「果し合いを宣言する」という島野(左)、佐野は「ぶつけたい」
2020年9月26日(土)東京・後楽園ホール『Krush.117』の前日計量&記者会見が、25日(金)都内にて13:00より行われた。
今大会では第8試合と第7試合に元Krushスーパー・フェザー級王者の試合が組まれた。セミファイナル(第8試合)で対戦する第8代王者の西京佑馬(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)は59.9kg、横山朋哉(リーブルロア)はリミットちょうどの60.0kg。第7試合で対戦する第7代王者の島野浩太朗(菅原道場)は59.9kg、佐野純平(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)は59.7kgで、それぞれ計量をパス。
西京は「明日は1年ぶりの、敗戦からの復帰戦なので何が何でも勝ちに行きます」、対する横山は「このご時世の中で試合を組んでくださったK-1の関係者、対戦相手の西京選手、ファンの方々に感謝を申し上げたいです。明日は今までの想いを全てぶつけて勝ちに行きたい。兄の分までしっかり勝って今後につなげたいと思っています」と、それぞれ意気込み。
(写真)西京佑馬と横山朋哉のフェイスオフ
横山の兄である巧は2018年6月に西京と対戦して延長戦の末に敗れており、朋哉にとっては兄の敵討ちというテーマもある。
フェイスオフを終えての感想は、「特にないですね。想定内って感じです」(横山)、「いい目しているな、くらいですかね」(西京)と互いに素っ気ない。
相手のファイトスタイルについて聞かれると、横山は「カウンターとかパンチの選手かなと思っていても、蹴りも速いのでオールマイティーな感じ。しっかり倒せるところで倒しているので上手いなって感じです」、西京は「瞬発力と爆発力はずば抜けている印象です」と評した。
そう相手のことを理解したうえで、横山は「西京選手を上回っているものはそんなにないですが、気持ちだけで勝ちに行いきます」、西京は「いつも通り自分のファイトスタイルを練習通りの動きを出せれば負けることはないと思っています」と、それぞれのやり方で勝つとしている。
今大会ではスーパー・フェザー級トップクラスの試合が3カード組まれており、気になるかと聞かれると「他の試合は興味ないので、この1試合だけ見てれば間違いなく面白い。僕らまだ20歳なので、20歳がセミでしっかり盛り上げたい」(横山)、「今後まだ負けるかもしれないし、次の試合に集中する感じですね」(西京)と、意識はしていないと口を揃えた。
さらに横山は「明日は生きるか死ぬかのリングで思い切りバチバチに壊し合いをしたいと思います」と激闘を予告。西京はその言葉を受けて「アツい試合になると思うので見逃さないように注目をお願いします」と、こちらも熱闘を予告した。
一方、佐野は「2カ月間、島野選手のことだけを考えてやって来たのでそれを明日ぶつけたい」、島野は「この一戦に決死の覚悟をもって準備してきました。自分自身100%の状態で今日を迎えることが出来ましたが、一人ではここまで仕上げることはできませんでした。サポートしてくださった菅原会長、道場の皆様に心より感謝したいです。明日はこのKrushのリングで、名前の通りの果し合いを体現する覚悟です」と、それぞれ意気込んだ。
フェイスオフを終えての感想は「名前がある島野選手ですが、目の前に島野選手が計量を終えてきたなった感じですね」と淡々とした佐野に対し、島野は「今日彼と対峙して感じたのは、彼はこの一戦で自分の殻を破りに来ていると感じました。この一戦をクリアーして大きく変わろうと、上に行こうとの気持ちで準備してきたと思います。ですが、その殻は全てを込めて僕が叩き潰します」と言い放つ。
元王者との戦いに勝てば自身のステップアップとなる佐野は「島野選手とやるとなった時にマジかと思ったが、練習している内にこれなら絶対に勝てるっていう自信が沸いてきたのでそれをぶつけたい」と、超える自信があるという。
迎え撃つ島野は「佐野選手からコメントがあったように僕も彼のことだけを考えて準備してきました。その中で頭で考えてこれは通用するしないということがありました。準備してきたものを超えるものがないと、この果し合いに勝てないぞっていうのがKrushのリングです。明日それを証明したい」と、準備してきた以上のものを出すとした。
そして、佐野は「明日必ず下剋上します」と宣言。島野は「明日はたくさんの方が試合を見てくださることになると思います。中でも特に会場で生で観戦していただく人たちには、自分という人間が持った熱を感じていただけるように、リングに全身全霊挑戦します」とファンへメッセージを送った。
会見に同席した石川直生Krushエヴァンジェリストは「Krushってどういうリングなんですがって聞かれた時に言葉で説明するよりも、島野浩太朗の試合を見てください。それくらい島野選手は毎回激しくてワイルドな試合をしてくれる、Krushを体現してくれる選手だと思っています。島野選手はアツくなるあまりに危なっかしくなる場面もある。そこが個性でもあるんですが、その部分を佐野選手がどう突いていくか。佐野選手はローキック、強い右のパンチが武器ですから、それをどう崩していくのかがポイントになると思っています。西京選手はまるでコンピューターかのような冷静な判断力、刺すような的確な攻撃力を持っています。横山選手は相手を嵐に巻き込むかのような爆発力、瞬発力、スピードを持っています。この試合は横山選手がどう西京選手のコンピューターを破壊するか。チャンピオンにふさわしいことをアピールしてくれることを期待しています」と、見どころを語っている。