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レポート

【GRACHAN】伊藤空也がバンタム級新王者に! ライト級・小谷が20周年に向け快勝、鈴木が岸本に一本勝ち

2020/09/20 12:09
▼GRACHANバンタム級王座決定戦 5分3R〇伊藤空也(BRAVE)[判定3-0]×獅庵(パラエストラ大阪)  23歳の伊藤は長野県から上京し、強さを求める為にBRAVEに入門。Wardog Cage FightからGRACHANに参戦して3年目・国内6連勝でタイトルマッチまで駆け上がった。  2019年12月には同門の坂巻魁斗が獅庵に敗れ、「もともと魁斗とも練習する機会があって、その魁斗がここまで打撃で圧倒されるんだって、ちょっと衝撃でしたね」と関西のストライカーの打撃に驚きがあったという。しかし、「仕事もきっぱり辞めて、何としてもベルトを獲ろうという気持ちが今は強い。宮田(和幸)先生には1年半のBRAVE内弟子生活でお世話になっているので、その集大成を試合で出したい」と、王座戦に賭ける思いを語っている。  対する獅庵は、関西の“一撃必倒”ファイター。DEEP、PANCRASEと渡り歩いた32歳は、階級を上げてバンタム級でGRACHANに参戦している。「僕を知らない人が僕を見ても『あいつスゲェな』って言ってもらえる試合をする自信があるので、期待してください」と不敵な笑顔。  また、対戦相手の伊藤について「パンチも蹴りも勢いがあり、組みでも凄くアグレッシブでいい選手です。バチバチの殴り合いで激しい試合になると思います。泥臭くても何でもいいので勝ちにこだわりチャンピオンになります。当日は楽しみにしててください」と、激闘を越えての戴冠を予告している。  1R、ともにオーソドックス構え。右のカーフキックを効かせる伊藤。左インローも入れ前足を打つ。獅獅は左右ボディ打ちから顔面と散らすが、伊藤は尻下でクラッチしテイクダウン。立ち際に獅庵は首相撲からヒザ蹴り・左右をまとめるが、伊藤の右ローに前足が流れる。  2R、先に右ローは伊藤。獅庵の指が目に入り中断後、再開。オーソから左ハイは伊藤。獅庵は左フックを当て前に。さらに至近距離から連打するが、伊藤はダブルレッグテイクダウン。右ローにテンカオを合わせに行く獅庵だが、詰める伊藤はバッテイク。アームロック狙いの獅庵を崩してテイクダウンするとインサイドガードに入る。  3R、右ローを当てる伊藤に先にダブルレッグテイクダウンは獅庵! 片足またぎ頭をつけてパウンド狙うが、伊藤は小手に巻いて体を入れ替えて立つ。獅庵も左を振り、前に詰める伊藤にテンカオを当てるが、受けながら伊藤は詰めてクラッチ。持ち上げて中央で魂のテイクダウン! 上のままゴングを聞いた。  判定は3-0で伊藤が勝利。ベルトを巻いた伊藤は「BRAVEでここまで育ててくれた師匠の宮田(和幸)さん、支えてくれた人に感謝したいです。このベルトとともにもっと上の人や団体とやって価値を高めていきます」と語り、宮田と2ショットに収まると、涙を流した。 [nextpage] ▼GRACHANライト級 5分2R×植田 豊(リバーサルジム新宿 MeWe)[判定0-3]〇小谷直之(ロデオスタイル)  ライト級では、植田豊(リバーサルジム新宿 MeWe)と小谷直之(ロデオスタイル)による実力者対決が組まれた。  小谷は、PRIDE・UFCと世界最高峰で戦って来たMMA36勝17敗7分のレジェンドファイター。修斗では2018年11月にキャプテン☆アフリカにリアネイキドチョークで一本勝ちも、2019年5月の前戦では松本光史相手に4R TKO負け。さらに、2019年10月の「GRACHAN 41」ではグラップリングルールで山田崇太郎にヒザ十字で敗れているだけに、ここは踏みとどまりたいところ。GRACHAN MMAには、2018年7月の間宮晃戦でのTKO勝ち以来、2年2カ月ぶりの参戦となる。「結構、いい歳(38歳)なんですけど、もうデビュー戦の若手ぐらいのつもりで、激しい試合をしたいと思います」と意気込みを語る。  対する植田は、昨年末、山本琢也とのライト級タイトルマッチで2R TKO負けを喫したものの、2020年3月に岸本篤史に2R リアネイキドチョークで一本勝ちして復活。再度ベルトを狙う。  今回の小谷との対戦を、「MMA界で(小谷を)知らない人はいない、強い選手だと思う。ここから上に行くためには越えなきゃいけない相手で、ようやく意味のある試合が回ってきたかなと」と、待ち望んでいた戦いだとし、「積み上げるって作業を辞めたことは一瞬でも無かった。爆発するような試合を見せたいなと思っています」と、格闘技に真摯に向き合ってきた成果を、小谷戦で爆発させたいと語った。  1R、ともにオーソドックス構え。四つから組むんで崩した小谷は、上半身を金網で立てる植田を小手に巻いてハーフガードで固めて殴る。立つ植田は払い腰も耐える小谷。  2R、両差しからテイクダウンは小谷。植田はディープハーフからシングルレッグに切り替え立ち上がるが、すぐに追う小谷はシングルレッグテイクダウン! 植田のディープハーフをパウンドで剥がして背中を着かせる。  判定は3-0で小谷が勝利。試合後、小谷は「来年、横須賀で小谷直之20周年興行をお願いします」と挨拶した。 [nextpage] ▼GRACHANライト級 5分2R〇鈴木一史(リバーサルジム新宿 MeWe/第3代WARDOGライト級王者)[1R 3分31秒 腕十字]×岸本篤史(BRAVE)  鈴木はレスリング・柔術をベースに現在6連勝中。2017年10月と2018年3月には「GRANDSLAM」にも参戦しており、判定で競り勝つ粘り強さを見せている。今回は混戦のGRACHANライト級戦線にWARDOGライト級王者(2019年7月に玉木壽成に判定勝ちで戴冠)として凱旋する。  対する岸本は、アマチュアボクシングで高校3年時にインターハイミドル級で3位に入賞し、平成国際大学時代に国体青年ミドル級で準優勝の実績を持つストライカー。2019年12月の「DEEP 93 IMPACT」にて強豪キ・ウォンビン(LADIATORライト級王者)を、1R0分44秒 鮮烈KOで下したが、3月大会で植田豊にリアネイキドチョークで一本負け。組み技・寝技の弱点強化に励み、再起をはかる。  1R、サウスポー構えの岸本は左の蹴り、ストレート! 右のオーバーハンドで組む鈴木を一度は突き放すが、詰めて四つに組む鈴木は絞ってボディロックからテイクダウン、マウント。うつ伏せになり腕十字に。最後は仰向けにして極めた。 [nextpage] ▼GRACHANフェザー級 5分2R〇拓MAX(TEAM HAMBOLT/第3代WARDOGフェザー級王者)[1R 3分55秒 リアネイキドチョーク]×小島勝志(STYLE PLUS GYM)  毎大会会場を沸かす拓MAX。2020年1月26日、大阪で行われた「WARDOG CAGE FIGHT24 x GRACHAN43」にてたかつぐを判定で破り、WARDOGフェザー級王座戴冠。今回のGRACHANに再参戦が決まった。  対する小島は、長いリーチ・強力な打撃を武器とするフェザー級期待の選手。PANCRASEでは2勝3敗と苦しんだが、2018年10月のアング・シン戦、2019年6月の浅倉秀和戦、10月の松田真吾戦と3連勝を飾っている。アグレッシブなファイトスタイルの両者なだけに、激しい試合内容が期待される。  1R、サウスポー構えの拓。オーソドックス構えの小島は右の蹴りをロー、ミドルハイを打ち分ける。左ストレートで詰める拓はボディロックから足を引き出しテイクダウン! 小島の立ち上がり際にバック奪い、パウンド。小島の身体を伸ばしてリアネイキドチョークを極めた。 [nextpage] ▼GRACHANウェルター級 5分2R-竹川光一郎(和術慧舟會トイカツ道場)[1R 1分07秒 ノーコンテスト]-川中孝浩(BRAVE)  竹川は、日本拳法をベースに長いリーチ、打撃戦を得意とするが、柔術も紫帯の腕前。PANCRASEでは太田純一にTKO勝ちも、GRACHANでのここ2試合は連敗中だ。オールラウンダーな強さを発揮できるか。  対する川中は、2010年のDEEPフューチャーキングトーナメントミドル級で優勝。2011年にプロデビューし、MMA15勝7敗と大きく勝ち越している。潜在能力は確かなものの怪我により長く勝利から遠ざかっており、勝利して復活の狼煙を上げたいところ。得意のがぶりからのチョークが炸裂するか。  1R、サウスポー構えの川中、オーソドックス構えの竹川。左を刺して前に出る川中はボディロックテイクダウン! そのままマウントを奪うが、リバーサルして立つ竹川。川中は金網に押し込みヒザ蹴りも金的に。1分07秒で中断。そのまま竹川が続行不可能、偶発性のローブローにより、試合はノーコンテストとなった。 ◆長岡弘樹がGRANDウェルター級暫定王者に 2019年12月の「GRACHAN42×GLADIATOR 011」で、48歳にしてルクク・ダリを破り戴冠したGRANDウェルター級王者・桜井隆多(R-BLOOD)が、練習中に靭帯を損傷したため、9月20日の大田区大会を欠場。桜井の王座に挑戦予定だった長岡弘樹(総合格闘技道場DOBUITA)が暫定王者に認定された。  規定では、王者の防衛戦期限は1年。しかし、今回、暫定王座に就いた長岡が、桜井との対戦を強く希望したことを受け、2021年の6月に暫定王者・長岡と、正規王者・桜井による王座統一戦が行われることとなった。  岩崎代表からベルトを受け取った長岡は、ケージのなかで「今日、試合が無くなってしまいましたが、暫定王者ということで感謝します。来年の統一戦にすべてをかけて必ず勝って、統一チャンピオンになりますので、応援よろしくお願いいたします」と挨拶した。 [nextpage] ▼GRACHAN バンタム級 5分2R〇高橋謙斗(BRAVE)[1R 1分42秒 三角絞め]×今村 豊(宇留野道場)  高橋は、アマチュア時代からフロント系チョークで一本勝ちするなど、BRAVEジムイチオシという期待の選手。前試合はベテラン阿仁鬼との対戦で無効試合となったが、試合で学び、そして新たな課題も見つけ今試合に挑む。  対する今村は、GRACHANchallenge(本戦に上がる為の登竜門)に何度も挑戦し、念願の本戦に上がるも良い結果に恵まれず、地元大阪のイベントWardog Cage Fightで更なる経験を積んできた選手。2019年のWardogバンタム級トーナメントでは準優勝となり、GRACHANに再度チャレンジする形となった。2020年1月大会では新垣勇人にTKO負けを喫しており、GRACHANで再起を飾れるか。勝利するのは若手のホープ高橋か? それとも苦労人の今村か?  1R、オーソドックス構えの今村に、サウスポー構えの高橋。右の上下の蹴りは今村。金網まで詰めダブルレッグテイクダウンは高橋。パスガードマウントに今村はケージを両足で蹴ってリバーサルするが、そこに右手を掴んで下になった高橋は三角絞め。今村はかついで外そうとしたが、タップ。 [nextpage] ▼GRACHANフライ級 5分2R〇石綱テツオ(ISHITUNA MMA GYM)[1R 2分51秒 リアネイキドチョーク]×宮内拓海(TMC道場)  中国で試合経験を積んでいる石綱と、GRACHANchallengeから本戦へ上がり着実に実力を付けている宮内の対戦。今後のフライ級戦線に踏み出すのはどちらだ?  1R、ともにオーソドックス構え。右の蹴りから入る宮内に、左で差して金網に押し込みテイクダウンは石綱。パスガードから肩固め狙い。うつ伏せになる宮内のバック奪い、リアネイキドチョークを極めた。 [nextpage] ▼GRACHANライト級 5分2R×阿仁鬼(ススキノマルス)[判定0-3]〇藤村健悟(フリー)  日本現役最年長ファイター阿仁鬼52歳、藤村健悟19歳。歳の差33歳対決となった。GRACHANの門番、阿仁鬼は若手の壁となるか? それとも、藤村が壁を超えるのか!?  1R、オーソドックス構えの藤村。サウスポー構えの阿仁鬼。藤村はダブルレッグテイクダウンからバックへ。リアネイキドチョークを狙うが、阿仁鬼は後ろ手を剥がして防御。正対からパウンド。  2R、ダブルレッグは藤村。左で差し上げて上になる阿仁鬼に、藤村は下から足関節狙い。離れる阿仁鬼に、藤村はなおもダブルレッグテイクダウン。下の阿仁鬼は金網上半身立てニンジャチョーク、ギロチン狙いで頭抱えるが、藤村はズラしてこつこつパウンド。判定は3-0で藤村が勝利した。
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