「予想していた通りの展開になった」という京口が、那須川天心vs皇治を分析
異種格闘家とのコラボ企画などを展開し、ボクシング以外の格闘技ファンからも注目されているプロボクシングWBA世界ライトフライ級スーパー王者・京口紘人（ワタナベジム）。
その京口が、9月27日に行われた『RIZIN.24』でのRISE世界フェザー級王者・那須川天心（TARGET/Cygames）とISKA K-1ルール世界ライト級王者・皇治（TEAM ONE）の一戦を観ての感想を語った。
開口一番「予想していた通りになったかな。僕の予想はあんな感じでした」と、予想通りの展開だったという。
（写真）ファーストコンタクトは那須川の左ハイキックだった
「僕はやっぱりフレームの差が出る試合で、天心が完封してスピード差のある展開になって判定勝ちかなと思ったので、もうそのままの展開になったかなって思います。1Rが始まって、ファーストコンタクトですね。1発目のバババンっていう、それで多分皇治選手の展開、こういう風にしていこうと思っていたイメージ通りにできなかった試合だと思うんですよね」と、ファーストコンタクトで皇治の目論見は崩れたと京口は見る。
「皇治選手が思っていた以上のスピードやったと思うんですよ。パンチ力とかそういうパワーとかっていうのは、やっぱり上の階級で戦ってきていた皇治選手なのであまり驚きはなかったと思うんですよ。まあ、この程度かって思っていたんですよ、多分。でも、それ以上にめちゃくちゃスピードがあったと思うんですよ。あれね、軽量級とかでも思うスピードですよ。“速っ！”って。皇治選手が戦ってきた階級の人らのスピードと比べたら、スポーツカーと軽自動車くらいの差ありますよ」と、那須川は同じ軽量級でも驚くスピードだったと評する。
「時間軸が違うって表現なんですけれど、スピードが速い選手の…例えばね、電車の中から外を見た時の風景ってめっちゃ遅く感じるのと、外から見ている電車がブワーッて行くスピードってめっちゃ違うじゃないですか。もうその時間軸が違うので、皇治さんがブンッて打ったそのスピードは、天心選手からしたら多分、めちゃくちゃゆっくりに感じるんですよね。そのくらいのスピード差があった試合やなって思いました」と、両者の“時間軸”が違ったという。
また、京口は「どこかで（那須川が）倒してくれるのかなって期待があった」との言葉に反論する。
（写真）1R開始からすぐ、圧力をかける那須川に皇治はロープを背負った
「天心選手は55、56kgくらいがベストな階級って言っているんですよ。で、皇治選手が60kgとかのクラスで戦っている選手だったので、そういう階級差のある同士が戦った時に、もう1R途中から結構待ちの、結構プレッシャーをかけられて皇治選手が待ちでカウンター狙いの戦法やって。天心選手が攻撃のモーションに入った時はガードして、あれは絶対にもらったらあかんっていう戦い方なんですよ。言えば、守りに徹した中でカウンター狙いの戦い方に変えたんですよね。（中略）ディフェンシブに戦われれば戦われるほどこっち側は倒しづらいんですよ。だからね、倒せなかった天心が大したことなかったみたいに思っているファンがいるんですよ。これね、何を言ってるか、そうじゃない！」と大きな声で強調。
（写真）皇治の左フックをかわす那須川。皇治のスピードが遅く見えたのでは、と京口
「倒されるリスクを負ってでもワッて打ち合いに来てもらった方が倒せるんですよ。でもあれだけ守りに徹した戦い方されると、階級差もある中であの戦い方をされたら難しい。だからあれ、ダウンとってないじゃんみたいなね、ちゃうちゃうちゃう！ もうね、皇治選手のファンからしたら胸糞悪い言い方かもしれないですけれど、それだけのレベル差がありました、正直。ただ格闘家、競技、勝敗だけを見た時に、あれだけの感動を生んだ皇治選手の方が凄いって見方はマジで天心選手サイドからしたら“何言ってんの？”って話なので。これはシビアな世界なので、力の差は歴然とあったんです」と、那須川が試合後に言っていた「試合前から相手選手が（最後まで）立っていたら凄いみたいな。そういうのじゃないんです、格闘技は。競技なので」との言葉を肯定していた。
京口紘人の「那須川天心vs皇治」戦の分析動画は京口の公式YouTubeチャンネルで見ることができる。
