▼第5試合 DEEP JEWELS 61kg以下 5分3R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
[3R 1分49秒 腕十字]
×ARAMI(フリー)
第5試合では女子バンタム級相当の61kg以下契約で、杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)と、ARAMI(フリー)が対戦。計量では、杉山が60.8kg、階級下のARAMIは58.50kgでパスしている。
杉山は、空手道禅道会から2008年11月にDEEP JEWELSの前身であるJEWELSの旗揚げ戦でプロデビュー。5連勝を飾るなどJEWELSの主力メンバーとしてレギュラー参戦を果たす。豪州留学のため一時期試合から離れたが、2012年7月に国内復帰。トップ選手として活躍し、2017年と2018年のRIZIN年末大会に出場したがいずれも渡辺華奈に敗れた。
2019年3月に韓国で開催された『Double G FC 02』で、UFCで近藤朱里とも対戦(女子ストロー級・52.2kgで近藤にスプリット判定負け)したジョン・チャンミに判定勝ち、同年9月には新鋭の赤林檎に腕十字で一本勝ちし、今回は約10カ月ぶりの試合となる。
一方、加賀谷花野(柔術&MMAアカデミーG-face)の欠場により、急遽、参戦を決めたARAMIは女子アトム級(-47.6kg)のファイター。2017年のプロデビュー後4勝2敗で、プロ初戦の「Road FC 39」でホン・ユンハに判定勝ちした新鋭だ。ユンハは2019年12月に富松恵美に判定勝ちしており、当時成長過程にあったとはいえ、ARAMIがアウェイでユンハに勝利したことは特筆に値する。その後、2戦目でも古瀬美月(古瀬はプロ4戦目)にマウントからのパウンドでTKO勝ちしており、テイクダウンからポジショニングで相手を制するグラップラーだ。
体重超過した2018年9月の「DEEP JEWELS 21」では、青野ひかるの序盤のテイクダウンに苦しみながらも、2R目には右で差しての得意の後方への投げでテイクダウンを奪い返し、バックマウントまで持ち込んでいる。判定は減点2があったARAMIが敗れたが、ドローに近い内容で、その力強さは計量オーバーによるものか評価が分かれるところだ。
その後、2019年10月には、「ONE Warrior Series」で2勝1敗のソ・ジヨン(1敗は鈴木祐子に逆転の一本負け)と50k契約で対戦。左で差したジヨンの小外がけでテイクダウンを奪われ、金網背に左で差しながらの立ち際で、クォーターネルソンにとらえられて頭が下がったところにジヨンの左ヒザ蹴り&左フックをもらいダウン。続くリアネイキドチョークでタップ負けしている。-50kgの実力者ながらムラがあること、そして今回は階級差が気になるARAMIだ。
1R、ともにサウスポー構え。右ジャブは杉山。互いに慎重な見合いのなか、大きな左を振った杉山に、組みに行ったARAMI。コナー背に四つから回して崩したのは杉山! ハーフから潜りで足関節狙うARAMIにヒザを抜いた杉山は鉄槌。再び下からサドルロック狙うARAMIにヒザを抜く杉山。ARAMIはロックダウンからディープハーフガードで立ち上がる。
2R、ダブルレッグはARAMI。頭を腹の下に入れた杉山は差し上げて四つから小外で回してテイクダウン。立つARAMIに杉山はスタンドバック狙いながらも、ARAMIは前傾の足関節やアームロック狙うが、させない杉山。ARAMIは走って脱出。右から左を振るARAMI。ガードする杉山は左ロー! さらに左をカーフ気味に打つ。右を振る杉山をかわしてシングルレッグはARAMIも、杉山は倒れず。
3R、右を振りイマナリロールを狙うARAMI。かわしてつっこんできた首を取りスタンドチョークを狙う杉山。抜けるARAMIをコーナーに詰めて右ハイ! さらに足を手繰りにくるARAMIを潰して亀の脇の下から杉山がパウンド。マウントを奪い、腕十字を極めた。
試合後、杉山はコーナーポストに登り「来てくれてありがとう!」と叫び、リング上のマイクで「まずこの会場……ちょっと興奮しちゃって叫んじゃった。あなたたちが来てくれたから開催できたと思います。勇気のある決断だったと思います。子供もいるし。その人たちに見合う試合をみんなしていると思います。メインも期待してください。今日はARAMI選手のファンになった人もいるんじゃないでしょうか。強かったです。たぶん一人で来たと思うので、拍手します。みなさん、私の試合をもっと見たいですか。1、2、3、K!」と語った。