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インタビュー

【RIZIN】武田光司「泥臭さでいったら自分のほうが強い。何が何でも必ず上をとって勝ちます」=4月21日(日)『RIZIN.15』横浜大会で元UFCダミアン・ブラウンと対戦

2019/04/09 13:04
4月21日(日)『RIZIN.15』横浜アリーナ大会で、DEEPライト級王者・武田光司(BRAVE)と、元UFCファイターのダミアン・ブラウンが71kg契約で対戦する。 プロデビューから8戦無敗の武田と、MMA18勝12敗(UFC2勝4敗)のブラウン。ともに組み技を軸に泥臭いファイトを信条としている。レスリングエリートの武田は、埼玉栄高校時代に、全国高校選抜大会、インターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国体の4冠を制しており、同い年の樋口黎(リオ五輪フリースタイル57kg級銀メダル、2018年U-23世界選手権65㎏級優勝)、文田健一郎(2017年世界選手権グレコローマン59kg級優勝、2018年U-23世界選手権60㎏級優勝)ら未来のメダリストとともにレスリングに取り組んできた。 「中学校のときから一緒に海外に練習とか試合に出ていて、最前線で活躍している彼らといまはジャンルは違えど、自分も世界で活躍したい」と語っていた武田は、今回、RIZIN初参戦で、初めて元UFCファイターと拳を交えることになる。 2017年2月にBRAVE入りし、8月のプロMMAデビュー戦から1年2カ月で8戦無敗。2018年4月には現在ONE Championshipで活躍中のモンゴルの豪腕ツォゴーフ・アマルサナーにも判定勝利している武田にとって、ブラウン戦は世界最高峰との距離を図るうえで、さらにライト級GP出場も見据えた大事な試合となる。 対するブラウンは対日本人では、2012年のLEGENDで安藤晃司の横三角に一本負け、2013年のLegend FCでは粕谷優介に腕十字で敗れているが、その後5連勝を記録するなど、息の長い格闘技キャリアを積み、2016年にUFC参戦を決めている。 UFCで観客を沸かせたアラン・パトリッキとのスクランブル合戦、体重超過した相手と壮絶な殴り合いを繰り広げたフランク・カマチョ戦、スプリット判定で競り勝ったジョン・タック戦など、逆境にも諦めないブラウンのタフな試合ぶりは、武田光司の泥臭いファイトスタイルとどう噛み合うか。 4Rの熱のこもった公開練習を見せた武田は「泥臭さでいったら自分のほうが強い」と競り合いに絶対の自信を見せた。 ──前回の試合から4月21日の試合まで半年の時間が空きました。現在の仕上がりはいかがですか? 「プロデビューしてから昨年の10月(2018年10月27日『DEEP 86 IMPACT 』)まで2カ月に1試合やっていましたが、今回は6カ月ほど空きができました。コンディション的にはいつもと変わらず良く、緊張感を持って練習に取り組んでいます。相手の方が場数も多く、格上ですが、それはいつものことで、自分の場合、常に相手の方がMMAキャリアのある選手でしたから、やることはいつもと変わらないです」 ──いつも以上に気合が入ってるわけではない? 「緊張している部分もありますけど、今までやってきたレスリングでも大きな舞台は経験してきたので、そこまで緊張はしていないです」 ──公開練習では打撃の練習の割合が多かったのですが、普段の練習も打撃が中心なのでしょうか。 「これまでは寝技がメインでした。北岡選手との試合が終わってからも打撃の練習もだいぶやるようになり、今は打撃が6割、寝技が4割と割合が逆転している感じです」 ──パンチのバリエーションが増えているように見えました。 「宮田(和幸)先生に色々教えて頂いています。BRAVEの内弟子なので、芦田(崇宏)選手や岸本(篤史)選手など、ボクシング出身の兄弟子からも色々な技やスキルを教えてもらえるので、出稽古することもなくチーム内で練習ができて、バリエーションが増えています」 ──自信があるパンチは? 「僕はレスリングの構えと同じで、総合での構えはサウスポーなので、右利きですが右足・右手前になります。そこで前手の右のジャブとフックに磨きをかけています。そのジャブ・フックからの展開、ジャブからのストレートや、ジャブからの組みなど、ジャブを活かして試合を組み立てられるようにしています」 ──今回の相手ダミアン・ブラウンは武田選手よりリーチがある選手です。ジャブをどう当てる? 「距離感が大事だと思います。その場で止まらない事と、距離を詰めた場合や組んだ時など、組んだら僕の方が強いので、『組むまでの過程』をすごく大事にしていきたいです」 ──ブラウンは打撃の強いあのダロン・クルックシャンクを圧力で下がらせています。 「あれは怖かったですね。会場で見ていたんですけど、プレシャーのかけ方がすごい上手いなと思います。じりじり詰めていく中で、ときどきヒザなどの飛び道具もあって、そこは少し怖いなと思っています」 ──さらにブラウンはタフファイトも辞しません。序盤のスクランブル、後半のピンチでも盛り返す根性があるなど泥臭さが持ち味とも言えます。 「そうですね。僕も天才的な動きをするわけではなく、疲れても疲れても諦めない根性ファイターだと思っています。レスリングの時もそうでしたし、MMAもその延長線上で変わりません。スキルは相手の方が上ですが、泥臭さでいったら自分のほうが強いと思います。スクランブルは絶対に負けません」 ──これまでケージでの試合でレスリングを活かす場面もありました。今回、RIZINのリングで戦うことについては? レスリングシューズを履くことも? 「履かないですね。BRAVEの三郷ジムにはリングもあります。リングでも練習してきたので、ケージとの違いについては特に問題ないと思っています」 ──今日の練習では上を取ってから、これまでのがぶりからダースチョーク、キムラなどに加え、洗濯バサミも見せていました。あれは得意な形からのバリエーションのひとつ? 「あの技はフィニッシュというよりは、そこからの繋ぎとしての技ですね。フェイントにもなっています」 ──ジャーマン(スープレックス)を見せる自信は? 「あります。前回も(ジャーマンを)出せる場面はあったんですけど、この前の試合も宮田先生に言われたテーマに沿った試合をしたので出しませんでした。今回はそういったテーマは無いので割と自由に試合をします。宮田先生を信じていますし、投げは絶対条件だなと思っています」 ──元UFCでジョン・タックに勝利、体重超過のフランク・カマチョとも接戦を繰り広げている相手です。ブラウン戦をどのように位置付けていますか? 「強い相手を選ぶ、と言われていて誰なんだろうと思っていました。強い相手とやりたいと思っていたので、すごい嬉しいです。相手はUFCの肩書きを持っている選手。もともと僕はUFCの試合を観て、憧れてMMAを始めたのですが、その舞台で戦っていた選手と戦えるのは光栄です。怖さもありますが、敬意を持って倒したいです」 ──となると今回の試合のテーマは? 「前回は北岡選手を倒してDEEPチャンピオンになれましたけど、RIZINは自分にとっては初舞台。僕にとってはゼロからの、新たなスタートだし、大きな一歩でもあります。いいスタートダッシュを切れたら、と思います。いや、いいスタートダッシュを切ります」 ──ファンにどういう試合を見せたいですか? 「周りが求めているのはフィニッシュですかね。でも相手が強敵になっていくにつれて判定勝ちが多くなってきました。フィニッシュばかり求めて焦って変な形になるのではなく、確実に勝利を手にすることがいまは大事だと思っています。僕の十八番はスクランブルの展開。ぐちゃぐちゃの展開のなかでも正確に、丁寧に仕掛けていくなかで、スクランブルになったら何が何でも必ず上をとって勝ちたいと思います」 ──ライト級グランプリについてはどう思いますか? 「そこはまだなんとも言えないですけど、ライト級グランプリへの査定試合で、負けたらグランプリも無いと思っていますので、確実に勝利を意識して手にしたいと思っています」 ──インスタライブを見ていたダミアン選手からコメントが来ました。 ダミアン「打撃だけ練習しても、どうせ試合では抱きつきに来るんだろう? 抱きつきは無しで打ち合いをしよう」 「無理ですね(笑)。打ち合いにならなくても、僕が打撃で制して一方的に殴る展開になれば。そこでスクラブル、組み技にももっていければと思っています」 ダミアン「柔術なんてやらないで客が見たいことを見せようぜ。立ち技で勝負だ。レスリングじゃないぞ。スクランブルが得意と言っていたが、レスリング対策をしているのでそうならない」 「(レスリングが)気になるのかな、怖いのかな、と思いますね」 ──対戦相手がSNSで絡んでくることもある? 「Twitterで『いいね』とかもしてくる事もありましたね。フォローしようかと思いましたが、試合前は少し違うのかなと(苦笑)。今は相手の事を気にするよりも自分のことで手一杯。SNSでやりあうよりも、僕の場合は試合で盛り上がればいいかなというスタンスです」
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