「黄金のバンタム」で朝倉海と扇久保博正に続くのは?
また、世界的に“黄金のバンタム”と呼ばれるなど強豪選手がひしめくMMAバンタム級では、61.0kg契約で井上直樹と渡部修斗が対戦する。
◆RIZIN.22(8月9日)
▼61.0kg 5分3R ※ヒジあり
井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
渡部修斗(ストライプル新百合ヶ丘)
2020年2月の「RIZIN.21」で、ムエタイとMMAの二刀流ファイター トレント・ガーダムに判定3-0で競り勝った井上は、姉・魅津希と共にニューヨークを練習拠点としていたが、今回の試合に合わせて帰国。現在は水垣偉弥と練習を積んでいる。
RIZINでの2勝目に向け、「ニューヨークから3カ月ぶりにRIZINのために帰ってきましたセラ・ロンゴ・ファイトチームの井上直樹です。ニューヨークでは、外に買い物行く以外は自宅待機という感じで、練習も家の中でやるしかない状況でした。日本に帰ってきて、緊急事態宣言で制限されていましたが、今は全然出来ているのでチャンスだなという感じです」と、帰国の判断が奏功したことを語り、「今回RIZINを開催してくださった関係者の方にとても感謝しています。そして今、コロナや九州の大雨で苦しんでいる人たちに少しでも勇気を与えられるような試合をしたいと思います」と意気込みを語っている。
対する渡部修斗はRIZIN初参戦。修斗初代ウェルター級王者の渡部優一氏を父に持ち、PANCRASE、ZSTで活躍。2018年12月にはFighting NEXUS初代バンタム級王座決定トーナメントを制し、ベルトを巻いた。2019年6月と9月にDEEPに参戦し、小林博幸をチョークで「極め、倉信洋一郎に判定勝ちしている。前戦は2019年11月の「Fighting NEXUS vol. 18」。咲間”不良先輩”ヒロトに1R、リアネイキドチョークで一本勝ちしている。分かっていても極まるそのチョークを、渡部は“マジカルチョーク”と呼ぶ。
会見で渡部は、「初代Fighting NEXUSバンタム級チャンピオンの渡部修斗です。対戦相手の井上選手は凄く強い相手ですが、自分には“マジカルチョーク”があるのでしっかり極めて勝って、自分の実力をRIZINのリングで証明したいと思っています。そして帰りに、横浜の美味しいスイーツを食べて帰りたいと思います」と、同じくチョークが得意技のひとつである井上に対し、チョーク合戦での勝利を予告。試合後の“スイーツグラップラー”としての活動もアピールしている。
◆RIZIN.23(8月10日)
▼61.0kg 5分3R ※ヒジあり
元谷友貴(フリー)
魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)
プロデビューから僅か1年、22歳の時にDEEPフライ級の頂点に立った元谷は、和田竜光との2度の死闘(1勝1敗)を経て、2016年10月にバンタム級転向。2016年12月にはRIZIN初参戦でアラン・ナシメントにスプリット判定勝ち。17年4月の「RIZIN.5」で堀口恭司に敗れるも判定まで持ち込んでいる。その後、ムン・ジェフン、祖根寿麻、釜谷真、ジャスティン・スコッギンスを相手に4連続フィニッシュ勝利、5連勝を飾っている。
2019年は、3月のDEEPでビクター・ヘンリ―にスプリット判定負け、7月のRIZIN.17で扇久保博正にスプリット判定負けと接戦を落としており、大晦日の「RIZIN.20」ではBellator対抗戦でパトリック・ミックスのギロチンチョークにタップアウトと厳しい戦績に。
しかし、2020年第1戦目となった3月のDEEPでは実力者・大塚隆史に判定勝利を収め、連敗から脱出を遂げている。国内外の強豪を相手に戦ってきた元谷は会見で、「今回の対戦相手はちょっと美味しいかは分からないですけど」と魚井フルスイングをとらえながらも、「良い勝ち方して自分の存在を出していければ良いかなと思います。頑張ります」と意気込みを語った。
対する魚井は、RIZIN2戦目。“フルスイング”の打撃を武器に、2016年2月から驚異の8連勝。2017年10月に論田愛空隆とドロー後、祖根寿麻、根津優太に判定負けで2連敗を喫するが、土屋大喜、藤井伸樹、加藤ケンジを相手に3連勝(2KO)。RIZINデビュー戦となった2019年6月の「RIZIN.16」では強打者カナ・ハヤットとの打撃戦を制し、地元神戸で凱旋勝利を決めている。
その後、修斗で2019年9月に田丸匠にスプリット判定負け、2020年1月の手塚基伸戦では、手塚のシングルレッグに前のめりに左腕をマットに着いた魚井が左ヒジを負傷しTKO負け。その光景がニュースになるなど、悔しい2連敗の最中にいる。
会見にバットを持ち込んだ魚井は、「自分の最近の試合は何試合か結果が出ていなくて、面白い負け方もしてるんですけど、今回オファーを貰って、なんでこの舞台で、このタイミングで元谷選手と試合をやらせてもらえるんだろうと、自分自身ずっと練習しながら考えていて、まだちょっとその答えが出ていない形です」と戸惑いを隠さず。
しかし、「ここから8月10日まで1カ月間で答えを見つけて、元谷選手と見に来てくれるお客さんの前に立てるようにしっかりやってていきますので、自分の試合を是非、見てください。盛り上げます」と再起を誓っている。
◆RIZIN.23(8月10日)
▼59.0kg 5分3R ※ヒジあり
伊藤盛一郎(リバーサルジム横浜グランドスラム)
神龍 誠(フリー)
59kg契約では、伊藤盛一郎と神龍誠が激突。
2016年11月の「GRANDSLAM 5」での内藤頌貴戦の逆転勝利でRIZIN出場権を得た伊藤は、2017年4月に地元・横浜で開催された「RIZIN.5」で才賀紀左衛門に判定勝利。19年4月の「RIZIN.15」では58kg契約でマネル・ケイプと対戦。2Rにケイプの左ボディでTKO負けを喫している。MMA12勝中、7つの一本勝ちをマークするなど組みの強さに定評があるが、打撃の進化をどこまで見せられるか。
会見で伊藤は、「第3代ZSTフライ級王者、リバーサルジム横浜グランドスラムの伊藤盛一郎です。自分が今までZSTでやってきたことを出せば、必ず良い結果に繋がると思うので、当日はみんな瞬きする暇もないくらい動いて、自分が一番目立つ勝ち方で勝利を飾ろうかなと思います」と軽量級らしい俊敏な動きを予告。さらに、「(RIZINの)2週間前にZSTのGTFの方でも試合をするのですが、どちらも自分のZSTスタイルを見せられる試合にしようと思うのでよろしくお願いします」と、7月26日のグラップリングスーパーファイト(vs橋本圭右)もアピールした。
対する神龍誠は、アマチュアレスリングをベースにMMA10勝1敗1分。唯一の黒星は、2018年4月に現在ONEで活躍中の和田竜光に判定負けしたもので、以降、中山ハルキ、島袋チカラ、柴田“MONKEY”有哉、中村優作相手に4連勝を飾っている。那須川天心との練習で打撃を強化し、柴田戦の判定勝利でDEEP史上最年少となる18歳での王者となった神龍も7月で20歳になった。
会見では、「年末(2019年12月29日「BELLATOR JAPAN」で中村優作に判定勝利)に引き続き呼んでもらえてとても光栄に思います。そして対戦相手の伊藤選手、僕の“噛ませ”になってくれてありがとうございます。当日はありがたく、キャリア初一本、KO勝ちして勝利を飾りたいと思います」とフィニッシュしての必勝を宣言。「あと、僕の新必殺技『ウルトラジャンピング踏みつけ』が待っているので、足の甲を鍛えておいてください」と、新たな技も予告している。
新たな契約選手の参戦に榊原信行CEOは、「思い出作りの1回で終わってもしょうがない。RIZINに自分のポジションをしっかり作ることができるか。ステップアップの機会にしてほしい。記録ではなく記憶に残る試合にしてほしい」と期待を寄せている。
8月9日(日)と10日(月・祝)、どんな選手が一歩抜け出すか。コロナ禍をチャンスに変えるファイターの登場に注目だ。