(C)PANCRASE
2020年10月25日(日)東京・新木場スタジオコーストにて開催予定の「PANCRASE 319」に、前田日明が推薦する“THE OUTSIDER時代の朝倉未来を最も追い詰めた男”Ryo(35・RINGS)の参戦が決定した。フェザー級(65.8kg)で、滝田J太郎(47・和術慧舟會/KINGCRAFT)と対戦する。
▼フェザー級 5分3R
滝田J太郎(和術慧舟會/KINGCRAFT)13勝9敗3分
Ryo(RINGS)
2020年7月大会に来場した前田日明は「THE OUTSIDERの元チャンピオンのRyoをPANCRASEでデビューさせて、チャンピオンを獲りに行かせようと思ってね」と、Ryoとともにデカゴンを訪れた。
2016年3月27日に、ディファ有明で行われた「THE OUTSIDER 第39戦」でRyoは「65-70タイトルマッチ」で王者・朝倉未来に挑戦。2Rに強引な右アッパーで前に出た未来に対し、カウンターのシングルレッグからボディロックでテイクダウン。マウントを奪われた未来は足を戻して亀になり、相手の足を手繰って立ち上がろうとするが、そこにRyoはアームインギロチンチョークを合わせてクローズドガードの中に未来を入れて絞め上げると、そのまま後方に回してマウントギロチンに。
右手は喉下に、しかし左手は外したRyoはネックロックに切り替えてマウントから胸を張って絞め上げると未来は動きを止めて苦し気な表情。その際、リングサイドにいた主催者である前田日明が、「未来の目から力が無くなり、ここままだと落ちる」と判断し、赤いタオルを投入。「アマチュアの試合だから、落ちる前に止めた」という因縁の結末だった。
試合直後の公式結果は主催者ストップによる、「RyoのTKO勝ち」だったが、未来はすぐに手を広げてタップしていないと意思表示。和田良覚レフェリーも「落ちてない、落ちてないよ」とタオルを投げた方向を見やるなど、リング上は騒然。陣営も納得せず。その後、「Ryoによるノーコンテスト再試合の申し出」が受理され、公式結果は「ノーコンテスト」に変更されている。
なお、未来はこの試合の直前のインタビューで、左足の靭帯を伸ばしていること、2週間前にぎっくり腰をやって痛み止めの注射を打っていることを明かしており、「コンディション的には最悪」であることを語っていた。
1Rに右フックでダウンを奪った未来、2Rにギロチンチョークでニアフィニッシュに追い込んだRyo。当時プロとしては、すでに元UFCの小谷直之と対戦するなどキャリアで勝るRyoに対し、プロとして外で戦ったのはDEEP CAGE浜松での1戦のみだった未来にとっては苦戦の試合だったことは間違いない。
吉田道場に所属していた浅見亮ことRyoは柔道四段。2010年のサンボトライアルリーグ-68kg優勝など、組み技ベースの選手。PANCRASEには、2008年「第10回アマチュアパンクラスオープントーナメント」で、21名参加の-70kg級を勝ち上がり、決勝でISAOを腕十字で破り優勝。
2009年5月にプロで川那子祐輔、長谷川雅彬にいずれも判定負け。2011年から「THE OUTSIDER」に参戦し、2018年7月の「THE OUTSIDER 51」で、PANCRSE3勝1敗(樋口武大、蓮實光に勝利し、TSUNEに判定負け)の山口亮を相手に、1R TKO勝ちを収めている。
ほかには2016年12月にエドモンド金子に判定負け、2018年3月にマックス・ザ・ボディの右フックでTKO負けとなっている。
2017年5月の「THE OUTSIDER 46」では、今回対戦する滝田J太郎と初対戦。このときはRyoが2R、洗濯挟みで一本勝ち。滝田にとってはリヴェンジマッチとなる。
13勝9敗3分の滝田は浅見戦後、6勝2敗と大きく勝ち越しており、2019年8月には「第3代バンタム級王者決定トーナメント決勝戦」に進出し、ジェイク・ムラタに判定負けも、46歳にして充実の熱戦を見せている。2020年2月の前戦では、「Fighting NEXUS 初代フェザー級王者決定トーナメント Bブロック1回戦」で木村豊を判定で下し、再起を遂げている。
再戦に向け、滝田は「空気は読まないJ!」と注目のRyoに勝利は譲らないとした。
一方、2020年7月のPANCRASEに前田とともに来場したRyoは、「未来とTwitterバトルして以来のツイートかなw 3年半ぶり? さぁーて動きますか」とツイート。その後も「YOUTUBERは良いとこ住んで、高級車乗り回してモデルの彼女作るんだよ。格闘家は食う! 寝る! 闘う! 別次元なんだよ。あと、減量で時間が足りないとか言ってるやつ、体重でガタガタ言うならプロ辞めちまえ」と、4年前の因縁を引きずっているようで、今回の2年3カ月ぶりの復帰戦に勝利し、悲願の再戦までたどり着けるか。
▼バンタム級 5分3R
河村泰博(和術慧舟會AKZA)7勝6敗
RYUKI(フリー)
また、バンタム級では、河村泰博(和術慧舟會AKZA)が、中国「英雄伝説」2017アジア王者のRYUKI(フリー)と対戦。キックからMMAに転向したRYUKIが、初参戦のPANCRASEで、グラップラー河村を捕えることができるか。
河村は、平岡将英、竹本啓哉、合島大樹に勝利も、 藤野敦史、ハルク大城、神田T800周一、平田丈二(2018年12月判定負け)に敗北。2020年8月の「ZST68」で原口央をスプリット判定で下し再起を果たしている。
【写真】2019年7月のRISE大阪大会では、-61kg契約で“人獣”中村寛に判定勝ちしているRyuki(右)。
2019年12月に、8年間所属したRKS顕修塾を離れ、キックボクシングからMMAに転向した大阪のRYUKI(竜暉)は、キックでは、2020年2月のRISEで篠塚辰樹に敗れるまでは18戦無敗。2017年には、中国で行われた「英雄伝説」60kg級でホイ・フェイに判定勝利しアジア王者に輝き、2018年8月の「RIZIN.12」では直也に判定勝ちも収めている。
2020年からMMA転向を表明しており、SNSで「今年から総合格闘技に転向します。キックを辞めた報告をした時、たくさんのメッセージがめっちゃ力になりました。僕は1ミリも格闘技を諦めていません。Ryuki第2章~総合格闘技篇~これからも変わらず応援の方、よろしくお願い致します」と決意をあらたにしており、現在はPANCRASEフライ級6位の秋葉太樹らが所属する神戸のreliableで練習している模様をアップしている。