4月29日(月・祝)にベルサール高田馬場で開催される『KNOCK OUT 2019 SPRING「THE FUTURE IS IN THE RING」』でWBCムエタイ女子フライ級王者イリアーナ・ヴァレンティーノ(イタリア)との再戦に臨む小林愛三。
2018年7月の「Girls S-cup~」では、1回戦でイリアーナのカウンターのバックハンドブローでダウンを喫した小林が判定で敗れ、14戦目にしてプロ初黒星を付けられている。日本人3選手を立て続けに破り優勝を飾ったイリアーナを相手に、小林は「負けている2人(MIO、MISAKI)よりも先に倒してリベンジしたい」と意気込みを語った。
――昨年12月に伊藤紗弥選手に勝利して以来のKNOCK OUT参戦が決まりました。まずは伊藤戦を振り返っていただけますか。
小林「4R目までは全然自分から行けなかったのですが、最終ラウンドにセコンドに付いて いただけた4名の先輩の目が怖かったですし(苦笑)、これで負けたらKNOCK OUT女子エースとしての座も失うと思ったので、“絶対に負けてたまるか!”という気持ちで最後に勝負を仕掛けました」 ――セコンドの目はどういう目だったのでしょう。 小林「5R目で倒して帰ってこなかったら、殺すぞというメッセージのこもった目で、伊藤選手よりも恐怖を感じたんです」
――それもあって5Rに見せたヒジのラッシュは強烈なインパクトでした。
小林「練習していないヒジのラッシュでした。あの時は気持ちがいっぱいいっぱいだったので良く覚えてないのですが、相手の額を勝ち割って倒すには一番いい方法があれだったんだと思います。試合終わって自分の姿を見て、何これ……と思いました(笑)」
――試合後、小野寺力プロデューサーは「判定決着にはなりましたが、特に5Rは見応えあって KNOCK OUTを背負っていくという小林選手の気持ちが伝わってくるいい試合だった」と評価されていました。
小林「女子の試合を組んでいただけるのは凄くありがたいことなので、これからもKO出 来るように頑張ります」
――今回の相手イリアーナとは、昨年7月に行われた「SHOOT BOXING Girls S-cup ~ 48 ㎏世界トーナメント 2018~」で対戦し負けた相手です。どのような印象がありますか。
小林「キャリア初のダウンを奪われた上に初黒星を付けてくれた相手なので無茶苦茶気合いが入ってます。手足が長くてとにかくガンガン来てフィジカルが強い印象があります。あと、ヘアスタイルが奇抜でした(笑)。
世界トップレベルの力を感じましたし、身体付きが違って、戦う身体というのはこういう身体なんだなと考えさせられました。一発一発の攻撃の重みも今までに対戦した相手とは違いましたね。気迫のこもった倒しに来る攻撃をしてきます。絡めてくるようなフックを何発もめちゃくちゃピンポイントで当ててきて、左バックハンドブローでダウンを取られる前にそれが効いていました」
――イリアーナに負けて、次やれば勝てるという自信はありました?
小林「もし次にやった時に勝たないと負けた時の自分よりも成長していないということになるので、何としてでも勝ちたいという気持ちが強かったです」
――約9カ月ぶりの再戦となりますが、どのくらい期間を置いて再戦するのがベストでした?
小林「自分の中では、1年後にSHOOT BOXING Girls S-cupでリベンジしたい想いはありましたが、先に KNOCK OUTさんでチャンスをいただけたのでイリアーナに負けている2人(=MIO、MISAKI)よりも先に倒してリベンジしたいと思ってます」
――前回の伊藤戦を踏まえて今練習ではどういうところを強化していますか?
小林「特にこれといったことはしていませんが、今回はヒジありルールなのでヒジの距離で、いつも以上に打ち込み強化しています。向こうはWBCムエタイのベルトを持っていてヒジありルールも経験あるので、もし振ってきたら5倍以上に返してやります」
――先日にはタイにも練習に行かれていたんですよね?
小林「初タイでした。ジム後輩の壽美と一緒に5日間だけでしたが練習をメインにやって きました。午前中はヨッカオジム、午後はヌンポンテープジムに行かせてもらいました。初日に連打したら足を攣ってしまい、ビビりましたね。練習では日本での練習メニューとあんまり変わりませんでしたが、ヒジまでのコンビネーション、首相撲の組み方、距離感を教えてもらいました。あと、食事や気温などタイでの生活が自分に合ったのでタイに住みたいと思いました(笑)」
――次はどういう試合を見せたいですか?
小林「以前よりもKNOCK OUT女子エースとしての自覚は出てきました。今大会のポスターにもありますが、“臆病に勝ちを拾うな。勇敢にKOを狙え”のメッセージは自分にピッタ リの言葉なので気合いを入れて頑張ります」
――イリアーナ戦をクリアしてどういう1年にしたいですか?
小林「倒して勝つことを目標にしています。48~50kgまでの体重では、シュートボクシン グのMIO選手、RENA選手、TEPPEN GYMの寺山日葵選手、K-1のKANA選手など、強い選手がたくさんいるのでどんどん倒していきたいですね」