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レポート

【DEEP JEWELS】本野美樹が王座戴冠! 杉山しずかが一本勝ち、青野がリオン下す、大島vsさくらは大激闘に

2020/07/23 09:07
◆『DEEP JEWELS 29』2020年7月23日(木・祝)東京・新宿FACE ▼第6試合 DEEP JEWELSストロー級暫定王者決定戦 5分3R  ×赤林檎(フリー)[1R 4分23秒 TKO] ※レフェリーストップ○本野美樹(AACC)※本野が新王者に  メインイベントの第6試合では「DEEP JEWELS ストロー級暫定王者決定戦」として、赤林檎(フリー)と本野美樹(AACC)が対戦。前日計量では、赤林檎が51.95kg、本野が52.20kgでパスしている。  同級正規王者の魅津希は現在UFCで活躍中のため、今回、暫定王座決定戦として両者がベルトを争うことになった。当初、このカードは5月6日大会で予定されていたが、新型コロナウイルス対策の影響で今大会に延期されていた。  本野は、東海大学柔道部出身で2010年の講道館杯では西田優香(2010年世界柔道選手権-52kg級優勝)に勝利するなど活躍し、アマチュアMMAでも無敗。2019年3月の『HEAT』で満を持してプロMMAデビューを果たし、“流血のマドンナ”こと鈴木万李弥に完勝。同年6月の『DEEP JEWELS』に初参戦すると、大晦日RIZINで山本美憂と対戦したベテランの長野美香をデビュー2戦目にして破るというアップセットを起こしている。 10月には豪州『Eternal MMA』でWMMA豪州女子ストロー級王者ケーシー・オニール(スコットランド)に3戦目にしてタイトルマッチに挑んだが判定負けで初黒星。12月『DEEP』でのパク・チヨン戦では1R、腕十字による一本勝ちで再起を果たし、2020年2月のDEEP JEWELSではノンパン・ザ・ロケット(タイ)を1RでTKOに仕留めて「私もJEWELSで戦っているからにはチャンピオンベルトを巻きたいので、ぜひタイトルマッチをやらせていただければと思います」とアピールしていた。  対する赤林檎は日本拳法をバックボーンにキックボクシングの試合経験もあり、長いリーチから繰り出す打撃を武器とする。2018年8月『DEEP』に初参戦し、渡辺華奈に敗れるも序盤に強烈な右ストレートをヒットさせてあわやの場面を作り出した。  その後はDEEP JEWELSを中心に活躍し、ジェット・イズミ、アミバ、山口さゆり相手に3連勝。2019年9月大会ではフライ級(-56.7kg)で杉山しずかに挑み、熱闘を展開したが最後は腕十字で敗れた。12月の大阪大会では-54kg契約でパク・シユンのテイクダウンを防ぎながらカウンターを当て、判定勝ちで再起を飾っている。今回、適正階級というストロー級に戻して、暫定王座戦に挑む。 1R、サウスポー構えの本野に対し、オーソから圧力かける赤林檎。大きな左右をかわした本野は、脇を差してボディロックから大内刈テイクダウン! ハーフから首を抱えてバックに回させず正対した本野。ヒジで鉄槌し、腹にパンチ。右で脇差す本野はアメリカーナ狙いからマウント奪いパウンド連打! 赤林檎は動けず。レフェリーが試合を止めた。  試合後、本野は「この試合に向けて、賭けてやってきたので勝てて嬉しいのと、力が抜けてホッとしています。1回前に豪州でタイトルマッチをやらせていただいて負けてすごく悔しかったので、2度目のチャンスで何が何でもベルトを獲ってやろうとやりました。赤林檎選手と試合を組んでもらい、動画を見て、打撃でガンガン攻めてくる選手だったので、リーチも長く不安もありましたが、自分を信じて楽しんでやれて勝ててよかったです。今まで自分はずっと挑戦者でした。今日、チャンピオンになれましたが、これからも挑戦者の気持ちは忘れずに挑戦していきます。今日はDEEP JEWELSのチャンピオンになる目標を達成しましたが、次は自分はRIZINに出たいので、RIZINに出られるようなスターになります」とRIIZN出場をアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 DEEP JEWELS 61kg以下 5分3R ○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)[3R 1分49秒 腕十字]×ARAMI(フリー)  第5試合では女子バンタム級相当の61kg以下契約で、杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)と、ARAMI(フリー)が対戦。計量では、杉山が60.8kg、階級下のARAMIは58.50kgでパスしている。 杉山は、空手道禅道会から2008年11月にDEEP JEWELSの前身であるJEWELSの旗揚げ戦でプロデビュー。5連勝を飾るなどJEWELSの主力メンバーとしてレギュラー参戦を果たす。豪州留学のため一時期試合から離れたが、2012年7月に国内復帰。トップ選手として活躍し、2017年と2018年のRIZIN年末大会に出場したがいずれも渡辺華奈に敗れた。  2019年3月に韓国で開催された『Double G FC 02』で、UFCで近藤朱里とも対戦(女子ストロー級・52.2kgで近藤にスプリット判定負け)したジョン・チャンミに判定勝ち、同年9月には新鋭の赤林檎に腕十字で一本勝ちし、今回は約10カ月ぶりの試合となる。  一方、加賀谷花野(柔術&MMAアカデミーG-face)の欠場により、急遽、参戦を決めたARAMIは女子アトム級(-47.6kg)のファイター。2017年のプロデビュー後4勝2敗で、プロ初戦の「Road FC 39」でホン・ユンハに判定勝ちした新鋭だ。ユンハは2019年12月に富松恵美に判定勝ちしており、当時成長過程にあったとはいえ、ARAMIがアウェイでユンハに勝利したことは特筆に値する。その後、2戦目でも古瀬美月(古瀬はプロ4戦目)にマウントからのパウンドでTKO勝ちしており、テイクダウンからポジショニングで相手を制するグラップラーだ。  体重超過した2018年9月の「DEEP JEWELS 21」では、青野ひかるの序盤のテイクダウンに苦しみながらも、2R目には右で差しての得意の後方への投げでテイクダウンを奪い返し、バックマウントまで持ち込んでいる。判定は減点2があったARAMIが敗れたが、ドローに近い内容で、その力強さは計量オーバーによるものか評価が分かれるところだ。  その後、2019年10月には、「ONE Warrior Series」で2勝1敗のソ・ジヨン(1敗は鈴木祐子に逆転の一本負け)と50k契約で対戦。左で差したジヨンの小外がけでテイクダウンを奪われ、金網背に左で差しながらの立ち際で、クォーターネルソンにとらえられて頭が下がったところにジヨンの左ヒザ蹴り&左フックをもらいダウン。続くリアネイキドチョークでタップ負けしている。-50kgの実力者ながらムラがあること、そして今回は階級差が気になるARAMIだ。  1R、ともにサウスポー構え。右ジャブは杉山。互いに慎重な見合いのなか、大きな左を振った杉山に、組みに行ったARAMI。コナー背に四つから回して崩したのは杉山! ハーフから潜りで足関節狙うARAMIにヒザを抜いた杉山は鉄槌。再び下からサドルロック狙うARAMIにヒザを抜く杉山。ARAMIはロックダウンからディープハーフガードで立ち上がる。  2R、ダブルレッグはARAMI。頭を腹の下に入れた杉山は差し上げて四つから小外で回してテイクダウン。立つARAMIに杉山はスタンドバック狙いながらも、ARAMIは前傾の足関節やアームロック狙うが、させない杉山。ARAMIは走って脱出。右から左を振るARAMI。ガードする杉山は左ロー! さらに左をカーフ気味に打つ。右を振る杉山をかわしてシングルレッグはARAMIも、杉山は倒れず。  3R、右を振りイマナリロールを狙うARAMI。かわしてつっこんできた首を取りスタンドチョークを狙う杉山。抜けるARAMIをコーナーに詰めて右ハイ! さらに足を手繰りにくるARAMIを潰して亀の脇の下から杉山がパウンド。マウントを奪い、腕十字を極めた。  試合後、杉山はコーナーポストに登り「来てくれてありがとう!」と叫び、リング上のマイクで「まずこの会場……ちょっと興奮しちゃって叫んじゃった。あなたたちが来てくれたから開催できたと思います。勇気のある決断だったと思います。子供もいるし。その人たちに見合う試合をみんなしていると思います。メインも期待してください。今日はARAMI選手のファンになった人もいるんじゃないでしょうか。強かったです。たぶん一人で来たと思うので、拍手します。みなさん、私の試合をもっと見たいですか。1、2、3、K!」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 DEEP JEWELSグラップリングタッグマッチ 10分3本勝負 〇浜崎朱加(AACC)&富松恵美(パラエストラ松戸) 2-0×前澤智(リバーサルジム 立川 ALPHA)&古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY) ※1本目は1分10秒、浜崎が古瀬に腕十字。2本目は6分42秒、浜崎が前澤に腕十字。「DEEP JEWELSグラップリングタッグマッチ・10分3本勝負」として、元JEWELS王者で前RIZIN女子スーパーアトム級王者の浜崎朱加(AACC)、現DEEP JEWELSアトム級王者・前澤智(リバーサルジム 立川 ALPHA)、元DEEP JEWELSストロー級暫定王者・富松恵美(パラエストラ松戸)、ミクロ級トーナメント決勝進出・古瀬美月(Y&K MMA ACADEMY)の4選手が出場。タッグパートナーは、大会当日のリング上でジャンケンで決定となる。  先発は、浜崎と古瀬。引き手を掴み、いきなり足技で投げる浜崎は、サイド奪い腕十字。1分10秒。  2本目は富松と前澤で。引き込んだ富松はシッティングガードへ。足を払い上を取ると前澤のハーフガードからバックテイクへ。前に落とした前澤に下から腕十字へ。かついで外した前澤。富松は浜崎にタッチ。  足がうるさい浜崎は前澤をこかすと上四方から横三角絞め狙い。ここは外した前澤に浜崎は腕十字。クラッチする前澤だが、切った浜崎が極めた。2本目は6分42秒。浜崎&富松組が2本先取で勝利した。 浜崎に前澤がRIZINでの対戦直訴  古瀬「自分以外みんな寝技が強くて、とくに浜崎選手が相手でおおっと思いました(苦笑)。なかなか手を合わせる機会はないのですごくいい機会でした。(浅倉カンナ戦に向け)目標としてたRIZINにこんな早く出られるとは思っていませんでした。でも、世間的にはかませに見えるかもしれませんが、しっかり勝ちにいきます。応援、よろしくお願いします」  富松「組み合わせでうーん、行けると思いました(笑)。2本目以降、やると思ったのでアレと。JEWELSには打撃だけじゃなく寝技が出来る選手もいるということが分かってもらえれば。今回、契約体重をオーバーしていてショックでした。韓流ドラマばかり見ずみにもっと練習します(笑)。まだまだ頑張ります」  前澤「先輩方を食ってやろうと思いましたが、申し訳ない。個人的には楽しくできました。原点に戻れたなと。打撃ありだと殺伐としてそれもいいですが、楽しい原点で試合が出来ました。自分のいいところを出せず悔しかった半面、教わることも多いなと。悔しいので、RIZINで私、浜崎選手に喧嘩売らせていただきたいです。よろしいでしょうか。東京に出てくるきっかけは、青森で観たインヴィクタの試合でした。こんなに世界で強い日本人選手がいるのかと。許されるのであれば、浜崎さんRIZINでお願いします」  浜崎「そうですね。正直、日本人で試合をしてくれる人はいないので、突然でびっくりですが、RIZINさんが組んでくれるんであれば、お願いします。今回は楽しく出来ました。このように試合が出来て、応援に感謝でいっぱいです。今後もDEEP JEWELSをお願いします」 [nextpage] ▼第3試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R ○青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)[1R 4分53秒 TKO] ※鉄槌でレフェリーストップ×リオン(KRAZYBEE)  第3試合では、-49kg契約試合として、青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘/49.00kg) と、リオン(KRAZY BEE/48.80kg)が対戦する。  プロMMA5勝3敗の青野ひかる(ストライプル新百合ヶ丘)は、日本大学レスリング部出身。全日本社会人選手権48kg級優勝、全日本学生選手権48kg級優勝など女子レスリングで数々の実績を持ち、山本美憂との対戦経験もある。2017年12月にMMA転向後は2018年3月から3連勝も、2019年3月にベテランの富松恵美にリアネイキドチョークで一本負け。しかし、同年6月の檜山美樹子戦、9月の古澤みゆき戦と連続一本勝ちを収めた。  2019年12月、事実上のDEEP JEWELSアトム級王座挑戦者決定戦をハム・ソヒの妹分パク・シウ(韓国)と争ったが1R3分40秒、TKO負け。2020年5月6日の東京・後楽園ホール『DEEP JEWELS 29』で再起戦が決まっていたが、新型コロナウイルスの影響で大会は中止となっていた。  柔術ベースのリオンはプロMMA1勝。2019年6月9日に行われた『第2回DEEP JEWELSアマチュア大会』に出場し、2試合行って綱島裕美には1R28秒でチョークによる一本勝ち、モモには判定勝ちを収めている。2019年9月に川村虹花に勝利している永尾音波と16歳対決に臨み、パンチを出しながら前へ出てテイクダウン&下からの腕十字&三角絞めと攻め、判定2-1の僅差でプロデビュー戦勝利を飾った。  2020年2月大会では川西まゆとの対戦が決まっていたが負傷欠場、今回が約8カ月ぶりの復帰戦でプロ2戦目となる。柔術経験8年の得意の寝技に加えて、KRAZYBEEで打撃も進化中だ。  グラップラー同士の試合は、レスリングベースの青野と柔術ベースのリオンの組み技対決となるか。それとも互いに磨きをかけた打撃がキーとなるか。コロナによる自粛期間の積み上げがどんな形で試合で現れるか。  1R、ともにオーソドックス構え。青野は2度目のダブルレッグでテイクダウン。ガードから腕を引き込むリオンはクローズドガード。しかしギロチン狙いに片足抜くと左で枕に巻き、パス狙い。再びクローズドの中に入れたリオン。  インサイドから鉄槌は青野。下から腰を切ったリオンは腕十字へ。ヒジを抜いている青野はかついでパス。渡部修斗の「ハーフでいい」の声にハーフから左で枕に巻き、右で鉄槌。下のリオンの左肩を流して肩固め狙い。ここはリオンも腕を戻す。片足を抜きサイドを奪い鉄槌連打する青野に、リオンは鼻血で動けず。レフェリーが試合を止めた。  試合後、青野は「久々の試合だったので強くなったところを見せたかったけど、試合ができたらいいなと思いました。リオン選手は柔術が長くて寝技が得意なのですごく対策はしてきました。今日はこんななか、来場ありがとうございます。コロナウイルスで外国人選手が入ってこれないですけど、パク選手が入ってこれないですけど、タイトルマッチに向けてしっかりこのまま勝ち上がっていきたいです」と語った。 [nextpage] ▼第2試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R ×さくら(フリー) [2R 2分10秒 テクニカルサブミッション] ※キムラロック○大島沙緒里(AACC) 当初、さくらと対戦予定だった川西茉夕(総合格闘技道場BURST)が欠場(※東京都の新型コロナウイルスの警戒レベルが4に上がった事で勤務先の病院から出場を取り止めるよう要請があり欠場)。代わりに、修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントベスト4の大島沙緒里が緊急参戦、さくらと対変更する。  大島は、3歳から始めた柔道歴21年を数え、2019年の全日本アマチュア修斗で圧倒的な強さで優勝。2020年1月には修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメントに抜擢され、一回戦で小生由紀をKOし、5月の準決勝では元DEEP JEWELSアトム級王者の黒部三奈相手に敗れはしたが、新人離れした才能を発揮した。  アマ修斗を経てプロMMAでは1勝1敗なものの、AACCで浜崎朱加や杉本恵、本野美樹ら、柔道・レスリング出身MMAファイターたちと鎬を削る大島は、戦績以上の力を急速に身につけている。また、2020年2月にさくらを苦しめた永尾音波も練習仲間で、その試合からもフィードバックを得ての緊急参戦となるだろう。  柔道では名門・東海大柔道部出身で、2014年9月の全日本ジュニア柔道体重別選手権女子44kg級で優勝(旧姓・安達)の実績がある。夫は2018年の「講道館杯全日本体重別選手権」男子60kg級優勝の大島優磨で現在、双子の娘を育てる母親でもある。 対する女子高生ファイターさくらは、柔術と柔道をバックボーンとして2019年12月の『DEEP 93 IMPACT』でプロMMAデビュー。國保小枝戦ではパンチでの打ち合いも見せ、1R3分17秒、腕十字による一本勝ち。2020年2月には、AACCの永尾音波とのJK対決に臨み、永尾の打撃に苦しみながらも寝技で優位に立ち判定勝ちを収めている。現在は、試合に向けて減量中で、高校生活と練習をめまぐるしく両立させているようだ。  2勝無敗のさくらと1勝1敗の大島は戦績では同クラスだが、黒部との対戦経験を得た大島がどこまで成長を遂げているか。柔道トップの組み技・投げ技、そして上からの攻撃、寝技のデフェンス力も高く、何よりそのフィジカルの高さは黒部を際で驚かせる力を持っている。  しかし、時にバックを許すこともあり、さくらの柔術をいかに封じ込めるか。対するさくらは柔術的なポジションニングに一日の長があるが、永尾を極め切れなかったグラウンド、そして打撃面での課題が残る。  女子スーパーアトム級相当の49kg契約戦は、両者の真価が問われる試合となるだろう。 1R、サウスポー構えのさくらは左ミドルから入る。組んでボディロックするが投げられず。細かく左右を打つ大島は、オーソから左フック。さらにワンツーから組むがここはさくらも差させず。右ジャブ当て左ストレートはさくらだが軽い。大島は細かいワンツー。シングルレッグのさくらを巴気味に跳ね上げる大島。さらにギロチンへ。スイープからクルスフィックスで鉄槌は大島! さらにストレートアームバー狙いもブリッジからスクランブルしたさくらが上に! マウントから鉄槌、腕十字を狙ったところでゴング。  2R、足を手繰る大島をがぶったさくら。ガードの大島の足を払いパスガードからマウント! ニーオンからハーフに入るが、下の大島はキムラクラッチからスイープし、キムラロックへ。腕を背中に回されたさくらは動けず。テクニカルサブミッションで大島が勝利した。 試合後、大島は「川西選手の代わりに出させていただきました。川西さんは柔道時代に練習してもらった選手でした。ストイックな強い選手です。きっと悔しい想いをしていると思います。私が言える立場ではないのですが、とてもいい選手ですので、楽しみにしていてください」と、自身の勝利より欠場した盟友を気遣った。  対戦相手のさくらの印象を問われると、「今回、正直、対策は少ししか出来ていなくて。前回の負けたイメージが強くて不安で臨みました。今回勝てたので、また勝てるよう頑張ります。今回の試合、強さを見せられず申し訳ない気持ちでいっぱいです。また強くなって皆さんの前に立てるよう頑張ります」と語った。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R×KAI(リバーサルジム 立川 ALPHA)[判定1-2] ※18-20,20-18,19-19(マスト永尾)○永尾音波(AACC)  永尾音波(AACC)vs. KAI(リバーサルジム 立川 ALPHA)も5月大会からのスライドカード。  永尾はアマチュアキックボクシングでの試合を経て、2019年3月のDEEPアマチュア大会では同世代の吉川桃加を相手に打撃で上回り判定勝利、プロデビュー戦となった6月のDEEP JEWELSでは 組み技を得意とする國保小枝の組みを断ち切り判定勝利、続く9月大会では同世代のリオンと対戦し、19-19×3の同点ながら、マスト判定によりリオンに惜敗している。  10月大会にも連続出場し、川村虹花からハイキックでダウンを奪い判定勝ち。しかし、2020年2月にさくらとの“JK対決”で打撃で優位に立ちながらも寝技で後手に回り判定負け。プロ戦績は2勝2敗となった。  KAIは、空手をベースに2014年からDEEP JEWELSに参戦。桐生祐子(鈴木祐子)、北野きゅう、ジェット・イズミに勝利も、両ヒザの手術で戦線を離脱。1年半ぶりの復帰戦となった2019年9月の『DEEP JEWELS 25』では、キック出身のジェット・イズミ(元J-GIRLSミニフライ級王者)を相手にキックルールで判定勝ち。10月大会では古瀬美月に判定2-1(いずれもマスト判定)という僅差で涙をのんだ。  ともにオーソドックス構えの打撃をベースとするが、金原正徳ゆずりの細かいステップからパンチ&ロー主体のKAIに対し、永尾は中間距離の蹴りをミドル・ハイと打ち分けられる。また、両者ともにケージレスリングも巧みで、金原を師匠に持つKAIは腰が強く、永尾もAACCAで浜崎朱加らとケージレスリングに磨きをかけている。ベテランのKAIと新鋭の永尾のサバイバルマッチとなる。  1R、ともにオーソドックス構え。いきなり飛び蹴りから入る永尾。そしてジャブ&ロー。ワンツーを返すKAI。永尾は得意の左ハイもガードするKAI。永尾の右前蹴りに右ストレートを合わせるKAI。永尾は尻餅。ワンツーの右をヒットさせるKAI! 右ローは永尾もそこに左ジャブを合わせるKAI。永尾もワンツーを返すが常に圧力をかけるのはKAI。そこに高い蹴り、打ってサイドに回る永尾。KAIは圧力をかけていく。  2R、詰めるKAI。永尾は右のスーパーマンパンチを狙うがかわすKAIは左ジャブをダブルで突く。入りには前蹴りを突く永尾。互いにローの打ち合いから左ストレートは永尾。KAIのジャブに前蹴りは永尾。しかしKAIもワンツー。コーナーに詰めてのヒザはKAI。オーソから左の蹴りは永尾。ひるまず前に出るKAIはワンツー、アッパーも。しかし回る永尾も応戦。  互いに絶え間なくスタンドで攻防した激闘の判定は、2-1(20-18、18-20, 19-19)(マスト判定永尾)で蹴りで攻めた永尾が勝利。リング上で「ほんとうは圧勝したかったです、やっぱりKAI選手が強くて、1発1発重くて、攻められたときはヒヤリとしましたが、得意の蹴りを出せて良かったです。もっと成長していきたいです。こんな状況のなか、応援してくれた方に感謝でいっぱいです。こんな状況でも格闘技は生きていけるよう選手も、私も頑張りますので、応援、よろしくお願いします」と涙ぐみながら語った。 [nextpage] ▼オープニングファイト DEEP JEWELS SPルール 52kg以下契約 3分2R×村上 彩(フリー)[判定0-3] ※18-20×2, 19-19マスト竹田○竹田有里(KRAZY BEE) “コスプレイヤー柔術家”村上彩(フリー)は“超新星の美女格闘家”竹田有里(KRAZY BEE)と、Moochan(T'sキックボクシングジム)は“美少女すぎる美少女格闘家”須田萌里(SCORPION GYM)との対戦がそれぞれ決定。 村上は全日本柔術選手権2018茶帯ルースター級優勝&柔術アジア選手権2018茶帯ライトフェザー級優勝の実績を持ち、現在は黒帯。元キャバ嬢であることを隠さず、コスプレイヤーとしても活動している。2月のアマチュアDEEP JEWELSで初MMAに挑み、Moochanに勝利した。  竹田は山本美憂、あい、リオンに続くKRAZY BEE第4の女戦士で、同じく今年2月にMMA初試合に挑んでテイクダウンを奪うも判定負け。フィジカルをかなり強化している一方で、アニメとアイドルが好きなオタク気質で学生時代はコスプレイヤーとして活動していたそうだ。(※試合詳報は後ほどアップ) ▼オープニングファイト DEEP JEWELS SPルール 49kg以下契約 3分2R×Moochan(T'sキックボクシングジム)[1R 3分00秒 腕十字]○須田萌里(SCORPION GYM)  Moochanはアマチュアキックボクシング9勝5敗4分。柔術ではSJJF関東選手権2019マスター2優勝&ASJJF東京春季柔術チャンピオンシップ2019マスター2優勝の実績を持つ。2月のアマチュアでは村上に敗れている。  須田は今春に高校生になったばかりで、ブラジリアン柔術、グラップリング、MMAの試合に出ている。2月のアマチュアではグラップリングルールで出場し、アキレス腱固めで敗れた。(※試合詳報は後ほどアップ)
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