カリミアンを完全攻略し、初回TKOで第2代K-1クルーザー級王座に就いたK-Jee 撮影/安村発
2020年11月3日(火・祝)福岡国際センターで開催された『ECO信頼サービス株式会社 PRESENTS K-1 WORLD GP 2020 JAPAN』のメインイベント、K-1 WORLD GPクルーザー級タイトルマッチ3分3R延長1Rで王者シナ・カリミアン(イラン/POWER OF DREAM)に1R1分54秒、TKO勝ちして第2代王座に就いたK-Jee(K-1ジム福岡チームbeginning)が試合後インタビューに答えた。
「相手が嫌であろうということが上手くハマって、戦いやすい試合運びが出来て思いのほか早くチャンスが見つけられたので倒しに行きました」とK-Jee。
その作戦の内容を聞くと「まずは(カリミアンは)出ると強いので出られない位置でプレッシャーを自分からかけて先手で、フェイントでもいいから相手を下げさせる、または相手を前に出させない距離で先に攻撃を振る。当てるとかじゃなくてもいいので。あと距離が遠いと出やすいので、踏み込めないくらい近い距離でプレッシャーをかけていったらいいかなと思って。パンチは大きいのでしっかり見ておけば見やすいので」と、前に出させないことを徹底したと明かした。
「相手は全然パンチが見えていないし、スピードについて来れていない感じがあったので。1回目にやった時はけっこうリズムが速かったんですよ。圧力も感じたので。出ると凄く強いけれど、下がると愛鷹選手との試合もそうだし、加藤選手との試合を見ても下がると弱い。あと中間距離も弱いし。強いところと弱いところが凄くはっきりしているのでやりやすかったですね」
公開練習で「カリミアン選手の武器を削って勝負すればいい。勝負の仕方がみんな上手くないなと思います」と語っていたK-Jeeだが、「もっとやりたいことはいっぱいあったんですけれど、技とかも。(カリミアンの)武器を削るっていうのは前に出させないことですね。前に出られても出られた時の対策はしていたので。前に出させないことが一番の削るで、前に出られた時はサイドのポジショニングをとるというのが第二の削る。徹底して相手の得意な攻撃を防ぐというのを練習でやっていました」と、相手を徹底的に研究して攻略法を編み出していた。
当初はスーパーファイト(ワンマッチ)だったのがタイトルマッチに変更になったことで「大会に関するより責任を感じました。自分の立場とか、自分を応援してくれる人とか、そういうところで勝つって気持ちがあったんですけれど、ベルトが懸かってメインに変わってから、福岡で売り出してくれて福岡で大会ができて、それは俺が勝ってベルトを巻いて終わらないと福岡大会は上手く締まらないんじゃないかってイベントのことも考えるようになりました」と、さらに背負うものが大きくなったと振り返る。その役目を果たしたことには「よかったって感じだけですね」と笑った。
勝った瞬間には「胸がいっぱいになりました。“ありがとう”という言葉で。早くみんなに感謝を伝えたい気持ちでいっぱいになりました。それまでリングに上がるまでの恐怖とかがスーッと抜けた感じでした」と、感謝の気持ちでいっぱいだったという。
今後のことについて聞かれると「この階級を盛り上げるんだったらいっぱい試合をしないといけないし、いろいろな選手と防衛戦をやっていきたいと思うし、海外から選手が来れるようになったら本当に強いヨーロッパの選手といっぱいキャリアを積んで、次のチャンピオンになってからのステージに挑戦していきたいと思います」と、これからも挑戦していきたいと語った。
なお、敗れたカリミアンはショックが隠せず「ひとこと約束させてください。必ず自分の弱点を克服してもっと強くなって戻ってきます」とコメントするにとどまった。