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レポート

【UFC】村田夏南子がオクタゴンデビュー戦でフルマークの判定勝利!「たくさんのことを学びました」

2020/11/15 09:11
【UFC】村田夏南子がオクタゴンデビュー戦でフルマークの判定勝利!「たくさんのことを学びました」

(C)Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images

 2020年11月14日(日本時間15日)米国・ネバダ州ラスベガス「UFC APEX」にて「UFC Fight Night: Felder vs. Dos Anjos」が無観客&ライブ配信で開催された。

▼女子ストロー級 5分3R
○村田夏南子(115lbs/52.16kg)
[判定3-0] ※30-27×3
×ランダ・マルコス(116lbs/52.62kg)

 柔道とレスリングをバックボーンに、RIZINで活躍した村田夏南子(27・日本)がUFCデビュー戦を迎える。対戦相手は、当初予定されたリビア・ヘナタ・ソウザ(ブラジル)が怪我により欠場、試合2週間前にランダ・マルコス(35・カナダ)に変更された。

 中学まで柔道で国際大会で優勝するなど活躍した村田は、高校ではレスリングに転向し、2011年ブカレスト世界ジュニア選手権55kg級で優勝。同年12月の全日本選手権では吉田沙保里に敗れたものの、第一ピリオドにおいて2ポイントを奪うなど健闘。2012年12月の吉田が欠場した全日本選手権では初優勝を果たしている。

 2016年4月の「RIZIN.1」のナタリア・デニソヴァ戦でMMA(総合格闘技)デビューし判定勝ちを収めると、国際戦で4連勝。2016年12月に元UFCファイターの中井りんと57.15kg契約で対戦し、3R リアネイキドチョークで敗れるも、以降7連勝。2019年11月には、米国『INVICTA FC38』でエミリー・ドゥコッティ(米国)に判定勝利し、浜崎朱加に続く日本人で2人目となる同団体の王者に輝き、UFCとの契約を決めた。MMA戦績は11勝1敗。

 日本では拠点とするリバーサルジム新宿Me,Weのほか、打撃面でシルバーウルフジムでの出稽古でKANAと練習。グラップリングではIGLOOの岩本健汰、米倉大貴に指導を仰ぎ、原点であるレスリングで、2018年世界選手権55kg級金メダル&東京五輪内定の向田真優、代表候補の須崎優衣とも練習を行ってきた。また、米国では新型コロナウイルスの影響下、コンバット・スポーツ・アカデミーで、キリアン・フィッツギブンスコーチとマンツーマンで調整を行って来た。

 対するマルコスは、レスリング・柔術がバックボーン。2014年の「The Ultimate Fighter 20」準決勝でローズ・ナマユナスに一本負けし決勝進出はならなかったが、同年12月の「TUF20 Finale」でUFCデビュー。以降、UFC6勝7敗1分の戦績を残している。

 2020年は3月にアマンダ・リバスに判定負け、9月19日に柔術世界王者のマッケンジー・ダーンに1R 腕十字で一本負けし、現在2連敗中で、女子ストロー級ではランク外だが、かつてはランカーのカーラ・エスパルザ(2017年2月)にスプリット判定勝ち、アンジェラ・ヒル(2019年3月)にも1R 腕十字で一本勝ちしている。

 直近の白星は2019年10月のアシュレイ・ヨーダ戦。2019年6月に朱里に判定勝ちしているヨーダを相手に、マルコスはスプリット判定で競り勝っている。

“クワイエット・ストーム(静かなる嵐)”の異名通り、ベテランらしく淡々と相手を自分のペースに巻き込むマルコスは、スタンドではオーソドックス構えから突進力を活かした左右のパンチによる連打。さらに組んでのダーティボクシングを得意とする。

 またダーンには敗れたもののベースとする柔術を武器に、下になっても寝技で作る場面が多く、センタク挟み、アナコンダチョークなどを見せ、4つの腕十字による一本勝ちもマークしている。

 2019年7月に5位のクラウディア・ガデーリャに敗れたことでランク外に落ちたマルコスにとっては、村田に勝利して再びランク入りを目指したいところ。村田にとっては15位のソウザとの対戦が流れたいま、ランク外ながらランカーに白星を挙げているマスコスを下して、ランキング入りを確実なものとしたい。

 桜庭和志の入場曲『SPEED TK REMIX』でオクタゴンに足を踏み入れた村田。オクタゴン仕様のカナコマスクはスポンサーの関係か、着用はならず。身長差8cm、リーチでは4cmマルコスが長い。

 1R、サウスポー構えの村田。オーソドックス構えのマルコス。背中周りが大きくなった村田。中央を取り右で飛び込み、右で差してボディロックから小外がけでテイクダウン! 左腕でオーバーフックするマルコスに右で脇を差しパスガードする村田はサイドポジションに。

 左で脇を差し返し立ち上がるマルコス。金網に押し込んだ村田にヒザ蹴りはマルコス。右で差して捨て身気に投げを打つ村田だが、投げられず。体を戻すマスコスに右で差して崩して左足を取ってテイクダウンする村田! ハーフガードからマルコスの左腕を縛り、右ヒジ! 右で脇を差してくるマルコスにさらに右ヒジを連打する。しかし、マルコスも右足を捕えて外ヒールフック。村田はヒザを曲げて極めの防ぐ。

 2R、再び中央を取る村田。出入りにマルコスは右ロー。村田は右ジャブから左ハイ! しかしマルコスも左を返す。マルコスの遠間からの連打をステップバックでかわす村田。圧力をかけると、マルコスのバックフィストをかわして右で飛び込むが頭がぶつかる。マスコスの右に片ヒザを落とす村田! すぐに立ち上がる村田はシングルレッグでテイクダウン! ここまで6回中3回のテイクダウン成功。右で差して、バックテイクを狙いながら、マルコスの右腕を掴んで寝かせると、マウントを狙うが、そこに起き上がるマルコスの首をがぶりヒザ狙いも、マルコスは立ち上がり頭をつけてくる村田の顔を剥がし、バックテイク狙いの村田に右のパンチを打ち込む。

 3R、先に中央を取る村田。左で飛び込み右を狙う村田。2Rに鼻から若干の出血も。右インローはマスコス。村田のセコンドは上下に散らせの声。素早いダブルレッグテイクダウンは村田! リフトするがそのまま着地するマルコス。しかしそこに村田は大内刈でテイクダウン! 左に足を越えパスガードする村田は、マルコスの起き上がりにダースチョークを合わせ、ノースサウスチョークに移行! しかしズラすマルコスは足を戻す。体を離した村田に、下からマルコスは蹴り上げ! 村田のヒザはマットに着いていたか。両足首をつかみついていく村田はマルコスの下からの腕十字をかつぎパスで最後にサイドを取ってブザー。

 グラウンドで8分11秒を支配した村田。下のマルコスの手を持ち引き上げてから判定を待つ。判定は3-0(30-27×3)で村田がフルマークの勝利。一筋縄ではいかない相手に課題も見えたが、出入りの打撃、レスリング&柔道のテイクダウン、柔術のパスガードを活かした内容でマルコスを圧倒し、オクタゴン初陣を見事、白星で飾った。

 試合後、村田はオフィシャルインタビューに「UFCデビュー戦で勝てたことが本当に嬉しいです。ランダ・マルコスのように経験豊富なベテランと戦うことでたくさんのことを学びました。(今後)誰と戦うことになっても構いません。とにかく勝ち続けて、一歩ずつ上っていきたいです」と謙虚に語った。

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