プロフェッショナル修斗世界バンタム級ランキング5位の倉本一真(33=修斗GYM東京)と、2016年リオデジャネイロ五輪女子レスリング48キロ級金メダリストの登坂絵莉(26=東新住建)が5日、結婚を報告した。
SNSで2ショットとともに、倉本は「ご報告。本日2020年8月5日、登坂絵莉さんと入籍致しました。気を引き締め、より一層精進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願い致します。倉本一真」とツイート。
登坂は「いつも応援して下さっている皆様へ」と直筆文での以下の挨拶を添えた。
「この度、私、登坂絵莉は、かねてよりお付き合いしていた元レスリング選手で総合格闘技の倉本一真さんと入籍致しましたことをご報告させて頂きます。
リオオリンピック後、怪我でなかなか思うような練習ができない日々が続き、気持ちが落ちていた時、良き理解者としていつも支えてもらい前を向くことができました。そして時間を過ごす中で、これからの人生も共にしていきたいと思うようになりました。
私自身は、目標としていた東京五輪出場は叶わず、もう一度4年後を目指すと決心することはまだできておりません。まずは、怪我を治すことを最優先にトレーニングを続けながら、今後のこともしっかり考えていきたいと思っております。
まだまだ未熟な二人ではありますが、これからもお互いに高め合いながら、日々精進していきたいと思っております。どうか今後ともご指導のほど、よろしくお願い致します。2020年8月5日 登坂絵莉」(原文ママ)
2020年の東京オリンピックでの2連覇を目指していた登坂は、重なる故障に苦しみながら代表争いを戦ったが、その陰には倉本の支えがあったという。
MMA(総合格闘技)ファイターの倉本は7勝1敗。山梨学院大卒業後、自衛隊に所属し、2012年~2014年まで天皇杯全日本選手権グレコローマン60kg級3連覇を果たし、2013年と2014年には世界選手権の日本代表にも選ばれている。
2017年12月にプロデビューしたMMAでは、驚異のジャーマンスープレックス連発を武器に、プロ修斗で2019年のMVPとベストバウトをダブル受賞している。とくに2019年10月の根津優太戦では合計8度のジャーマンを繰り出し、相手セコンドのタオル投入によるTKO勝ちが大きな話題となった。
直近の試合では、2020年5月31日に無観客の『ABEMA』テレビマッチとして行われたプロ修斗で、修斗環太平洋バンタム級王者の岡田遼と、世界バンタム級暫定王座を争ったが、2R KO負け。7連勝後、倉本に初めて土がついていた。
試合後、登坂から「このままじゃ駄目だよ」と励まされ、あらためて気を引き締め直したという倉本は、 オリンピアン登坂とともにさらなる高みを目指していく。
互いに支え合いながら、高みを目指していきたい
──登坂絵莉さんとのご入籍おめでとうございます。
「ありがとうございます」
──登坂選手は今回の報告で、「リオオリンピック後、怪我でなかなか思うような練習ができない日々が続き、気持ちが落ちていた時、良き理解者としていつも支えてもらい前を向くことができました」と記しています。どのようなアドバイスをされたのですか。
「アドバイスなんて出来ることはそんななかったですけど、話しを聞いて、食事をして力づけるくらいです」
──登坂選手が倉本選手の総合格闘技の試合をご覧になることもあったのでしょうか。
「はい。いつも見てもらっています。会場で見れないときにはABEMAでも見てくれたり」
──倉本選手の試合を見た後に、登坂選手から感想を聞くこともありますか。
「はい。ものすごく厳しい意見を(笑)。世界を極めた彼女なので。それに総合格闘技も好きで、僕よりも全然、詳しくて、昔のPRIDEの話を彼女から聞くこともあります。彼女のMMAファン目線からすると、僕は『まだまだ甘い』と言われます(笑)」
──本誌では、同じ至学館高校の同級生でK-1ファイターの野杁正明選手と対談いただいたことがありましたが、アスリートとしてもファイターとしても素晴らしい闘志の持ち主だと感じました。食事面などアドバイスもありますか。
「そこも完璧ですね。手料理でもタンパク質豊富で」
──倉本選手自身は、驚異の7連勝をマークした後、5月の試合で環太平洋王者の岡田遼選手に初の黒星をつけられました。あの試合の後も登坂選手と話しましたか。
「はい。『このままじゃ駄目だよ。もっと本腰を入れないと』と言われ、僕自身もこのままでいられない、とあらためて気を引き締め直しました」
──あのチャンピオンシップで、倉本選手のなかで出来たこと、出来なかったことをどのように総括していますか。
「1R、すぐにテイクダウンして、あそこでテイクダウンしたのに、“どうしようか”と一瞬、悩んでしまったんです。そのときにギロチン(チョーク)が入ってしまって、あれでスタミナが削られ、ペースも狂ってしまいました。あそこで悩んだ自分に悔いが残ります。それは経験不足も、練習不足もあると思いますが、ちょっと調子に乗って雑になっていた部分もあるので、いまはあの試合をいい経験として、糧にしようとやっています」
──こんなご時世ですが、格闘技も観客を入れ始め、生配信などで試合が行われています。世界を目指す倉本選手は、次戦をどのあたりで戦いたいと考えていますか。
「自分はいつでも戦える準備をしていますので、オファーがあれば出て行けるように日々、練習をしています」
──夫婦になられても、これまで通り、互いにトレーニングの日々が続きますね。
「はい。彼女もまだ現役ですから、互いに支え合いながら、選手としても夫婦としても高みを目指して精進していきたいと思っています。今後ともご指導、応援をよろしくお願いします!」