2020年8月9日(日)神奈川横浜・ぴあアリーナMMにて開催された『RIZIN.22』の第9試合・メインイベントで、ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル/ボンサイ柔術)に1R1分52秒、パウンドによるTKOで敗れた矢地祐介(KRAZY BEE)が試合後会見に応じた。
ルイス・グスタボ、ジョニー・ケース、朝倉未来を相手に3連敗も、前戦2019年12月の『Bellator JAPAN』では、上迫博仁を右フックからのサッカーキックで壮絶なKOに破り、復活を遂げていた矢地。
8カ月ぶりの試合に向け、このコロナ禍のなかで、ジークンドーを始めとする達人たちとコラボし、自身のファイトスタイルにも採り入れてきた。
実際に試合でも右前足で、サトシの左前足にカーフキック、さらに関節蹴りを当てたが、そのサイドキックの打ち終わりを組み付かれた。
組まれた後は、バックからのチョークを警戒するあまり、マウントを譲ることに。サトシのハーフガードから削るのではない、トップ柔術家ならではの安定感あるマウント&パウンドから逃げることができず、レフェリーストップとなった。
試合後、矢地は「遠すぎるくらいの距離で触らせないで戦う、というイメージだったけど」と唇を噛み、組まれてからも「ふわっとして迷ってしまった」と吐露した。
横綱相撲みたいな戦い方になっていました
──試合を終えた率直な感想からお願いします。
「完全にボコられたなと」
──対戦を終えて、サトシ選手の印象は変わりましたか。
「印象は特に変わらなくて、やっぱり組んでからがすごく強かったですね」
──試合前の戦略は試合で出すことができましたか。
「いやー、そこがちょっとふわっとしてしまったのが敗因で、入りから極めまでがすごく速くて、強くて、正確な選手だから。序盤は、ほんとうに遠すぎるくらいの距離で触らせないで、というイメージだったんですけど……いざ向き合ったときにふわっとしてしまって。うーん、もちろんナメてはいなかったんですけど、結果、ちょっと甘く見ていた……動きになっちゃいましたよね。もっともっと敏感にあそこはもってかせないようにするべきだったなという」
──試合を終えたばかりですが、今後の展望は?
「いやあ……こっからまたね、一つひとつ倒していって、ライト級のトップ戦線にからんで行きたかったですけど、まあ、ほんとう最初の最初でコケてしまったんで。うーん……どうすればいいのかという感じですかね。正直、いま、試合に関しては考えられてないかな……」
──サイドキックの打ち終わりを狙われたことに関しては、想定済みでまだ安心していた部分もあったのでしょうか。
「サイドキック、とくにローサイドキックとかヒザに入ったら、やっぱりパワープレイに来るだろうなとは思っていて、一気に詰めて組んでくるだろうなとは予想できていたし、気を付けてはいたんですけど……ちょっと“気を付けていた風”になっていました。気づいたら、あそこまで入られてしまって。もっともっと敏感に早めに回るべきだったし、触らせないべきだったし。特に序盤、意識はしていたけど、結果、受けて見過ぎた。なんか知らないけど横綱相撲みたいな戦い方になっていました」
──ファーストテイクダウンでマウントまで持っていかれたのは、サトシにバックテイクをさせたくなかったということもあったのでしょうか。
「そうですね。そこはほんとうバックテイクだけは絶対にさせちゃダメだと思っていたので、特にトップ柔術家の組んでからバック、極めまでは凄いものがあるし、そこだけはやらせたくなくて、結果、ああいう譲った形になったんですけど、今思えば、もうちょっと前の段階で、組んだ段階でも四つ組みとかで、ちょっと勝負してもよかったのかなとも思います。そこがふわっとして迷ってしまって、ああなった感じです」