蓮實(右)ににらみ合いを仕掛けた大沢だが「背の高さを見ようと思っただけ」
2020年7月11日(土)東京・後楽園ホール『Krush.114』の前日計量&記者会見が、10日(金)都内にて13:00より行われた。
第7試合のライト級(62.5kg)3分3R延長1Rで対戦する、K-1 WORLD GP 2018 K-1ライト級世界最強決定トーナメント準優勝・大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)は62.4kg、蓮實光(パラエストラ栃木)は62.3kgでそれぞれパス。その後の会見に臨んだ。
両者が会見場に登場し、横並びになってのツーショットを司会者が指示した時だった。大沢が蓮實に睨みを効かせて近寄り、両者はフェイス・トゥ・フェイスでバチバチのにらみ合いを展開。会場に緊張感が走った。
会見に同席した石川直生エヴァンジェリストは「新生・大沢文也がどうなるかが見どころのひとつ。もともと頭脳派でテクニシャンファイターでしたが、試合によって浮き沈みがあるのはそれがまた個性の選手。怪我で欠場中にリハビリして、ジムの代表になって顔が変わったと思っています。より色気が出てきた。まだまだ一皮も二皮も化けられる年齢(28歳)だと思っているので明日は新生・大沢文也に期待です、蓮實選手は独特のリズムから振ってくるパンチ。Krushのリングの中で異彩を放つスタイルです。最近Krushでの勝ち方を掴んできたと思う。大沢選手はそこにパンチを合わせるのが得意のはずですが、そのテクニックを凌駕する蓮實選手に期待できる試合です」と評した。
蓮實が「明日はとても楽しみです。楽しみしかないので期待通りきっちりKOで勝ちます」とコメントすると、大沢は「明日は僕も楽しみですね。10カ月ぶりの復帰戦なので怪我で出られなかった悔しい気持ちもあるけれど、期待通りKOと(蓮實が)言っていたが、誰が期待しているかちょっと分からない。誰も期待していないんじゃないかな。僕の復活を期待していてください」と毒づく。
さらに蓮實が「大沢選手はテクニックもありますし、K-1準優勝の実績もあるので自分にとっては美味しいだけ。明日はパワーでねじ伏せてKOして、蓮實がタイトルマッチに行くというイメージはできている。見逃さないで欲しいです」と言うと、大沢は「正直、これくらいの選手だったら対策なんてしなくても全然大丈夫です。ただ、ひとつずっと練習していることがあって、ちょうど蓮實選手のようなタイプに当てはまる攻撃かなと思っている。あと、相手は簡単に食えちゃうみたいなことを言ってるけれど、盛り上げるために言うのはいいことだと思う。でも見てると本当に思って言っているんだなと。相当に格闘技IQが低いなって思っているので、その辺も見ておいてください」と挑発を続ける。
しかし、にらみ合いを仕掛けた理由を聞かれると「あれはどれくらい身長が高いか確かめたかっただけなんですよ(笑)。そうしたらこっちを見られちゃったから見ないといけないと思って。俺はぶっちゃけ、めっちゃ怖がっていましたから。僕はビビりなのでかなりビビっていました」と、睨むつもりじゃなかったと笑顔で答える。
蓮實の方は「何とも思わなかったし、興味ないですね。明日のリングで白か黒かはっきりするので楽しみです」と気にならなかったとし、大沢の挑発には「逆に嬉しいですね。大沢選手は知名度もあるし、実績もある選手に言ってもらえるだけ嬉しいです。内心焦っているんだろうなとしか思わないです」とニヤリ。
これを聞いた大沢がマイクを握り、「これは挑発じゃなくて本当に思っていることを言っているだけ」と、さらなる挑発。新生・大沢は何が違うのかを聞かれると「技術も何も変わらない。ただ気持ちが本当に変わった。それだけは思いますね」とした。
「とにかく完全復活。僕は正直、試合でKOを狙ったことは一度もない。ダウンを取ったら逃げる。でも今回は初めてKOを狙って戦おうと思っている。蓮實選手とやるって決まったら周りの評価が全然勝てるでしょうと言われるんですが、勘違いしてほしくない。同じリングに立ったらどっちが上も下も、有利も不利もない。そこは勘違いしないで欲しい」と、KOを狙うとしながらも急に蓮實とは同等だと言い始める大沢。
蓮實のパワーにはカウンターで対抗すると言い、「明日はずっとカウンターを狙うのでお楽しみに。最近は階級が上の選手とばかりやっていたので(パワー負けは)大丈夫です」と大沢が予告すると、今度は蓮實が「カウンターを当ててもらうのが逆に楽しみです。宣言してもらって倒れるような自分じゃない。カウンターにさらにカウンターで返してあげますよ」と挑発。
これで大沢に再度火が付いた。「そんな技術ないでしょう。打ち合うことしかできないでしょう。みんな分かるでしょう、ブンブン振り回しているだけじゃん。あれのどこがカウンターなの。ワンツーも打てなくない? 左フック、右フック、それだけでしょう。格闘技IQ低すぎ!」とまくしたてる。このマシンガントークに蓮實は苦笑いするしかなかった。
蓮實が「まさかってくらい圧倒的なKOで勝つ」と最後に宣言すれば、大沢は「まさかってくらいの泥試合になると思うので、そうならないように頑張ります。あと僕、こんなに言ってますが実は選手としてリスペクトはしているので、それを踏まえた上でぶっ倒します」と、最後までつかみどころのないコメントで締めくくった。