アジア最大のMMA団体である「ONE Championship」は2020年6月15日、7,000万米ドル(約75億円)の追加資金調達を完了し、総資本が3億4,600万米ドル(約371億円)になったことを発表した。同時に世界各地の従業員を20%削減するなど、業務の合理化を発表した。
ONE ChampionshipのグループプレジデントであるHua Fung Teh氏はプレスリリースで、次のように述べている。
「ONE Championshipは、数週間前に既存の機関投資家と新たな機関投資家からの資金調達を完了したことを発表することができ、感激しています。この100年で最悪の世界的な経済危機の中で、このような強い信任を得られたことに感謝の気持ちでいっぱいです。バランスシートに9桁の現金があり、組織が合理化されたことで、ONE Championshipは、今後何年にもわたって、より多くのヒーローと新しい経験で世界中のファンを喜ばせ続けることを楽しみにしています」
新型コロナウイルスの影響により、2020年2月28日のシンガポール大会を無観客で実施したONE Championshipだが、以後全イベントを延期。
開催地がアジア全域にまたがっている為、各国の医療安全、入国管理事情や政府の規制などクリアしなければいけない条件が様々にあるとして、チャトリ・シットヨートンCEO兼会長は、「各国の政府の規制やロックダウン(封鎖)の方針は、それぞれ異なります。その為、全てを稼働させるには少し注意が必要となってきます。しかし、私たちチームは立ち止まることなくこの状況に取り組んでおり、良い状況に向かっていると理解しています」とプレスリリースで語り、延期していたイベントを今夏に再開する計画であることを、6月10日のAP通信の取材で語っている。
早ければ7月末にも再開が検討されているONE Championshipだが、2020年5月末にACRA(会計企業規制庁)に提出された財務報告書では、2018年度の利益としてスポンサーシップ収入や放送収入の大幅な増加とともに多額の損失も計上されているとの報道もある。
今回の新たな資金調達による「9桁の現金」という多額のキャッシュをベースに、世界でのグローバル展開のなかで投資も続けているONEは経営の効率化も図り、「再開が決定次第、今年はできるだけ多くのイベントを開催する予定」としている。