キックボクシング
ニュース

【RISE】那須川天心「有終の美も飾らせず普通に終わらせる」、裕樹「本気でぶつかり合って死ぬか生きるか、そういう試合をしたい」

2020/08/13 06:08
【RISE】那須川天心「有終の美も飾らせず普通に終わらせる」、裕樹「本気でぶつかり合って死ぬか生きるか、そういう試合をしたい」

ソーシャルディスタンスを保って向かい合った裕樹(左)と那須川。裕樹は「久しぶりにワクワク、ピリピリした」という(C)RISE

 2020年8月13日(木)RISEがABEMAにて会見を行い、10月11日(日)神奈川・ぴあアリーナMM、11月1日(日)エディオンアリーナ大阪についての発表を行った。

「勝つため、生きるために戦う。試練と戦う。覚悟を持ってやっていくイベントにしていきたい」との想いから、両大会名は『DEAD OR ALIVE 2020 in YOKOHAMA』、『RISE DEAD OR ALIVE 2020 in OSAKA』と名付けられた。『DEAD OR ALIVE』はRISEが黎明期に行っていた年間最大のトーナメントの名称でもある。


 11月大阪大会では、当初6月の横浜大会(新型コロナウイルスの影響で開催中止)で決まっていたRISE世界フェザー級(-58.0kg)王者・那須川天心(TARGET/Cygames)vs RISE三階級制覇・裕樹(ANCHOR GYM)の一戦が決定。この試合は裕樹の引退試合として行われる。

 伊藤隆RISE代表は「先日、大阪へ行って裕樹と話したんですが、当初は59.5kg契約だったが裕樹らしい発言で58kgでやらせてくれと。天心は58kgで世界王者になったのでということです」とコメント。

 裕樹は「僕としては58kgの世界を獲った天心君と戦いたいとの思いが強くあります。天心君、今日ここでの話だけれど、58kgで受けてくれる?」と那須川に問いかけ、今日初めて聞いたという那須川は「ハイ、全然大丈夫です。お願いします」と即答。

 続けて裕樹は過酷な減量をしてでも58kg契約にこだわった理由を説明した。


「なによりもこの非常に難しい状況で、そして格闘技界の至宝と言うか、一番大切な人物の那須川天心の一戦を僕に割いてくれるのは関係者にも天心選手にも感謝です。ただ、感謝するのはここまでで、那須川天心を敵とみなし、全力で今まで準備してきたし、ここから2カ月間、死ぬ気というのは言葉だけじゃなく58kgは難しい体重だが全力で準備をしていきたい。58kgに挑戦する理由は59.5kgって、そもそも天心選手が譲ってくれた階級なんですよ。裕樹さんはここまでしか落とせないだろう、と。そんな中途半端な体重では無意味な試合になってしまうと考えたんです。僕は今まで三階級(60kg、63kg、65kg)を獲ってきましたが、この58kgを獲ることで四階級制覇をして引退したい。(今回の那須川戦はノンタイトル戦だが)自分の中で4つ目を獲って自分の格闘技人生に終止符を打ちたい」

 那須川は「裕樹さんはずっと僕がRISEでデビューする前から活躍していた選手で、Mr.RISEと言えば裕樹さんでした。僕も感慨深いというか、まさか裕樹さんと試合するとは思ってもいなかったので…非常に言葉が出ないというか、いろいろな想いがあります。ですが格闘技なので、僕は情を捨てていますし、他の選手と変わらないつもりで普通に最初から、有終の美も飾らせずに1Rから倒しにいって普通に終わらせようと思います。58kgは本当のベスト体重ではないですが、僕のベルトの階級に合わせてくれたので覚悟は感じました」と、内心複雑な想いがありながらも全力で裕樹に引導を渡しに行くと宣言。


 伊藤代表は「裕樹は相変わらず頼もしい。格闘技は何のためにやるのか、第一は強いやつとやるため。それを体現してきた。この試合の重みが皆さんにも伝わっていただければと思います。天心には外国人を呼ぶことが出来ない状況でこの試合を快諾してくれたことに感謝します。裕樹は、もし勝ったら体重の差で勝ったと思われる、だったら58kgでやると。男気があります。しっかり見届けたい」と補足した。

 気になるのは裕樹の減量だ。2018年11月のロッタン・ジットムアンノン戦を59.0kg契約で行い、無理な減量で身体に異常をきたしたこともあった。そのことについて聞かれると「58kgはまだ未知と言うか。実際は57kg台にしないといけないので高校生以来ですね。59kgでロッタンとやった時に58kgまで念のため落としたことがありますが、今だから言えるけれどナメていました。最後に水抜きで落とせばいいだろうって前日に東京入りしたんですが、当日は本当に苦しくて。その経験ができたのが大きかった。減量に失敗しなかったら(ロッタンに)勝てたんじゃないかって後悔と言うか、もうちょっときっちりやっておけばよかったというところがあります。昨日59.5kgを記録したので、8月中に58kg台を記録して食べて60kg。要は減量じゃなくてダイエットですね(笑)。その状態で苦しい練習を課して慣れる。ロッタンとやった時に筋肉はいらないなと思ったんですよ。動ければいける。作戦を考えてるのはなくて、天心君の脚に僕のローキックをぶち込むだけ。それができればいい。どこまで調整して最強の那須川天心と戦えるのか、自分でも楽しみです」と、59kgの経験を踏まえて上手く減量していくとした。


 現在ジムを構える神戸に近い大阪で行われることになった件については、「僕の中では15年以上東京でやってきて、応援してくれる人がいるし、最後の試合に行くよって人いがいっぱいいます。だから残念な想いもありますね。東京で締めくくりたい気持ちもありました。だからどこかで、東京でも引退式なりエキシビションマッチなりをやれれば嬉しいです。大阪で出来ることは、今は地元なのでもちろん嬉しいです」とする。

 当日は裕樹の応援団が多いと思われアウェイになるのでは、と聞かれた那須川は「いや、アウェイではないと思います。僕は大阪でも人気があるので。大阪で試合をした時も凄かったですからね」と、自分にも大阪のファンがいるので問題ないと話した。


 そして裕樹は「東京でやろうと大阪でやろうと関係ないんです。誰かに見せたいわけではなく、僕はずっと強い人とピリピリ感を味わいたくて格闘技を続けてきました。さっき、天心君と向かい合った時に久しぶりにワクワク、ピリピリしたんですよ。こういう感じだなって。那須川天心と戦って名を売りたいのではなく、とにかく周りは関係ない。彼と本気でぶつかり合って死ぬか生きるか、そういう試合をしたいだけです」と、この試合に懸ける決意を語った。

MAGAZINE

ゴング格闘技 NO.331
2024年3月22日発売
UFC参戦に向け、ラスベガス合宿の朝倉海。「プロフェッショナル・ファイターの育て方」でチームを特集。『RIZIN.46』鈴木千裕×金原正徳インタビュー、復活K-1 WGP、PFL特集も
ブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリアブラジリアン柔術&総合格闘技専門店 ブルテリア