2020年10月17日(土)東京・後楽園ホール『Krush.118』にて、中野滉太(POWER OF DREAM)を挑戦者に迎えて2度目の防衛戦を行うKrushスーパー・ライト級王者・佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)の公開練習が、14日(水)神奈川の所属ジムで行われた。
ミット打ちで最近の主武器となっている左ミドルで快音を響かせ、パンチ&ヒザ蹴りのコンビネーションを披露した佐々木は「体調は変わらずいい感じです。試合4日前でこんな間近に公開練習をやるのは初めてなので、どう映っていたのか気になりますね。どうでしたか?」と記者に逆質問。サムズアップで答えられると「よかったです」と笑顔を浮かべた。
7月の『Krush.114』で近藤拳成を下し、初防衛に成功したばかりで迎える2度目の防衛戦だが、「僕はコンスタントに試合できるのは凄くモチベーションを高いまま保てるし、格闘技が大好きなので試合ができる喜びで、毎日いい刺激で充実した日々を送っています」と、むしろ望むところ。
9月22日にエディオンアリーナ大阪・第1競技場にて開催された『K-1 WORLD GP~K-1秋の大阪決戦』で、K-1 WORLD GPスーパー・ライト級王者の安保瑠輝也(team ALL-WIN)を1R1分19秒、左フックでKOしてタイトルを奪取した同門の山崎秀晃には「めちゃくちゃ刺激を受けました」という。
「セコンドに就いていましたが、いま思い出しただけで鳥肌が立つくらい鮮明に覚えています。自分の刺激に凄いなっていますね。今回は自分のセコンドにも就いてくれるので」と言い、同じくらいのKO劇を見せますかと聞かれると「あんなふうになっちゃうかも。そうしたら“大蔵、どうした!?”ってなるけれど、僕は僕らしく純粋に楽しんでリングの上でも楽しさを実感できればいい。お客さんにもそれは伝わると思います」と、自分は自分らしく戦って勝つとした。
挑戦者の中野は連続KO勝ち中で7勝(6KO)2敗の戦績を持つフィニッシュ力の高い選手。佐々木は「ひとことで言うと当て勘が鋭く、いいところに当てるので上手いなと思います。パワーはやってみないと分からない。ここ数試合を見ての印象だけしか述べれないけれど倒す姿が印象に残っているので、恐ろしい選手だと思います」と、かなりの強敵だと認めているようだ。
しかし、「昔は研究してずっと相手の試合を見ていましたが、最近はある程度のものを頭に入れてあとは試合でどう自分が動くか、リングの上で感じるものがあるので自分がどう反応するかが楽しみです。自分自身、楽しんで試合をしています。その楽しい想いが試合に出ているかどうかは分かりませんが、どれだけ対策していってもリングの上で感じるものはリングの上でしか味わえないので、楽しみですね」と、試合が楽しみで仕方がないとの様子。
最近の佐々木の試合を形容するのに“抜群の安定感”との言葉が使われることが多い。本人は「安定感と言われること多いですけれど、あまり意識はしていないですね。45戦してきて勝ったり負けたりを繰り返していたけれど、格闘技への想いは変わらずにいられた。その芯の部分があります。その安定感が今の年になって深まったのかもしれないです」と、格闘技を始めた時から変わらない気持ちが安定感を生んでいるのではないかとした。
また、「変化は常に探し求めています。格闘技だけじゃなくいろいろなものから気づけたりするので楽しい。マンネリ化したり、止まったりする時がいつか来るのかなとも思うけれど、今はやることがたくさんあって、いろいろものにしたい欲求が凄いあります」と、安定するだけでなく探求心もまだまだあるとする。「何からでもヒントは転がっています」
そして、どう勝ちたいかとの問いには「アート(芸術)。僕にしか見せられないものを。中野選手がいてこその試合なので、あの選手の動きや想いがミックスしたうえでどうお客さんに伝わるか。一つの作品として残るような試合を、ヒデさん(山崎秀晃)の試合を超えられるような試合ができたら。いい意味で裏切るような試合を見せられるように。メインなので、終わり良ければ総て良しって試合を見せるのでお楽しみに」と答えた。