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レポート

【修斗】猿丸、大尊、工藤が衝撃KO、西川が一本勝ち、中村が永尾下す=第1部

2020/09/19 14:09
プロフェッショナル修斗公式戦 第1部 PROFESSIONAL SHOOTO 2020 Vol.6 Supported by ONE Championship 第1部9月19日(土)渋谷TSUTAYA O-EAST 14時開始 ※第2部当日券は若干枚発売 ▼ストロー級 5分3R〇猿丸ジュンジ(世界ストロー級1位/修斗GYM東京)[1R 4分54秒 KO]×飯野タテオ(世界ストロー級2位/和術慧舟會HEARTS) ストロー級では、トップコンテンダー同士のランキング戦、猿丸ジュンジ(修斗GYM東京)vs.飯野タテオ(和術慧舟會HEARTS)の一戦が決定。  ストロー級世界ランキング1位の猿丸は、2018年5月の永井美自戒戦以降、3勝1分と負け無し。同11月の本田良介戦はローブローによる2Rテクニカル判定勝利も、2019年9月に中川マイケルと判定1-1ドロー、2020年1月の前戦ではジェロム・ワナワンに判定3-0で勝利している。キャリア13年のベテランが再び王座戦線に名乗りを挙げるか。  対する飯野は世界ランク2位。2018年8月に小川竜輔に1R KO勝ち後、2019年3月に児玉勇也にも1R KO勝ち。2019年6月には木内 SKINNY ZOMBIE 崇雅にも判定3-0で2年半ぶりのリヴェンジを果たしており、3連勝をマークしている。会場変更で3年ぶりの後楽園ホール凱旋とはならなかったが、O-EASTは木内戦の一本負けから、小川戦のKO勝ちで再起を果たした会場。猿丸戦でも“全力全開出し切り”ファイトで勝利のジェットポーズを見せるか。  ストロー級戦線は、世界王者の箕輪ひろばがONE Championshipと契約中。3位の本田良介が2019年9月に、3連勝中だった元王者の黒澤亮平にスプリット判定で競り勝ち。2020年7月には王座挑戦経験のある小巻洋平(4位)も1R リアネイキドチョークで極めるなど、トップランカーの潰し合いが続いている。今回の1位と2位の直接対決の結果如何では、ストロー級タイトル戦線に大きな動きが生まれそうだ。  1R、ともにオーソドックス構え。先に右を突いてシングルレッグは飯野。切る猿丸。飯野は積極的に前へ。大沢ケンジ代表は飯野に「中へ入れ」と声。  詰める飯野の右ストレートにカウンターの右を狙う猿丸。さらに低いダブルレッグも立ちに来た飯野に猿丸はニンジャチョーク狙い! 外す飯野だが亀の体勢に猿丸は鉄槌。立つ飯野は左ジャブ! 猿丸も下がりながら右ロー。しかし止まらない飯野はシングルレッグへ。ここも猿丸はしっかり切ってボディを突く。  右アッパー、左ジャブ左ストレートをヒット! ダウンした飯野は立ち上がり、シングルレッグから立つが、首相撲ヒザを突き上げ、突き放した猿丸は、左ストレートを効かせ、さらに左右連打! スタンドで崩れながら金網背にする飯野に、レフェリーが間に入った。  KO勝利した猿丸は「飯野選手ありがとうございました。僕の夢は修斗世界チャンピオン。タイトルマッチやるときはまた来てください」と簡潔に挨拶、メインを締めた。 [nextpage] ▼ウェルター級 5分3R〇大尊伸光(世界ライト級1位/野田ボディビル同好会)[1R 3分23秒 KO]×マックス・ザ・ボディ(カメルーン/BRAVE)  2年振りの修斗復活となる元環太平洋王者・大尊伸光(野田ボディビル同好会))の試合が決定。修斗で田口泰地、AB、田中有を相手に3連勝後、2018年大晦日にRIZINに参戦し、後のライト級トーナメント優勝者トフィック・ムサエフに2R TKO負けを喫したが、その後、長年蓄積されたダメージのメンテナンスを徹底的に行い、満を持しての復帰戦を迎える事となった。  その対戦相手となるのは宮田和幸主宰のBRAVE所属、カメルーン出身のマックス・ザ・ボディだ。GRACHAN、ZST、GLADIATOR、DEEP等で活躍するマックス・ザ・ボディは、ZST王者の小金翔と判定まで持ち込む実力者。2019年4月には「GLADIATOR 009」でプロシューターのウエタ・ユウに判定勝ち。2020年6月には、無観客試合として開催された『TTF CHALLENGE 08』で、村岡倫行を相手に終始プレッシャーをかけ続け最後は左フックからのパウンドでKO勝利を決めている。  強烈な左フックからの1発で沈めたパンチ力は圧巻の一言。日本屈指のハードヒッター大尊伸光と最高の肉体を持つ男マッスル・ザ・ボディ。この2人のマッチアップならば判定は必要なし。ド迫力のKO決着に期待大だ。マッスル対決を制するのは、大尊かマックスか!?  マックス戦の決定に大尊は、ツイッターで「大尊ファンの皆様お待たせしました。久しぶりに試合します! 闘病中の母親に、息子の強い姿を見て喜んでもらうためにも絶対に勝ちます」「俺のボディのがマックスってことを相手のボディでわからせてやります!!」とツイート。  両選手と親交のある芦田崇宏の「大尊さんとマックスなんて。筋肉が大渋滞ですよ!!」の声には「筋肉は大渋滞だけど、2人とも3Rスタミナもたないからすぐに渋滞緩和される説!(笑)」と笑い飛ばしながら「ハルクトーナメント的な試合を見せれるように頑張ります!!」と意気込みを記している。  ともにオーソドックス構え。右のカーフックを効かせる大尊。マックスは大きな右フックが空を斬る。左ミドルを蹴るマックスも、大尊はステップで外す。さらに右ローをカーフに効かせる大尊! 手打ち気味に大きな右で前に出たマックス。しかし、大尊は下がりながらも右からカウンターの左フック! マックスが前のめりに倒れた。大尊、KO勝ち!  試合後、リングサイドで観戦した闘病中の母に向けて大尊は、「僕のお母さんが病気で。ちょっと上がってもらっていいですか。(互いにハグ)完全に自己満足ですけど……俺も勝ったからママも絶対勝てよ。こんなヤバイときに皆さん来ていただきありがとうございます」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分2R〇工藤諒司(TRIBE TOKYO M.M.A.)[1R 2分13秒 KO]×野瀬翔平(マスタージャパン福岡)  TRIBE TOKYO M.M.A.の工藤諒司が久々の修斗帰還。青森県八戸市出身で小学生の頃からレスリングを始めた工藤は、中学で柔道も経験。高校ではフリースタイルでインターハイ3位となり、国士館大学レスリング部に所属した。卒業後、同大出身の先輩だった安藤達也に連れられてTRIBE TOKYO M.M.Aに出稽古、すぐに入門を決意したという。  2018年12月の久保村ヨシTERU戦のKO勝利以降、5連勝中の工藤の修斗参戦は、2019年3月の内藤太尊戦の判定勝利以来。2019年10月の「ONE Warrior Series 8」東京大会では、当時MMA6勝無敗だったジェリー・オルシム(フィリピン)を判定で下し、2020年2月の「ONE Warrior Series 10」シンガポール大会でも韓国のイ・ミンヒョクに判定勝ち。2020年4月の『Road to ONE:2nd』では、椿飛鳥を相手にテイクダウンから立ち上がり際に右ストレートを効かせ、連打でパウンドアウトしている。『ONE Championship』本戦出場間近となっている工藤が久々の修斗マットでどんな戦いを見せるか。  対するは、弘中邦佳を師匠に持ち、福岡を拠点に戦績を重ねる、負けなしの野瀬翔平(マスタージャパン福岡)。2018年7月のプロデビュー以降、4勝2分の野瀬は柔道出身。高校時代に首を骨折する大事故に遭いながら、プロ格闘家になることを決意。  堅実な試合運びのなかで、常に一本も狙うフィニッシャーでもあり、2019年9月の「Road to ONE:CENTURY」では、MWJ杯優勝の高城光弘に判定勝ち。続く11月の「闘裸男25」では古豪・岡田剛史をアームロックで粉砕している。2020年3月の後楽園ホール大会で小林孝秀戦が組まれていたが、大会が中止となり、試合はキャンセルに。今回は約10カ月ぶりの試合となる。実績で大きく上回る工藤を相手に野瀬はどう戦うか。 1R、オーソドックス構えの工藤にサウスポー構えの野瀬。先にダブルレッグは野瀬も差し上げて左で小手に巻き切る工藤。野瀬の右と工藤の左が交錯する中、詰める工藤は金網際で右ヒジ! さらに右ストレート! 効かされた野瀬はサークリングも詰める工藤が、金網背に打ち返してきた野瀬に狙いすました左から連打、そして右をクリーンヒット、野瀬がダウン。 勝利した工藤は「昨日、愛犬が亡くなり、間に合わなかったですけど、愛犬の死が意味のあるものだったと証明できたので、ありがとうと伝えたいです」と語った。 [nextpage] ▼ライト級 5分2R〇西川大和(西川道場)[1R 3分23秒 三角絞め]×椿 飛鳥(トライデントジム) 『ROAD to ONE 2nd』で緑川創とキックルールで対戦し、惜敗するもそのポテンシャルの高さから関係者に絶賛された“17歳の二刀流”西川大和が5月大会に続いて出場。5月の前戦では木下タケアキを相手にテイクダウンで上回り、判定勝ちしており、修斗で連勝を狙う。  対戦相手の椿飛鳥はABEMAで放送された格闘リアリティー番組『格闘代理戦争』では青木真也とチームを組み、後に『ONEウォリアーシリーズ』にも出場しキャリアを積む。2020年4月の「Road to ONE:2nd」で椿は工藤との3年ぶりの再戦で1R TKO負けを喫しており、西川を相手に正念場の一戦となる。  格闘技経験が全くなく、僅か5年のトレーニングで全日本アマチュア修斗を制した椿と幼少の頃より父と二人三脚で稽古を行なって来た西川大和。あまりに異なるキャリアとバックボーンを持つ両者が、己のアイデンティティを賭けて戦う。  1R、前蹴りから詰めて小外がけで先にテイクダウン奪う西川。ハーフガードから右で脇差し金網使い立つ椿はハイクラッチで西川を頭から落とす。  しかしすぐ立つ西川。スタンドバックから崩す椿に立つ西川。力を使い崩す椿。シングルレッグは椿。またも持ち上げるが、着地する西川。今度は尻下で組んでダブルレッグテイクダウンは椿も、下から跳ね上げる西川は三角絞め! タップを奪った。 [nextpage] ▼女子51kg契約 5分2R〇中村未来(マルスジム)[判定3-0] ※20-18×2, 20-17×永尾音波(AACC) 修斗の“女王”スーパーアトム級初代王者・黒部三奈が誕生した事で盛り上がりを見せている修斗女子に新たな選手が加わる事となった。  これまで『DEEP JEWELS』を主戦場に活躍していたAACC所属の永尾音波が初参戦。15歳からプロとして活躍してきた永尾がいよいよ修斗の女子戦線に足を踏み入れる。永尾は2020年7月末の前戦『DEEP JEWELS』で、49kg契約でKAI(リバーサルジム 立川 ALPHA)にスプリット判定で競り勝っており、今回は51kg契約で修斗初参戦となる。  対する中村未来(マルスジム)は“北のストライカー”。5月末の修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝では、AACCの杉本恵に2R、リアネイキドチョークで敗れたものの、腰の強さを発揮し、序盤の杉本のテイクダウントライを凌いでいる。またガードからのコムロック、ヒールフックなど意外な足関節も見せており、組み技耐性の強いストライカーと言える。  オーソドックス構えから仮面女子の川村虹花をダウンさせた左ハイを持つ永尾音波と、剣道ゆずりの右利きサウスポーの中村の打撃が交錯するか、それとも組み技で決するか。  永尾はSNSNで「相手の中村選手はAACCの先輩2人とも戦っているので試合は観てきました。簡単では無いですが、自分のやりたい事全部出していい終わり方が出来る様に頑張ります。とにかく、初参戦なので必ずインパクトを残します!! 女子格を応援して下さってる方、まだDEEP JEWELSしか会場に行った事が無い方、私を機にこれから更に盛り上がっていく修斗の女子の試合も見て知って頂けたら嬉しいです! 是非会場での応援よろしくお願い致します」と中村戦に向けて意気込みを語っている。  永尾と同門の大島沙緒里が主戦場を『DEEP JEWELS』に移し、7月大会で柔術JKのさくらに一本勝ちしていることもあり、今後それぞれの団体間を行き来し、環境を変えて活躍する女子選手も現れそうだ。  1R、サウスポー構えの中村に、オーソドックス構えの永尾。先に右から組む永尾だが引きはがす中村は左ストレートで前へ。オーソから得意の左ハイを打つ永尾。ブロックする中村。両者ともに積極的に左右を振っていく。永尾の押し込みも交えた前進、中村もすぐに圧力をかけ直してギロチンでクローズドに入れるもブザー。  2R、早々にテイクダウンは中村。鉄槌を振ると永尾は亀から立ち上がろうとするが、首をとってギロチン狙う中村が圧力かけて崩して上からコントロール。右で差して体を入れ替えた永尾だが、押し込まれながらもニンジャチョークにとらえた中村ががぶり、正対して下になる永尾。中村はサイドからパウンド。立ち上がる永尾に中村が腕十字を狙いブザー。  判定は3-0で中村が勝利した。
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