柔道からMMAに転向し、わずか6戦目でDEEP JEWELS王座に就いた本野。浜崎朱加の後輩だ
2020年7月23日(木・祝)東京・新宿FACEで開催された『DEEP JEWELS 29』。メインイベントのDEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦で赤林檎(フリー)を1R4分23秒、TKOに破った本野美樹(AACC)が試合後インタビューに答えた。
「5月に試合が決まってから延期になってしまって、それからずっとチャンピオンベルトが欲しいなって考えていたので、やっとこの日が来て最高です」と、新型コロナウイルスの影響で延期となっていたタイトルマッチが実現し、ベルトを巻くことができて笑顔満開の本野。
「試合前は自信を持って挑んだんですけれど、不安な気持ちになったりしますし、それだけベルトが欲しかったし、勝ちたかった気持ちが強かったので気持ちに波が出ることもあったんですが、勝った瞬間は解き放たれて解放されたような最高の気持ちです」と、複雑な心境になっていたことを吐露。
対戦した赤林檎については「打撃が強い選手だったんですが、自分もそこで退かずに打撃でも勝負できるように心構えをして挑んで。結果テイクダウンして勝つことが出来たのでよかったです」と、相手の土俵でもある打撃戦でも退くつもりはなかった。
テイクダウンを奪ったのはこれまでの片足・両足タックルではなく、バックボーンの柔道(東海大学柔道部出身で、2010年の講道館杯では2010年世界柔道選手権-52kg級優勝・西田優香に勝利するなど活躍)の技である大内刈りだった。
「赤林檎選手は手足が長くて、変に思い切り投げに行くと足を絡まれたりというのがあったので、足を引っかけるとか細かい技でまずは倒すことを目的で柔道の技を使ってみました」と、MMAの試合で柔道の技が出せるようになったという。
加えて「ヒジありルールなのでヒジを使ってみたいという気持ちがあって。あまりできなかったんですが、ヒジも使う挑戦が出来たのでよかったです」と、寝技で随所で見せたヒジ打ちも試すことができた。
「今日一日、ずっと落ち着いて集中していたので、自分が思っていた通りの動きができてよかったです」と、最高の状態で試合に臨めたとする本野。その陰には練習仲間のRENAの協力があった。
「今日一日たくさんの人にサポートしてもらって。試合前もRENAさんに打撃のスパーリングを軽く向き合って一緒に練習していただきました。RENAさんと今日やってもらっている時に、アップから自分が落ち着いてできていたのでそこで自信がついたというか。試合でもアップでやった通りにやろうと思ってできたので。実際(RENAと)リングで会ったら涙が出ちゃいました。『おめでとう』と言ってもらえたので嬉しいです」
もちろん、協力してくれたのはRENAだけでなく「AACCのみんながおめでとうと言ってくれて。今日はAACCから4人出て全勝したんです。みんなの力のおかげで、全員勝って私につないでくれたのでチームワークの、みんなのおかげだと思います」と、勝利のバトンをつないでくれたことが力になったと話した。
今後については「とりあえずこのベルトが一つの目標で獲ることができました。自分は同じ所属の先輩で浜崎選手だったりRENA選手だったり、RIZINで活躍している選手がいる中で練習をさせていただいて、RIZINの大会も見に行ってたりしたんですけれど、あの舞台で戦っている姿がカッコよくて。自分もああいう風になりたいなって思っていたので、今後はRIZINに出られるような選手になっていきたいと考えています。RIZINに出て活躍するという次の目標に向けて頑張っていきたいです」と、RIZIN参戦を目標に掲げた。
また、試合がない時は増量していることが多いという話があることについては「ちょっとコロナで練習できなかった期間が多くて、今回今までで一番減量幅が大きかったんです(苦笑)。でも逆に、繊細に食事管理からやろうと思って今までで一番いいコンディションで出れたので、今後は太りすぎないように日頃から準備したいと思います」と笑った。