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コラム

【2002年6月の格闘技】ボブ・サップのK-1初登場はルール無視の暴走で反則負け

2020/06/14 14:06
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第29回目は2002年6月2日、富山市総合体育館で開催された『K-1 SURVIVAL』より、ボブ・サップ(アメリカ)のK-1デビュー戦。  元NFLのアメリカンフットボール選手だったボブ・サップ(モーリス・スミス・キックボクシングセンター)は、NFLを引退した後にサム・グレコの紹介でK-1にスカウトされて来日。2002年4月の『PRIDE.20』でプロデビュー戦を行い、元リングスの山本宜久(当時は憲尚)を1R2分44秒でKOした。  続く6月2日、今度はK-1でのデビュー戦を中迫剛(ZEBRA 244)と行ったが、右ローを蹴る中迫にサップはパンチを出しながら突進。コーナーへ詰めるとヒジを後頭部へ振り下ろす悪質な反則。さらに倒れた中迫にヒザ蹴りを見舞うというルール無視の行為で減点1に。  中迫のダメージ回復を待って試合再開。だが、サップは中迫を突き飛ばして転倒させると、座った状態の中迫にパンチを見舞う。すぐにレフェリーが試合をストップさせたが、サップの反則行為に怒った中迫は立ち上がるとサップに殴りかかる。  これにサップも応戦して首相撲からのヒザ蹴り、さらに片手でクリンチしてのパンチ連打。レフェリーの制止も効かず、中迫を投げ飛ばすと蹴りを放ち、最後にはフットスタンプまで繰り出す暴走っぷり。角田信朗を始めとするレフェリー・ジャッジ陣が総がかりで止めに入り、中迫のセコンドもリングに飛び込んで大混乱となった。リング上も場内も騒然。  石井館長までもがリングインして両者に割って入り、両手で×印を作って試合終了を宣言。1R1分30秒、中迫の反則勝ちとなった。  試合後のコメントでもサップは「結果として反則で負けたが、試合の流れを見てもらえれば俺の方が十分勝っていたと思う。だからレフェリーも実力の差を感じ取って、ああいう形でストップをかけたと思う。俺としては自分が勝利者トロフィーを担いでリングを降りたという感じだね」と、全く反省の色が見られなかった。
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