キックボクシング
インタビュー

【REBELS】初防衛戦の丹羽圭介「実は、僕は拳と足がゴリラみたいにデカいんです」

2020/08/24 07:08
 2020年8月30日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.65』のダブルメインイベント第2試合、【無法島 presents】REBELS-BLACK 63kg級タイトルマッチで第10代MA日本スーパーライト級王者バズーカ巧樹(菅原道場)の挑戦を受ける王者・丹羽圭介(TEAM KSK)のインタビューが主催者を通じて届いた。  丹羽は2月に開催された『KNOCK OUT』の無法島GPで古村匡平(FURUMURA-GYM)に判定で敗れ、まさかの1回戦敗退。一方のバズーカは1回戦で二冠王・橋本悟(橋本道場)からダウンを奪い判定勝ち。準決勝では丹羽に勝った古村から2度のダウンを奪い判定勝ち。決勝では西岡蓮太(龍生塾)に判定負けを喫するも大きなインパクトを残して“覚醒”した感があった。 悔しい思いをしただけでは『悔しさの打ち上げ花火』で終わってしまう  試合前の丹羽圭介は、分刻みのスケジュールに追われる。このインタビューも、与えられた時間は15分。 「15分後にフィジカルが始まるんです。今日は体のケア、オンライントレーニング指導、さっきまでTEPPEN GYMで練習して、今、フィジカルをやる場所まで移動してきました。試合前はいつもこんなもんです」  それでも、丹羽の取材は15分あれば十分。常に「今、話すべきこと」が整理されているので、こちらがどんな質問をしてもスラスラと答えが返ってくる。 「今回のテーマは倒すことです」 丹羽はそう言い切った。 (写真)無法島GPの1回戦、丹羽は古村匡平(右)にまさかの黒星 今年2月、KNOCK OUTでおこなわれた「無法島GP」(8選手参加のワンナイトトーナメント)の1回戦で、丹羽は古村匡平に判定負けを喫した。前に出てくる古村の攻撃をことごとくかわし、チャンスにカウンターを打ち込む作戦がハマったにも関わらず、判定は2-1で古村。ジャッジは丹羽の上手さよりも古村のアグレッシブを支持した格好だが「丹羽の勝ち」と見た人も多い。  丹羽にとっては納得しがたい判定だった。「いまだに『あの判定はしょうがない』とは思えないです。だからこそ、あの結果を消化するには『倒せる自分』になるんだ、って思ったんですよ。悔しい思いをしただけでは『悔しさの打ち上げ花火』で終わってしまう」  珍しく、丹羽の口調が熱を帯びてきた。「僕は『過去は変えられる』と思ってるんです。悔しさや、やるせない思いは自分で塗り替えて未来を作っていく。コロナの件もそうですけど、何かが起きた時にどうリアクションして、どう行動するかが自分の人生であり、今を生き抜く価値だと思うんです。今、試合が出来ない、練習が出来ない、『ない、ない』言ってるのは格闘家じゃないです。どんなに大変な状況でも、困難に打ち勝って、試練を乗り越えていく姿を見せるのが格闘家の役目だと思うんです」 (写真)挑戦者は無法島GPで準優勝を収めたバズーカ「無法島GP敗退」という過去を塗り替えるべく、丹羽は「判定ではダメだ。必ず倒して勝つ」という目標を設定し、自身のバージョンアップをはかった。 「今まで『一発で仕留める』という意識はあまりなかったです。スピードと当て勘で勝ってきましたけど、さらに殺傷能力を上げたら一発で仕留められる」  丹羽は2018年にREBELSに参戦すると、REBELSとKNOCKOUTで5連勝をマーク。そのうち4試合でダウンを奪って勝利したが、さらにその先の「KO」を求めてパワーアップをはかった。 「以前、フィジカルをやり込んだ時期があって、確かにパワーは上がったんですけど、スピードが落ちてしまった。以来、自重トレーニングくらいしかやってなかったんですけど、カリスマトレーナーに出会って『もっとパワーが上がるよ』と言われて。スピードを落とさず、パワーを上げるフィジカルをやってきて、練習で進化を実感してます」  フィジカルの成果は、意外なところでも感じるという。 (写真)TEAM TEPPENで那須川天心の父・弘幸さん(右から2人目)の指導を受けている「実は、僕は拳と足がゴリラみたいにデカいんです(笑)。疲れてくるとゴリラ並みの拳が重くて、ガードを上げてるのも辛くなってたのが、今はまったく疲れないです。試合に向けて思い切り追い込んでいますけど、全然動けてますし」 『REBELS.65』は、コロナ対策として観客数を半分に絞っての開催となる。この大会のメインイベントに出場する責任を丹羽は強く感じている。 「こういう時にメインイベントで戦えるのは感慨深いですし、格闘家としての価値が問われる試合だと思ってます。  今回はいつも応援に来てくれる人たちが来られないんです。会社からストップが掛かってて『会場に行けない』とか、関西から応援に来てくれる人には『今は東京には行けないけどチケットだけ買いたい』と頼まれたり。チケットも早々に売り切れて、会場で見られないという人も大勢います。  こんな状況でもリングに上がれることに感謝して、格闘家としてお互いの価値が高まる試合、いいエネルギーが交差する試合をしたいですし、制限のある中ですけど、届けたい希望や思いを発信して、配信で観てる人にも『やっぱりライブで観たい』と思って貰える試合をしたい。  僕は、僕の中のKNOCK OUTの続きをやっていきますし、これからは毎回ベルトを賭けてもいいとさえ思ってます。それくらい価値のある戦いをやりたいし、これまでのワクを越えたベルトの統一戦もやりたい。 そのためにも、この状況で試合できることに感謝して、TEAMニワールドの総力戦でバズーカ選手をぶっ倒して、REBELSのベルトを防衛します。8月30日、応援をよろしくお願いします」 (プロフィール)丹羽圭介(にわ・けいすけ)1983年7月23日、大阪府出身。37歳。TEAMニワールド所属。追手門学院大学では日本拳法部の主将を務め、卒業後は俳優・モデルとして活動。その後、プロ格闘家兼インストラクターに転身し、2017年よりフリー。2018年からREBELSに参戦すると「63kg王座新設」を強くアピールし、2019年、王座決定トーナメントを制してREBELS-BLACK 63kg級王座獲得。プロ戦績:29戦20勝(2KO)9敗。身長176cm。 文・撮影 茂田浩司写真提供 丹羽圭介
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