2020年12月19日(土)東京・新宿FACE『skyticket Presents DEEP JEWELS 31』の対戦カード発表第一弾で、一挙6カードが発表された。
今大会には浜崎朱加の背中を追う、9月にDEEP女子ミクロ級王者に就いた大島沙緒里と、7月にDEEP JEWELSストロー級暫定王者に就いた本野美樹の、AACCが誇る新女王コンビが揃い踏み。大島はパク・シウ(韓国/TEAM MAD)と、本野は伊澤星花(高本道場)とそれぞれ対戦決定。
大島は3歳から始めた柔道歴は21年を数え、2019年の全日本アマチュア修斗で圧倒的な強さで優勝。2020年1月には修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントに抜擢され、一回戦でKO勝ち、5月の準決勝では元DEEP JEWELSアトム級王者の黒部三奈相手に敗れはしたものの、新人離れした才能を発揮した。2020年7月の『DEEP JEWELS 29』では柔術出身のさくらとの寝技合戦を制し、キムラロックによるテクニカルサブミッションでの一本勝ちでさくらにプロ初黒星を付け、9月の『DEEP』ではしなしさとこが返上したDEEP女子ミクロ級王者決定戦をにっせーと争い、1R2分10秒、ハンマーロックによるTKO勝ちでプロわずか4戦目にして王座に就いた。
シウはテコンドーをバックボーンにMMAとキックボクシングでも活躍。キム・ドンヒョンやハム・ソヒなどのMMAトップファイターが所属するTEAM MADの一員。日本勢とは2018年5月に『GRACHAN 35』で沙弥子に判定負けも8月の『DEEP 85』ではパンチ&ロー、ヒザ蹴り、左ミドルで富松恵美に大差の判定勝ち、2019年12月には青野ひかるをTKOでマットに沈めている。また、キックボクシングでは伊藤紗弥、紅絹、ぱんちゃん璃奈らとも対戦経験あり。本来なら今年5月に王者・前澤智(=10月31日に引退)にDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチで挑戦することが決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で大会が中止となってしまった。
この試合はアトム級(47.6kg)で行われるためミクロ級(-44.0kg)の大島にとっては一階級上での試合となるが、前述の通りスーパーアトム級(-50.0kg)でも試合経験があり、柔道で培ったフィジカルの強さと寝技の強さは階級を超えるものがある。パク・シウ撃破という大きな勲章を手にすることができるか。
本野は、東海大学柔道部出身で2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍し、アマチュアMMAでも無敗。2019年3月の『HEAT』で満を持してプロMMAデビューを果たし、“流血のマドンナ”こと鈴木万李弥に完勝。同年6月の『DEEP JEWELS』に初参戦すると、大晦日RIZINで山本美憂と対戦したベテランの長野美香をデビュー2戦目にして破るというアップセットを起こしている。
10月には豪州『Eternal MMA』でWMMA豪州女子ストロー級王者ケーシー・オニールに3戦目にしてタイトルマッチに挑んだが判定負けで初黒星。12月『DEEP』でのパク・チヨン戦では1R、腕十字による一本勝ちで再起を果たし、2020年2月のDEEP JEWELSではノンパン・ザ・ロケットを1RでTKOに仕留め、7月のDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦では赤林檎を1R4分23秒、TKOに破ってわずか6戦目で王座に就いた。
対する伊澤は東京学芸大学教職大学院生で22歳。小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。
今年8月の『ZST BATTLE HAZARD 07』で女子グラップリングの強豪・杉内由紀(2019年4月のQUINTETで池本美憂、杉本恵、長野美香に一本勝ちで3人抜き達成)と7分1Rフルに戦って引き分け。注目を集めると10月のDEEP JEWELSでプロMMAデビュー。キャリアで優るARAMIをテイクダウン&寝技で圧倒し、判定3-0(20-18×3)の完勝を収めた。佐伯繁DEEP代表が「本野のタイトルにいきなり挑戦してもいいくらい」と太鼓判を押した。
今回はノンタイトル戦のストロー級5分3R。もし伊澤が勝利すればタイトルマッチでの再戦となるだろう。本野にとっては早くも王者としての真価を問われる一戦となった。