直(REON Fighting Sports Gym)のインタビューが主催者を通じて届いた。
心直は“プロフェッショナルシスト”健太を師匠に持ち、ジュニア時代はNJKFアマチュア大会で45kg級王者に。プロデビュー後、J-NETWORKではフライ級新人王となり、同級4位にランクイン。9月の新日本キックで元日本フライ級王者・泰史から勝利を奪う番狂わせを起こした。戦績は5勝(1KO)4敗2分。
アマチュア大会もお金を払って観戦するほどの格闘技オタク
――まずはキックボクシングを始めたきっかけから教えて下さい。
「4歳から空手をやり始めて、小学4年生の時にキックを始めました。最初は別なジムで練習していたのですが、大会で連敗したのでクビになりました(苦笑)。そこで別なところを探していたところ、健太会長のいるジムにしようと決めました。健太会長は大学を卒業されていて頭が良くて指導もうまいんです。選手としても日本のトップ戦線で活躍されていて、何度かNJKFのリングで試合を見たことがありました。格闘技好きのお母さんに伝えると『あそこで教われば間違いないよ』とも言ってくれました」
――前戦となった9月の新日本キックでは元日本フライ級王者の泰史選手から判定勝ちしました。番狂わせの勝利でかなりの急成長ぶりが見られた試合でした。どのような努力をしてきたのでしょう。
「成長したとよく言われるのですが、当然ながら僕の試合しか見ていないからです。以前から健太会長には『練習だとめちゃくちゃ強い』と言われていたのですが、試合ではなかなか自分を出せませんでした。何がダメだったのかをしっかりと見つめ直して臨んだのが前回の試合で、それがうまくはまりました。急成長に思われるかもしれませんが、元々できる動きだったんです。
自分の思うようなキックができなかったらもう辞めようと思って臨んだ試合でもあり、今までの自分とは違うものを見せられたと思います。高校を卒業してキック一本で生活しようと決め、今はプロになって4年も経ちますが、勝ち負けの繰り返しで僕はまだベルトも獲っていません。今までの努力だと足りないと思ったので、練習量を増やして努力しています。このような格闘技一本の生活を送ることができているので、親には感謝しかないですね」
――心直選手はお母さんのことが大好きで有名ですが、最近のマザコンぶりはどうですか?
「変わらず格闘技界で一番だと思います。この年齢だと普通はお母さんと一緒に行動するのが恥ずかしいという人もいますよね。普通は高校を卒業して親離れして一人前になるじゃないですか。それが僕は全くなくって、安定の実家暮らしでお母さんの美味しい調理を毎日食べて練習するという、しっかりと身体作りをしています」
――反抗期はなかったのですか?
「ないですね。反抗したら倍で仕返しが来ると言われながら育てられて、恐怖で支配されてきました」
――ご自身にとってお母さんはどういう存在ですか?
「僕にとってお母さんはお父さんでもあるような存在です。厳しく怒ってくれる時はお父さんのようですし、料理を作ってくれる時はお母さんなんです」
――キックで親孝行するのが夢?
「まだ選手として稼ぐことは難しいですけど、最終的には自分のジムを作ってそこで成功したらお母さんには何不自由ない老後を送っていただけるようにしたいですね」
――格闘技オタクだとお聞きしたのですが、そのオタクレベルを教えて下さい。
「めちゃくちゃ格闘技オタクで、アマチュア大会にお金を払って観戦しているのでアマチュアの選手も結構知っています。アマチュアの試合を見るのが好きでこの選手とあの選手が戦ったらどうなるんだろうと妄想もします。いま一番注目しているのは曽我昂史君(ジュニアキック41冠王)で、彼がプロ選手になったらどうなるんだろう? と凄く注目しています。我こそはという格闘技オタクを集めて、REBELS主催で格闘技クイズ大会をやっていただき、そこで優勝したらREBELSスーパーフライ級チャンピオンになれるというのはどうでしょうか?」
うちのジムのレディースクラスのマダムたちと比べても僕は色白
――それは難しい要望なので却下ということでお願いします。今回、REBELS参戦が決まり、現チャンピオンの老沼選手との対戦になりました。
「チャンピオンが用意されたということは、主催者に期待されていると僕は思っています(笑)。ここでしっかりと結果を残して『REBELS』に貢献していきたいです」
――老沼選手にはどのよう印象がありますか?
「2度も防衛していて、打倒ムエタイを目指している強いチャンピオンだと思います。簡単に崩せないのかなと。前回の試合(清志戦)では上段後ろ回し蹴りでKOしたりと攻撃力があってバランスが良く危険な相手ですよね」
――そういう選手に対してご自身は何で対抗しますか?
「老沼選手は蹴り主体の選手ですが、パンチ、組んでからのヒザもうまいので、全部の技がうまくないと勝てません」
――老沼選手と過去三度にわたり激戦を繰り広げているteam AKATSUKIの濱田巧選手と親しく、team AKATSUKIに出稽古に行っているとお聞きしたのですが、最近も行ってますか?
「最後に練習させてもらったのが昨年の末で、その後はコロナの影響で出稽古から遠ざかっています。濱田選手とは会場で会ったら話す仲なので、どこかのタイミングで攻略法を聞きたいと思います。今は健太会長と作戦を練ったり、老沼選手の所属しているストラッグルの元会員さんがうちのジムにいるので一緒に練習したりしています」
――老沼選手にインタビューしたところ、「心直選手は色白なのでインローやミドルが入ってどこが効いているかが分かりやすい」と言われていました。格闘家で色白はウィークポイントになると思ったことはありませんか?
「うちのジムのレディースクラスのマダムたちと比べても僕は色白で、『ほんと肌が白いよね~』と言われて嬉しい自分がいます(笑)。絶対に焼かないようにしていて、まず夏は海に行ったことがありません。外に出る時はUVカットのクリームを強めに塗っています。僕は肌が物凄く弱くて、一度、蚊に刺されただけで病院に行き処方されて点滴を打ったこともあります」
――以前は“褐色のナルシスト”のニックネームが付いた健太選手とは全く真逆の肌色なんですね。
「会長のファイトスタイルはめちゃくちゃ好きなのですが、肌を焼くことには魅かれませんでした。でも脱毛は真似しようと思っていて、パンツで隠れる部分は剃らないのですが見える箇所はカミソリで剃るようにしています(笑)」
――すみません、脱線したので、本題に戻ります。今回はご自身の試合を含めてスーパーフライ級では2試合が組まれています。過去に対戦している白幡裕星選手と泰史選手の二人が対戦しますが、そこは意識していますか?
「僕は泰史選手に勝ちましたが、白幡選手には負けているので、まだトップ戦線で活躍していける自信はないですが、どこかのタイミングで白幡選手にリベンジしたいですね。今回、老沼選手に負けたら、次は白幡選手との再戦になって、それが次期挑戦者決定戦になるかと思うのでそこでも勝てば老沼選手へのリベンジ戦の形になると思います。もし今回、老沼選手に勝てば次はタイトルマッチで再戦になって、そこで僕が王者になれば、初防衛戦で白幡選手を指名します」
――そこまで今後の展開を考えているんですね。
「タイ人トレーナーは老沼に勝てると言っていますが、僕はそんな簡単に勝てる相手ではないと思っています。どんなに練習しても老沼選手の全ての攻撃は危険だし、ヒジで切られたり、バックスピンキックで終わることもあるので、今やるべきことに集中するだけです」
心直(REON Fighting Sports Gym) Shinta2001.5.26生/埼玉県草加市出身/19歳/164cm/サウスポー/11戦5勝(1KO)4敗2分