今後は70kg級で世界を目指していくという海人。国内トップクラスの緑川を乗り越えていけるか (C)RISE
2020年10月11日(日)神奈川・ぴあアリーナMM『RISE DEAD OR ALIVE 2020 YOKOHAMA』にて、ミドル級(-70kg)3分3R延長1RでWKBA世界スーパーウェルター王者・緑川創(RIKIX)と対戦するS-cup2018世界王者・海人(TEAM F.O.D)が、9月26日(土)大阪府内で公開練習を行った。
シャドーとミット打ちを披露した海人は、随所で構えをスイッチしての左右ミドル、長いリーチから繰り出す左右ストレートをオーソドックスでもサウスポーでも変わらない威力でミットに叩き込んだ。
海人は当初9月のシュートボクシング後楽園大会に出場が決まっていたが、大会が中止となったため2015年1月の野辺広大戦以来のRISEに参戦。
「しっかり準備もしていたし、凄く残念な気持ちになりましたね。8月のRIZINに出る前にコロナで試合がなかったので、その時に比べればマシでしたが。準備もしていたのですぐに返事をさせてもらいました」
対戦する緑川は国内ミドル級で長年トップクラスに君臨してきた選手。「いつかはやると思っていたので“来たか”って感じでした。打たれ強いし、ガンガン来るし、めちゃインファイターな印象です。僕自体はガツガツ行くタイプではないけれど、僕もそれに合わせて打って行こうと思えばできるし、離れて戦うこともできるし、いろいろなことができる。僕が一方的に攻撃して(いつの間にか)倒れているやろうなって感じです」と、全く臆するところはない海人。
最も警戒するのは「パンチ」だと言い、「威力もあるし、テクニックもある」と評する。緑川は前回のRISE初参戦で“ブラックパンサー”ベイノアに勝利しており、海人も2019年11月にベイノアと対戦して3分5Rフルに戦って判定勝ちしている。
「後半は押し返されましたが、前半は圧倒していましたね。僕がダウンも取れなかったベイノア選手からダウンを取って圧勝しているので強いと思います」と、警戒は怠らない。
(写真)ベイノア(左)に苦戦を強いられている海人だが、緑川はそのベイノアから2度のダウンを奪う圧勝
本来は65kgながら70kg以上でも戦うなど階級にこだわらない海人だが、70kgの現役国内トップクラスと戦うのは今回が初。しかし「やるからには70kgで世界を見据えているので、圧倒して勝たないといけないと思っています。日本トップクラスには苦戦していられない」と勇ましい。
「普段から73kgしかないのでそれを踏まえて、70kgでやっていくことを考えてガツガツとパワーで当たり合いをしようとは思っていませんが、身体は大きくしようと思っています」
8月のRIZINでは73kg契約でルクク・ダリに完勝も、試合内容は納得のいかないものであった。「ダリ戦はほぼナチュラルな体重でやりました。相手の体つきやパワーを意識したのと73kgも初めてだったので、そこを意識しすぎて待ちになりすぎた」との反省点。「RIZINで73kgのパワーを受けて実感できたので、今回はモチベーションも違います。怖さも全然違いますし、対策もできたのでバッチリ仕上げます」と、今回は海人らしい試合を見せると意気込む。
階級に関しては「65kgでは相手がいないので、もういいかなって思っています。67kgや70kgくらいでやっていければ」と上の階級を目指していきたいとするが、この3年間で敗れたザカリア・ゾウガリー、チャムアトーン、チャド・コリンズ、ピンペットには「その相手とやれるのであれば65kgでもそれ以下でも落とします。やり返さないと気持ちが収まらない」と借りは絶対に返したいとする。
(写真)同大会でトーナメントに出場する、同じシュートボクシング所属の西岡蓮太と合同公開練習
現在『ONE』に世界の70kgトップクラスが集結しており、「興味はもちろんあります。そんな選手とも交じり合っていければ。機会があれば出たいですね」と、チャンスがあれば参戦したいとも話した。
また、シュートボクシングの世界トーナメント『S-cup』の年内開催が難しい状況であることには「2連覇を目指していたので戦えないのは残念です」としながらも「このモヤモヤを思いっきり全部ぶつけようと思います」と、鬱憤を緑川に全てぶつけると語った。