悔しさをにじませてコメントするアーセン。どの団体で試合をすることになるのか
2020年8月9日(日)神奈川。横浜みなとみらいのぴあアリーナMMにて、RIZIN2デイズの初日『RIZIN.22-STARTING OVER-』が開催された。
第1試合で加藤ケンジ(K.O.SHOOTO GYM/3POUND)と約1年2カ月ぶりの試合を行った山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE 22)だったが、開始早々に加藤の強打を浴び、1R3分32秒、最後は右ストレートでマットに沈んだ。
試合後、インタビュースペースに現れたアーセンは「自分がずっと練習してきたのと真逆の感じで来られて、多分それでパニクった…自分もいま(記憶が)曖昧なんですが、自分たちがしっかりたてていた必勝パターンと真逆な動きをされて焦ってしまったとしか言えないですね」とガックリ。
「相手の印象は一緒でしたがサウスポーとオーソドックスの違いでした。自分はオーソドックスのためにサウスポーに変えていたんですが。自分が考えていたのはローを入れたら相手がサウスポーからオーソドックスに変わると思っていたんですが変わらなくて。あれ? なんでだろうと。あまり覚えていませんが、なんで変わらないんだろうと思ったのは覚えています」と、想定と違ったことに対応できなかったのが敗因だと振り返った。
「自分は最初の1発目を打って、2発目空振ったところから記憶がないです。なんとなくグラウンドに持っていったのは覚えているんですけれど、自分的には狙っていなかったことだから。クソ! って」と、試合のかなり序盤から記憶が飛んでいると告白。
するとアーセンは自分から「RIZINだけ出ているというのはアレなので、日本に残って日本の大会に出て経験値を積んでいこうかなと思っていて。それもさっきマネージャーと話して。RIZINだけ出るのは贅沢ですけれど、今はそれじゃないなって心から思っている。グアムに戻るのではなくKRAZY BEEでしっかりやっていって、日本で経験値を積んでRIZINに出られる選手になってからトップを目指そうと。RIZINだけっていうのは考えが甘かったですね。RIZINだけ出て頂点を目指すというのは。そんな甘いところじゃないし。どこの団体が俺のことを受け入れてくれるか分からないけれど、これからしっかり経験値を積んで頑張っていきたいと思いました」と、日本を拠点にしてRIZIN以外の団体で経験値を積んでいきたいとした。
「こんなクソみたいな選手だけれど受け取ってくれる団体さんがいればそこでやらせていただきたい。常に試合をする環境にいないとだめだなって思いました。言い訳にしか過ぎないですけれど、自分は14カ月ぶりの試合、相手はその間しっかり試合しているし、自信もつけていると思うから、自分に自信を付けるために自分を引き取ってくれるところがあればやらせていただきたい。
正直言うと、前から思っていたんです。RIZINだけ出るのは贅沢すぎるし、望んでないというか。間をしっかり空けたくないんですよ。レスリングの時もそうだったんですが、大会が毎週あって何回もやって経験値を積んでやるのが当たり前なんですけれども、今は完全にRIZINだけ。凄いありがたいし光栄なことだけれど、間を空けたくないなって思っていた。試合が終わって、やっぱり空けちゃだめだなって。作戦通りの動きもしてなかったし、サウスポーのままやってくる対策もやっていたんですけれど、そこで足も止まったし。本当に経験値だと思います。何試合もやっていきたいですね
1週間に1回はさすがにキツいですけれど、1カ月に2~3回くらいの気持ちでいるので、いつオファーが来ても受け入れたいし、とにかく間を空けたくないです」と、日本でどんどん試合を行っていきたいと語った。
コメントの途中では何度も“クソッ!”と悔しがる場面が見られ「悔しい。試合直前までのミットなんて今までで一番の動き出していたくらい調子がよかった。目も慣れていたし、前回の試合前まではスパーリングで目をつむっていたのが今回はパンチが見えて、全部が見えていたんです。でもやっぱり試合になると違うんだなって。景色が変わる。そういうのにも慣れないといけないから実戦をやらないと勝てるものも勝てないのかなと。今回、自分の中で本当に100%と勝てると思っていたんです。動き的にもタイミング的にも勝てるって。今までで一番自信があったんですよ。でもいざ上がってみたら全然自分の動きができないでオーソドックスに変わらなくて焦った自分がいて。経験値がないと焦るんだなって」と、悔しさをあらわにした。
また、練習を共にしたグアムのジムの仲間たちが来日できずセコンドに就けなかったことを聞かれると、「でも結局リングに上がるのは自分一人だから。言い訳にならない。しょうがないです。でも負けたって考えるよりも、意味があって負けたって考えるようにしています。ここから頑張ります。もっと強くなって帰ってきます」と、一からの出直しを誓った。
榊原信行RIZIN CEOも「これでもうアーセンを出し続ける理由がない。国内でも海外でも実績をがむしゃらになって積まない限りは。いいポテンシャルを持っていますが、残念ながら弱すぎますね。この1年なにをしていたのかな」と厳しい言葉を投げかけ、「アーセンが自らそういう想いを持ってくれたことにほっとしています。かわいい子には旅をさせろじゃないですが、1~2年後でもしっかり磨きなおして戻ってきてほしいですね」と、アーセンが経験を積んでRIZINに戻ってくることを期待していた。