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【UFC】元RIZIN王者マネル・ケイプのUFCデビュー戦は扇久保と対戦した5位のパントージャに。プロハースカ2戦目は2位のレイエスと対戦!

2020/11/04 20:11
 2020年12月19日(日本時間20日)、米国ネヴァダ州ラスベガス「UFC APEX」で開催予定の「UFC Fight Night: Edwards vs. Chimaev」で、元RIZINバンタム級王者マネル・ケイプ(アンゴラ)が、現UFC世界フライ級5位でMMA22勝5敗のアレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)と対戦することが発表された。米複数メディアが報じたもの。  ケイプは、2019年大晦日に、堀口恭司(アメリカントップチーム)が負傷欠場し返上したRIZINバンタム級王座を賭けて朝倉海(トライフォース赤坂)と対戦。2R 38秒TKO勝ちで新王者に就いたが、2020年3月にUFCへの移籍を発表していた。  2020年8月のUFCデビュー戦を、対戦予定だったフライ級8位(※現9位)のホジェリオ・ボントリン(ブラジル)と自身の双方の怪我でキャンセルしていたケイプはその後、試合が決まらないことに苛立ち、「フライ級のトップ5は最悪だ!!! 彼らは俺を恐れている」と、フライ級上位陣をSNSで激しく挑発していたが、今回念願通り、トップ5との対戦が実現したことになる。  試合決定にケイプは、SNSに日本語で「私が一生懸命、練習、集中し、自信を持っている限り、彼らはこのチャンスに耐えられません」と、勝利への自信をツイートしている。  ケイプと対戦するパントージャは、日本人ファイターとも縁が深く、2016年に世界各国からフライ級王者が集められた「The Ultimate Fighter Season 24」で、修斗王者の扇久保博正(パラエストラ松戸)とトーナメント準決勝で対戦し、判定負け。2018年11月のUFCでは、佐々木憂流迦(Serra Longo Fight Team)と対戦し、1R リアネイキドチョークで一本勝ちしている。  TUFでは扇久保のオーソからの左の蹴りに苦しめられたパントージャだが、佐々木戦ではテイクダウン狙いを切られながらも下から腕十字、三角絞めのトランジッションから、足を手繰るデラヒーバでバックテイク、見事にリアネイキドチョークを極めている。  一方で、2020年7月の前戦では現フライ級3位でMMA13勝無敗(1NC)のアスカー・アスカロフ(デフリンピックレスリング金メダリスト)のケージレスリングで後手に回り、右のパンチも被弾し判定負け(29-28×3)。しかし試合全体を通してアクションが多いのはパントージャという試合内容だった。  UFCとの契約を得られなかった扇久保に対し、扇久保に敗れながらもUFCと契約を結んだパントージャは、17年のオクタゴンデビューから現在までにUFC6勝3敗の戦績を挙げている。  アグレッシブな右の打撃を持つパントージャに対し、懐の深いケイプはいかに被弾せず自分だけが当てていくか。テイクダウンを奪っても極めの強いパントージャの下からの仕掛けには注意が必要だ。2018年大晦日のRIZINで佐々木憂流迦に判定負けしているケイプにとっては、その後の成長と現在の実力が試されるトップ5ランカーとの試合になるだろう。 パントージャは今回の試合決定に、所属するアメリカントップチームをバックに「私の“ホーム”に戻って、仕事をして勝つ!」とインスタグラムに投稿している。同門の堀口恭司からどんなアドバイスを受けるか。 扇久保「パントージャにお仕置きして欲しい」  現在、UFCフライ級戦線は、ヘンリー・セフードが返上した王座を7月にデイブソン・フィゲイレードとジョセフ・ベナビデスが争い、1R リアネイキドチョークでフィゲイレードが一本勝ちでベルトを巻いている。トップ10の顔ぶれは以下の通り。 ◆UFC世界フライ級ランキング(※2020年11月4日時点) ・王者 デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)19勝1敗※2020年11月21日「UFC 255」で4位のアレックス・ペレスを相手に防衛戦 ・1位 ジョセフ・ベナビデス(米国)28勝7敗※2020年7月に王者フィゲイレードに1R RNCで一本負け ・2位 ブランドン・モレノ(メキシコ)17勝5敗1分※2020年11月21日「UFC 255」で6位のブランドン・ロイヴァルと対戦 ・3位 アスカー・アスカロフ(ロシア)12勝1分※2020年7月に5位のアレッシャンドリ・パントージャに判定勝ち ・4位 アレックス・ペレス(米国)24勝5敗※2020年11月21日「UFC 255」で王者フィゲイレードに挑戦 ・5位 アレッシャンドリ・パントージャ(ブラジル)22勝5敗※2020年7月に3位のアスカー・アスカロフに判定負け ・6位 ブランドン・ロイヴァル(米国)12勝4敗※2020年11月21日「UFC 255」で1位のブランドン・モレノと対戦 ・7位 ジュスエー・フォルミーガ(ブラジル)23勝8敗※2020年6月に4位のアレックス・ペレスに1R TKO負け ・8位 カイ・カラ・フランス(ニュージーランド)21勝9敗1NC※2020年9月に6位のブランドン・ロイヴァルに2R 一本負け ・9位 ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)16勝2敗1NC※2020年2月にレイ・ボーグに判定負け ・10位 マット・シュネル(米国)14勝5敗※2019年12月に5位のアレッシャンドリ・パントージャにTKO負け。2020年12月にタイソン・ナムと対戦  現在、AKAタイランドで練習を積み、11月14日に27歳の誕生日を迎えるケイプは、フライ級王座獲得とバンタム級王座の二階級制覇を目標に掲げており、フライ級5位のパントージャとの試合は落とせない一戦になる。  かつて、パントージャに勝利し、RIZINでは石渡伸太郎に勝利し、王者ケイプへの挑戦権を得ながらも、UFCに“勝ち逃げ”された扇久保は、今回の試合予想を問われ、「パントージャに一本勝ちしてほしいですね。(自分との試合を受けずにUFCに行ったので)パントージャにお仕置きして欲しいです」と笑顔で語っている。 [nextpage] プロハースカ「エネルギーを集中させる」  2020年7月には、元RIZINライトヘビー級王者イリー・プロハースカ(チェコ)がオクタゴンデビュー戦で、UFC同級7位でタイトル挑戦経験もあるヴォルカン・オーズデミア(スイス)と対戦し、2R、右ストレートで衝撃の失神KO勝ち。いきなり同級5位にランクインした。  2021年2月27日の「UFC Fight Night: Reyes vs. Prochazka」では、UFCライトヘビー級2位のドミニク・レイエス(米国)との対戦が予定されており、勝てばタイトルショットも狙える位置にプロハースカはつけている。 (C)Jeff Bottari/Zuffa LLC via Getty Images  現在、UFCライトヘビー級戦線は、王者ヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)を筆頭に、中欧・東欧勢の活躍が目立っている。 ◆UFC世界ライトヘビー級ランキング(※2020年11月4日時点) ・王者 ヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)※2020年9月にドミニク・レイエスとの王座決定戦で2R TKO勝ちで王座獲得。2019年2月にチアゴ・サントスに3R TKO負け ・1位 チアゴ・サントス(ブラジル)21勝7敗※2020年11月7日に3位のグローバー・テイシェイラと対戦 ・2位 ドミニク・レイエス(米国)12勝2敗※2021年2月27日に5位のイリー・プロハースカと対戦 ・3位 グローバー・テイシェイラ(ブラジル)31勝7敗※2020年11月7日に1位のチアゴ・サントスと対戦 ・4位 アレクサンダル・ラキッチ(オーストリア)13勝2敗※2020年8月にアンソニー・スミアスに判定勝ち ・5位 イリー・プロハースカ(チェコ)27勝3敗1分※2021年2月27日に2位のドミニク・レイエスと対戦 ・6位 ヴォルカン・オーズデミア(スイス)17勝5敗※2020年7月にイリー・プロハースカに2R KO負け ・7位 アンソニー・スミス(米国)33勝16敗※2020年11月28日にデヴィン・クラークと対戦 ・8位 ニキタ・クリロフ(ウクライナ)27勝7敗※2020年3月にジョニー・ウォーカーに判定勝ち ・9位 ジョニー・ウォーカー(ブラジル)18勝5敗※2020年9月にライアン・スパンに1R KO勝ち ・10位 ミーシャ・サークノフ(ラトビア)15勝5敗※2019年9月にジミー・クルートに一本勝ち  そのなかで、プロハースカと対戦予定のレイエスは、試合時に31歳となるメキシコ系米国人。レスリングとNFL入りを目指したアメリカンフットボールがバックボーン。弟のアレクサンダーのジムであるコンバットケージアカデミーでMMAのトレーニングを受け、アマチュアで5連勝後、プロで12勝2敗。  初黒星はジョン・ジョーンズとの王座戦。2020年2月にMMA12勝無敗の戦績で当時の王者ジョン・ジョーンズ(米国)に挑み、中盤まで打撃で優位に立つも、JJのレスリング&スタミナ戦に終盤を失い、僅差で判定負けした。 (C)Josh Hedges/Zuffa LLC via Getty Images  その後、JJのベルト返上により、ヤン・ブラホヴィッチと王座を争うもブラホヴィッチの左ミドルを被弾し、最後は左フックの前に2R TKO負けを喫している。  2連敗中のレイエスだが、身長193cm、リーチ196cmから繰り出される左の攻撃は脅威。左ストレート、左アッパーでのフィニッシュのみならず、左ハイでも試合を決めている。  サウスポー構えのレイエスに対し、プロハースカはスイッチはするものの基本オーソドックス構え。低い手の位置からの打撃は出どころが分かりにくいが、相手のパンチを被弾することも多く、また、これまでの試合では前傾姿勢の前足にカーフキックを効かされる場面も見せている。  身長はレイエスと同じ193cmでリーチでは203cmと、レイエスを7cm上回っているが、自身と同体格のレイエスを相手にどこまで得意のステップでペースを握ることが出来るか。跳びヒザ蹴りもこれまでの相手のようにはいかないことも予想される。  レイエス戦の決定にプロハースカは、「エネルギーを集中して力を蓄える」と孫子の言葉を引用。対するレイエスは、ダン・ヘンダーソンのジムにて、LFAで活躍中のジャマル・ポーグスとの練習写真とともに、「ヤングガンズとのスパーリングに乾杯。情熱と気合を持って帰って来たよ。前回の試合はドミニク・The Devastator(破壊者)・レイエスのキャラクターから外れて試合を見に来てくれたみんなに申し訳なかった。今回は回復して自分らしく戦えることに興奮しているよ」と復活を宣言している。  同級1位のチアゴ・サントスが、11月7日に3位のグローバー・テイシェイラとのブラジル対決を控えており、勝者が現王者・ブラホヴィッチとの次期王座挑戦権を得るものと予測される。プロハースカにとっては、レイエスに勝利し、2021年中の王座挑戦を実現したいところだろう。
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