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【RIZIN】那須川天心、皇治が手を出せなかったのは「覇王色の覇気が見えたんでしょうね」翌日には「生意気言った」と反省

2020/09/28 14:09
【RIZIN】那須川天心、皇治が手を出せなかったのは「覇王色の覇気が見えたんでしょうね」翌日には「生意気言った」と反省

今回の試合へ向けて練習していたというヒザ蹴りが顔面にヒット。これで皇治はカットした (C)RIZIN FF

 2020年9月27日(日)さいたまスーパーアリーナにて開催された『Yogibo presents RIZIN.24』のメインイベントで、ISKA K-1ルール世界ライト級王者・皇治(TEAM ONE)に判定3-0(30-27×3)で圧勝したRISE世界フェザー級王者・那須川天心(TARGET/Cygames)。

 那須川は自身のYouTubeチャンネル『那須川天心チャンネル」でYouTuberとしても活動中だが、今回の試合後にも試合直後に撮ったインタビューが当日公開された。

 オープニングでは「全然疲れてないですよ」と元気にはしゃぐ姿も。「ずっと我慢していた」という大好きなコーラで祝杯をあげ、「スポンサーに付くべきですよ」と笑う。


(写真)入場の花道、那須川は「なめんなよ!」と叫んだ

 今回の試合、那須川には明らかに“怒り”の感情が見られた。そのことについて聞かれると「多少はありましたよ。試合前から凄い煽られたりしていたので。でもそこは置いといて、比べられているというか。試合前から相手選手が(最後まで)立っていたら凄いみたいな。そういうのじゃないんです、格闘技は。競技なので。向こうは喧嘩のつもりでとか、普通に試合ですし。僕はアスリートですから。そういう気持ちで挑んだんですけれど、気合いは入りましたよね」と、周りの声や皇治の発言に“それは違う”と腹立たしく思ったことも。



 いざ、リング上で皇治と向かい合った時は「僕的には“やってやるよ”って感じでしたよね。凄く煽って来ていたので。なんか全てを否定されてきた気がしたんですよ。だから“ふざけんじゃねえ”って気持ちがありました。もう俺の試合をしようと思いました。相手も打たれ強かった部分はあったんですけれど、多分攻撃を一発ももらっていないと思うんですよ。差をつけようと思っていたので、本当に、何もさせなかった試合だったと思います。ちょっと危ないのもあったんですけれど(右フックは)ちゃんといなして全然入ってないです。ダメージないですし、足を蹴って自爆したくらい」と、やはり怒りの感情があったようだ。

 試合で多用したヒザ蹴りは「練習していた」と明かす。



「今回の作戦的には、絶対に向こうがプレッシャーを懸けてガッと来ると思っていたんですよ。そうしたらそんなことなかったというか、僕がそれをさせなかったんです。向こうは来るつもりはあったと思いますが、それ全部に合わせてやろうと思って。1Rは全部合わせて。2、3Rは相手が出てきたんですけれど僕はあえて圧力を緩めたんです。絶対に来るなと思っていたのでそこにカウンターを合わせてやろうと思っていたんですが、手を出してこなかったですね。出せなかったんでしょうね。出したら合わされる恐怖感はあったと思うので。相手の攻撃も全部見えていましたし、手が出せなかったんだと思います。これは格闘技をやっている人にしか分からないと思います」と、皇治が手を出せなかったのは、出せばカウンターを合わせられるとの雰囲気を感じ取っていたからだと推測した。

「覇王色の覇気ですよ。何か見えたんでしょうね」と、大好きな『ONE PIECE』ネタも。

 皇治に関しては「打たれ強いなと思いましたね。腹も聞いていたし、顔も。打たれ強いから強いわけじゃない、そういう競技じゃないので。もっとガツガツ来ると思っていました。もっと来ればもっと合わせてダメージを与えられたと思いますが、来なかったので。別に判定だから悪いことはないですし、判定で勝てたので圧勝ですね。



 3Rは勝負を懸けてくると思っていて、グチャグチャにしてくるだろうなって。でも来なかったですね。そういう間合いだったので。最近めっちゃ圧力を懸けている試合が多いんですよ。昔の試合は僕がずっと(カウンターを狙って)下がってばかりだったんですが。最近は自分から圧力かけている」と、打たれ強さは認めるもそれだけでは勝てないと話した。

「今回の試合は『希望から絶望』というテーマを作ってやりました。みんな皇治さんに希望を持って期待していて。でも試合が終わったら差があったんだってイメージを試合前からしていたので」と、戦前は高い期待があっても試合後には“これは勝てない”と思わせるほどの差をつける試合をイメージしていたという。

 そして、「打ち合い」ではなく、相手の攻撃はもらわず、自分の攻撃だけを当てる完勝劇に。

 試合後の会見でも、「格闘技の本質がわかる試合だと思ってて。試合前から盛り上げて、っていうのは大事ですけど、それだけじゃない。大事なところを結構、忘れている人が多いと思う」と、予定調和ではない格闘技の本質を“キラー天心”の試合で表したことを明かしている。

 さらに「『立ってただけですげえ』とか違いますよね。『(那須川が)倒すか、(皇治が)倒されるか』って試合前から……そこじゃない。その時点で試合が成立してない。そこに腹が立っていました。キャッチコピーで『強さの美学か、美学の強さか』、みたいな感じで書かれてましたよね? 強さあってこその試合。そこを忘れがち。そこを底上げしないといけなくなる」と、劇場型格闘技に警鐘を鳴らした。

 その上で「反省点はたくさんありますよ。それを練習して身に着けたい。だから格闘技って面白いんですよ。追求、オタクですよ。他のことはどうでもいいんですけれど、格闘技のことに対しての熱量は凄いですよ。だから他の人と比べて欲しくないって思うこともあります」と、格闘技に対しての情熱を語った。



 ただ、試合から一夜明けた28日(月)、那須川は改めて自身のSNSに皇治と肩を組み合っている写真と共に「皇治さん、ありがとうございました。色々、生意気言ってすみません。熱くなれたし、熱くなりすぎた。吠えろ青春」と、熱くなりすぎて皇治にいろいろと言ってしまったことを詫びる投稿。ファンからはこの姿勢に「素晴らしい」などの声が相次いでいる。

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