4月19日(金)「K-1 KRUSH FIGHT.100」後楽園ホール大会のスーパー・ライト級(-65kg)で平山迅と竹内悠希が対戦する。
2018年6月に瑠久に延長戦のスプリット判定の末に敗れた平山だが、半年振りとなる今回の試合は、スーパー・ライト級への階級転向、そしてシルバーウルフ移籍という二つの大きな決断を下しての再起戦となる。
対する竹内はチームキングス移籍初戦となった2月のKrushで1RKOという最高の結果を飾り、上り調子で平山を迎え撃つ。現在、スーパー・ライト級のベルトを持っているのは同門の鈴木勇人だが、「平山選手が勇人さんに挑戦する前に僕が平山選手を止められたら」と、門番の役割も務めるつもりだ。
勝っても負けてもKO決着が多い平山と竹内。100回大会を迎える「KRUSH」らしい破壊力抜群の対戦を前に、両者に聞いた。
平山迅「今の自分はスポンジと同じ。色んなことを吸収しているし、まだまだ成長できる」
──平山選手は今回からK-1ジム三軒茶屋シルバーウルフの所属になりました。改めてシルバーウルフに移籍しようと思った一番の理由は何だったのですか?
「シルバーウルフだったら選手としても人としても成長出来るんじゃないかって気持ちがあったからですね。試合を振り返っても、今までの自分はパンチに頼ってしまうところがあって、ちょっと行き詰ってる感覚もあったので、練習環境を変えようと思いました」
──例えば若い選手だったら上京して練習環境を変えることも躊躇しないと思いますが、平山選手はキャリアも年齢もある中で、上京して全てを変えることは一大決心だったと思います。そこはやはり格闘家として一花咲かせたいという気持ちが後押ししたのですか?
「そうですね。若い方が環境を変えることに躊躇しないかもしれませんが、逆に自分らはもう年齢的にも後がないんで、それだったら思い切って環境を変えるという気持ちの方が強いですね。東京に行くうえで自分を応援してくれている人たちから『人生一回やからやりたいようにやれ。自分が思うようにやってみろ』と言ってもらえたことも大きいですね」
──しかもウェルター級からスーパー・ライト級に階級を下げての試合になります。
「正直、ウェルター級でも減量はしんどかったんですよ。自分は普段から節制していて、めちゃめちゃ身体がデカイわけでもないんで。でも自分の骨格や身長のことも周りに相談したら『スーパー・ライト級でもいけるぞ』という声もあって、じゃあ落としてみようと思いました」
──プロでスーパー・ライト級(65kg)で試合するのは初めてですか?
「初めてです。一番体重を落とした時でも66.8kgだったんで。今回は練習環境も階級を変えての初戦で、楽しみもありますし、もちろん不安もあります。でも自分が変わることで勝ちにつながるならば、限りある格闘技人生なんでやってみようという想いです」
──対戦相手の竹内悠希選手もパンチ主体で攻撃的なファイターです。平山選手としてはどんな自分をファンの皆さんに見せたいですか?
「やっぱり自分のイメージはKOだと思うので、そのテーマを変えずにしっかり倒しに行く気持ちは常に持ち続けて、あとは相手の攻撃をもらわないように、ですね。今の自分はスポンジと同じで、色んなことを吸収しているし、まだまだ成長できると思っています」
──では改めて新しい環境での今年の目標を聞かせてもらえますか?
「こうやって自分を受け入れてくださった大宮司さん、それを快く送り出してくれた神戸のジムの方たちにも本当に感謝して、その気持ちを忘れずスーパー・ライト級でも戦える自分を作ってベルトを狙っていきます」
竹内悠希「強い相手をどんどんぶつけてもらって、全員倒していきたい」
――竹内選手、2月大会はK-1ジム五反田チームキングスのメンバーになって最初の試合で見事なKO勝ちを収めました。あの試合を振り返っていただけますか?
「初めて練習したことを試合で出せたと思いました。自分はデビューから3連勝したんですけど、けっこう運任せというか、がむしゃらにやってたんです。でも今回は計画的に出した攻撃を当てて倒すことができました。結果は1RKOでしたが、マススパーやミット打ちで練習していた技やコンビネーションも出せたと思います」
──チームキングスはK-1・Krushチャンピオンも多く、勢いに乗っているジムです。練習も含めて今までと変わりましたか?
「大分変わりました!強い選手と練習出来ることで勉強になるし、がむしゃらに追い込むだけでなくは色々と考えて練習するようになりました」
──今大会では平山迅選手との試合が決まりました。試合が決まった時はどんな心境でしたか?
「強い選手と試合を組んでもらえて、まだ僕は強い選手とやって勝ったことがないので、『今回こそ強い選手に勝ちたい』と思って即OKしました」
──平山選手はハードパンチャーというイメージですが、竹内選手も自分のパンチや攻撃力には自信はありますか?
「はい。実際に僕もパンチで倒していますし、パンチには自信あります。KOで倒すイメージもあります」
──竹内選手が格闘技を始めたのは何がきっかけだったのですか?
「始めたのは15歳の時ですね。ずっと帰宅部で運動経験はなかったんですけど、趣味で格闘技を見るのが好きで、全盛期のK-1 MAXを見て格闘技を始めました」
──スポーツ経験なしでいきなり格闘技を始めるのはハードルが高くなかったですか?
「僕は鹿児島出身で、格闘技を始めたジムはプロがいないジムだったので、比較的入り易かったです」
──当初からプロを目指していたのですか?
「いや、全く目指してなかったです。ただ練習を続けてアマチュアの試合に出るようになって、田舎の試合だったというのもあるんですけど、10連勝くらいしたんですよ。これだったらプロでやれるんじゃないかな?と思って上京しました。上京してからはK-1アマチュアで挫折も経験したんですけど、なんとかプロになることができました」
──先ほどの話にもあったように竹内選手はパンチが武器ですが、アマチュア時代からパンチは強かったんですか?
「そうですね。自分は右ストレートが一番の武器だと思うんですけど、アマチュア時代からダウンを取るパンチは全部右ストレートでした」
──スーパー・ライト級は選手層も多く、同門の鈴木勇人選手がKrushのチャンピオンになりました。これからは何を目標に戦っていこうと思っていますか?
「勇人さん以外のKrushの強い選手に勝って、勇人さんがK-1のチャンピオンになって、Krushのベルトを返上した後に、僕がKrushのタイトルマッチに抜擢されるような選手になりたいなと思ってます。今回のように強い相手をどんどんぶつけてもらって、全員倒していきたいと思います」
──ファンのみなさんにはどんな試合を見せて勝ちたいですか?
「やっぱりKO決着が一番喜んでもらえると思うので、KOで勝つ姿を見せたいと思います」