2020年6月13日(日本時間14日)、米国ラスベスのUFC APEXにて、『UFC on ESPN 10:Eye vs. Calvillo』が開催され、フェザー級の注目のカードが行われた。
▼フェザー級 5分3R〇アンドレ・フィリ(米国)145.5lbs/66.00kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×シャルル・ジョーデイン(カナダ)145.5lbs/66.00kg
アンドレ・フィリは、この試合までMMA20勝7敗。長いリーチを生かし、20勝中9つのKO勝利を誇る。2018年にデニス・バミューデスにスプリット判定勝ち後、マイケル・ジョンソンにはスプリット判定負け。2019年には、マイルズ・ジュリーを判定で破ると、シェイモン・モラエスを1R KO。しかしソディック・ユサフには判定負けとランカー相手には黒星を喫している。
対するジョーディンは、MMA10勝2敗のフランス系カナダ人。左右どちらでも戦うことが可能で、これまでの白星で判定決着の無いフィニッシャーだ。カナダTKOフェザー級でベルトを巻き、UFC入り。2018年にマタ・ローを1R KOに下すと、ケヴィン・ゲネレックスをリアネイキドチョーク、アレックス・モーガンをギロチンで極めるなど3連勝。2019年4月にはダミエン・ラピルスも5R TKOに下し4連勝。5月のUFCデビュー戦ではデス・グリーンのテイクダウンに苦しみ判定負けも、12月にはあのチェ・ドゥホを2R、逆転のTKOに下している。
1R オーソドックス構えのフィリ、サウスポー構えのジョーデインは左ミドルから入る。さらに左ミドルのダブルに右ハイを蹴り返すフィリ。左の跳び込みはジョーデイン。ジョーデインの右ジャブも左フックを合わせるフィリ。左前蹴りでストッピングするジョーデイン。フィリも右の蹴りを前蹴り、ハイと蹴り分ける。
ジョーデインの左の蹴りにすぐに右の蹴りを蹴り返すフィリ。
圧力をかけるフィリ。右から左で前に出るジョーデインをステップバックでかわすフィリ。ジョーデインのワンツーハイもかわしてその打ち終わりにフィリは右ミドルを返す。
オーソにスイッチするジャーデイン。サウスポー構えに戻し、後ろ蹴り、さらに左ミドルをフィリの右腕に当てる。さらにジョーデインは左ミドル。左回りでかわすフィリ。
スーパーマンパンチで飛び込むジョーデインの打ち終わりに右を当てるフィリ。ジョーデインのバックフィストは空を斬る。右ローにすぐに右ミドルを打ち返して前に出るフィリ。
フィリの右ハイに左ミドルハイを打ち返すジョーデイン。さらに左オーバーハンドフックでダウンを奪う! パウンドに行くジョーデインに金網で足を効かせると、ジョーデインは中腰で離れる。
立つフィリは、ジョーデインの左ローを掴んでそのままついていってバックに着くと、後方からリフトして崩してテイクダウンして背後からパウンドをたところでブザー。ジョーデインのダウン奪取が光るが、終盤にフィリもテイクダウンからパウンドで盛り返した。
2R、互いに蹴り技がシャープな両者。ジョーデインはオーソにスイッチし右ローをヒット。サウスポー構えに変えて左ミドルは、その打ち終わりに右ハイを返すフィリ。ガードを固め前足に右ローを打つジョーデイン。詰めるフィリは、サウスポー構えにスイッチし左ローも。そこにバックフィストはジョーデイン。ワンツーの打ち終わりに右を打ち込むジョーデイン。
フィリの左ジャブに右ローを前足に合わせにいくジョーデイン。フィリの左ジャブもヒットし始める。サウスポー構えにするフィリ。ジョーデインの右は遠い。詰めての右アッパーはフィリ。ジョーデインの右ローのダブルにはフィリも右ハイを返す。
互いにミドルハイもガード。ジョーデインは左を強振もかわすフィリはジョーデインの左ローを掴んでダブルレッグテイクダウン。ジョーデインも柔術立ちですぐに立つ。左から右を振り押し返すジョーデインをかわすフィリ。クロスラウンドに。
3R、左ストレート、左ミドルと先に攻めるジョーデイン。オーソにスイッチするとフィリも右ハイを返す。右ローを打ち込むジョーデイン。しかしフィリも右ストレートを返すと右ローを当てる。ジョーデインの右バックフィストをかわすフィリ。
フィリの左にカウンターの左でアゴを上げさせるジョーディン! サウスポー構えを選択するフィリは右ハイをブロック上から当てて、右ジャブ、右ストレートのダブルでジョーデインを下がらせる。オーソに戻し右ボディフックを当てるフィリ。
ジョーデインは跳びヒザもしっかりかわすフィリ。左ジャブを突いてからニータップでテイクダウン。背中を見せて立つジョーデインをリフト崩して再び亀にさせる。立ち際に足をかけるまでにはいかず、突き放す。
スタンドへ。ともにサウスポー構えに。ジョーデインの右のダブルをかわすフィリは左フック。ジョーデインも左を当て返す。オーソに変えたフィリは右ミドル。ジョーデインは素早い左インロー。サウスポー構えにして前足を変えたフィリに左ローを突くジョーデイン。さらに右ジャブを当てる。
右ジャブでフィリのアゴを上げさせるジョーデイン。さらに左! ジョーデインの大きな右をかわして組み付くフィリ。しかしここはヒザを突いて突き放すジョーデイン。フィリの左とジョーデインの右が交錯。しかし、ここもタイミングよくダブルレッグテイクダウンはフィリ。サイドを奪うと、背中を預けて立とうとするフィリのバックへ。背後からフィリがパウンドを連打しブザー。
1Rは左オーバーハンドでダウンを奪ったジョーディン。前足に得意の左右ローも効かせたが、蹴り返し、打ち返しもしたフィリは要所でテイクダウンを織り交ぜている。判定はスプリットでフィリが接戦をモノにした。
チェ・ドッホをTKOに下す打撃力を持つジョーデインを総合力で上回ったフィリ。オープンフィンガーグローブでのケージキックを駆使する両者はフェザー級でトップ15にも入っていない。果たして、この両者に日本の選手はどこまで戦えるか。アジア勢ではフェザー級では唯一4位に“コリアンゾンビ”ジョン・チャンソンが入っているのみ。世界ランキングのサイトでは、強豪海外勢との対戦経験がある佐藤将光、ISAOがトップ100に名を連ねている。
試合後、フィリは「判定に納得がいかない。ジョーデインには敬意を払うけど、彼だって俺の勝ちだと言っていたんだ。ただ、ジョーデインは本当にすごかった。彼は活躍する選手だと本気で思っている。次はビッグネームと戦いたい。もう自分が普通のUFCファイターのように見られるのは嫌なんだ」とランカーとの試合を希望した。