2020年11月1日(日)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)にて開催された『Cygames presents RISE DEAD OR ALIVE 2020 Osaka』で、SB日本スーパーバンタム級王者・植山征紀(龍生塾ファントム道場)とRISEバンタム級王者・鈴木真彦(山口道場)を破り、「那須川天心挑戦者決定トーナメント」で優勝した志朗(BeWELLキックボクシングジム)が、試合後インタビューに答えた。
優勝した率直な感想を求められた志朗は「喜ぶのを忘れていたな、と。喜ぶより、またたどり着いたなって。那須川天心と戦う権利は本当に多分少ない権利、チャンスなわけじゃないですか。自分はそれをまた引き寄せたので、その達成感と周りへの感謝でいっぱいです」と、喜ぶことを忘れていたという。
那須川天心と戦うためにRISEに参戦。2019年9月『RISE WORLD SERIES 2019 55kgトーナメント』の決勝戦へ勝ち上がってそれを実現させるも、判定3-0(30-28×3)で敗れた。それ以来「RISEルールで那須川天心に勝てるのかって、自分の中で疑問があったんですよ」と振り返る。
「クリンチしてしまう癖とか直さないといけないし。この1年間、永末ニックトレーナーとかガンスワン(タイ人トレーナー)とかいろいろな人とここを直そうとかここはいいから伸ばそうとか。正直、フィジカルトレーニングで天心に会いたくないんですよ(志朗と那須川は同じトレーナーの元でフィジカルトレーニングをしている)。でも、彼は自分より上なのを認めて、彼のスピードとか盗み見て強くならないと彼に勝つチャンスはないなと思ったので。そういう葛藤はありました」と、どうすれば那須川に勝てるのかだけを考えてきた1年だったという。
「自分の中で那須川天心と戦うイメージはこの1年ずっと考えていたんですね。自分はスピードがない、彼の方が速いからそういうイメージで、イメージトレーニングをずっとやっていたのでその成果を感じました。(決勝で戦った鈴木真彦の)スピードを全然感じなかったので。ボディもフックもよけていましたし、ボクシング技術は一気に上げられたというのが自分の中でありますね。この3~4カ月間は本当に凄いボクシングスキルが上がって。日本王者、現役ランカーとやって日によっては勝ったりしていたので、自分的にはパンチに自信があったのでその成果はありました」と、ボクシング技術の向上を自分でも感じられたとする。
鈴木からダウンを奪ったカウンターの右ストレートについては「あれは狙っていました。ニックさんに教わった技で。この3~4週間ずっとやっていました。イメージと反復練習って凄く大事だと思いましたね。意識をしないで出せるのが技だと思うので。こうやって自分の技がどんどん増えているので、来年彼と戦うまで技をどんどん増やしていきたいと思います」と、無意識に繰り出せる本当の技を那須川戦までに多く身に着けたいと話す。
また、こんな裏話も。「(那須川の)スピードには慣れたと思います。毎週土曜日にフィジカルトレーニングの時間が被るので、彼のシャドーとかを盗み見ているんですよ(笑)。チラチラ見ながら、こういう打ち方とかこういうスピードなんだって。そういうのを重ねて研究して、直で見るチャンスがあるので、それで攻略、勝つ糸口は徐々にイメージできている感じはありますね」と、那須川の動きを生で見てイメージトレーニングを重ねてきたということを明かした。 志朗はリング上のコメントで「天心君がボクシングに移籍する前に、自分が敗北の味を教えるので皆さん来年は楽しみにしていてください」と、来年3月までに実現する予定の那須川天心との再戦で初黒星を自分が付けると宣言している。