2020年11月28日(日本時間29日)に米国ラスベガスの「UFC APEX」で開催予定の「UFC Fight Night: Blaydes vs. Lewis」に、ウェルター級で日本の佐藤天(サンフォードMMA)の出場が決定。米国のミゲル・バエザと対戦することが発表された。
MMA16勝3敗(11KO・TKO)の佐藤はUFC4戦目(2勝1敗)。バエザはMMA9戦無敗(UFC2勝、7KO)。
2019年4月にベン・サンダースに2R TKO勝ちでUFCデビュー戦を白星スタートした佐藤は、同9月に、ベラル・ムハメドに3Rチョークで一本負け(※現在ムハメドはUFC3連勝中)。2020年6月には、新型コロナウイルスの影響で対戦相手が三転四転するなか、ジェイソン・ウィットを1R、わずか48秒でTKOに下している(※UFC参戦の日本人UFCファイター史上最短勝利)。
2020年8月にも同じラスベガスでダニエル・ロドリゲスを相手に試合に臨む予定だった佐藤だが、計量をパスしたものの、その後のドクターチェックで2週間前に発症したという帯状疱疹の跡が見つかりドクターストップ。3カ月の間を置き、今回がオクタゴン4試合目となる。
佐藤は公式インタビューに、「8月に試合が流れてしまいましたが、そこからずっといつ試合があってもいいようにやるべきことを着々とやって準備をしてきました。試合に向けての準備はしっかりできているので、まずは、次こそは確実に試合にたどり着けるように体調面の管理を徹底しつつ、残りの時間を過ごしていきます」とコメント。
さらに「そして契約最終戦、しっかりと乗り越えて1つ上に行きます」と今回が契約最終試合であることを明かし、継続参戦に向けて、必勝を誓っている。
対するバエザは2019年ダナ・ホワイトのコンテンダーシリーズ出身。UFCでは2019年10月にヘクター・アルダナに2R TKO勝ち。2020年5月にマット・ブラウンに2R TKO勝利を収めている。
バエザがカウンターの左フックで沈めたブラウンは、佐藤が勝利しているサンダースに2R TKO勝利しており、UFCランキング入りを目指す両者にとって競り合いのマッチメークとなっている。
サウスポー構えの佐藤に対し、オーソドックス構えのバエザは、初戦のアルダナ戦では、遠い間合いからの右ハイ、右ローと上下に蹴り分け、右カーフキックを効かせてダウンを奪いパウンドアウト。
(C)Cooper Neill/Zuffa LLC via Getty Images
2戦目のマット・ブラウン戦でも右のカーフを効かせ、ブラウンの左右を浴びながらもシャープなワンツーで1Rからダウンを奪取。2Rもブラウンの左の入りに右から左の返しを当てると、右前蹴り、右カーフを効かせて、ブラウンの左にカウンターの左フックでダウンを奪い、パウンド1発。KOに下している。
左右のどちらもカウンターが巧みなバエザは、コンテンダーシリーズでは、サウスポー構えのヴィクター・レイナの左フックにカウンターの右でダウンを奪っており、ともに位置取りが重要な試合となってくる。また、相手の頭を下げさせるがぶりの動きを得意とし、首相撲からのヒザ蹴りにも注意が必要だ。
組み技では、金網まで這い立とうとしたレイナにバックテイクを選択しているバエザは、引き落としからのアナコンダチョークも狙っているが、極めには至らず、逆に後半にレイナの反撃を許している。
バエザのカーフはサウスポー構えの佐藤には遠いが、リーチがあり左右どちらも破壊力があるパンチ、そして柔術黒帯のグラウンドとウェルラウンダーの強豪を相手にする佐藤。上位を目指す佐藤にとっては、スタンドで主導権を握り、ケージレスリングでも優位に立ちたいところだ。