2020年6月13日(日本時間14日)、米国ラスベスのUFC APEXにて『UFC on ESPN 10:Eye vs. Calvillo』が開催された。
UFCファイトナイト・ラスベガス 2:アイ vs. カルビーヨ
※UFCファイトパスでライブ配信現地時間2020年6月13日(土)、日本時間14日(日)UFC APEX(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)
【メインイベント】
▼女子フライ級→126.25ポンド契約 5分5R〇シンシア・カルビーヨ(米国)126lbs/57.15kg[判定3-0] ※49-46×2, 48-47×ジェシカ・アイ(米国)126.25lbs/57.27kg ※※アイは体重超過。対戦相手のカルビーヨに報奨金の一部を支払う
メインイベントの女子フライ級戦。アイはフライ級ランキング1位、カルヴィーヨはストロー級の10位。
115ポンドの女子ストロー級では体重超過もあり、今回から125ポンドのフライ級に転向するカルビーヨ。前日計量は126lbs/57.15kgできっちりパスしてきた。所属もチーム・アルファメールからAKAに移籍して臨む。2017年12月にカール・エスパルザに判定負け以降は、ポリアナ・ボテーリョをリアネイキドチョークで極め、2019年2月にコートニー・ケイシーに判定勝ちするなど2連勝。12月にはグラップリングの「QUINTET ULTRA」でダニエル・ケリーのアンクルロックに敗れたものの、MMAではバックからのチョークを得意とするグラップラーでもある。
2試合連続体重超過のアイはバンタム級からフライ級転向後、カリンドラ・ファリア、ジェシカ・ローズ・クラーク、キャスリン・チュケージアン相手に3連勝も、2019年6月にサウスポーのヴァレンティナ・シェフチェンコの左ミドル後の左ハイに2R KO負けを喫した。2019年12月の「UFC245」でパンクラス女王ヴィヴィアニ・アラウージョに判定勝ちも5ポンド体重超過だった。今回も0.25ポンド体重超過(126.25lbs/57.27kg)で報奨金の一部を支払い、試合に臨む。
1R、カルビーヨ、アイともにオーソドックス構え。右ボディストレートから左を振るカルビーヨ。さらに左ハイを当て、右ストレートで詰めるカルビーヨ。アイの連打にはバックステップ。近づけばクリンチボクシングで右を振る。
2R、左ジャブを伸ばすカルビーヨ。さらにヒザ着きながらブルレッグに入ると差し上げようとするアイはヒザ蹴り。しかしカルビーヨはドライブし、小外がけでテイクダウン! 金網際で上体を立てるアイに右足をかけてアイの左ヒザ裏にあてるオタツロックからバックテイクへ! 両足をかけることに成功すると、前方に落とそうとするアイのバックから4の字ロックに。背後から鉄槌を振る。アイが正対したところでブザー。
3R、右ローを前足に当てるカルビーヨ。ワンツーのアイにカウンターの左ジャブを当てる。アイもカルビーヨの入りにワンツーをまとめると、カルビーヨの打ち終わりに右! ここでカルビーヨはニータップからテイクダウン。ハーフからギロチンチョーク狙い、さらにバックテイクし、両足をかけて鉄槌を入れてブザー。
4R、アイの左ローをキャッチしテイクダウン、パスしてサイド。立ち際にバックテイクを奪うカルビーヨだが、アイも正対しスクランブルから立ち上がり前に。スタミナ使ったか、カルビーヨは組み付きを切られる。詰めるアイは右を振る。カルビーヨも右で応戦。
5R、先に中央を取るアイ。左ジャブから右ボディと上下に散らす。しかしワンツーの右が強いカルビーヨ。相打ちで打ち勝つと、右のエルボーも狙う。ジャブの刺し合い。右バックフィストを振るカルビーヨをかわすアイ。詰めるが下がりながらジャブ突くカルビーヨはカウンターのダブルレッグテイクダウン。さらにアイの立ち際にノーアームギロチンも外すアイ。ブザー。
カルビーヨが失ったとすれば4Rと微妙な1Rか。判定は3-0(49-46×2, 48-47)でカルビーヨが体重超過のアイを退けた。
試合後、「短いトレーニングキャンプでこれだけのパフォーマンスができたことに満足している。フィニッシュできなかったことがちょっとがっかりだけど、勝ったのは私。5R戦は初めてだったから、リズムに乗るには時間がかかるだろうと思っていて、1R目はウォームアップに使ったの」と語ったカルビーヨ。
フライ級転向初戦を白星で飾ったことについても、「この2年はスローだった。思っているほど試合ができなかったから、とにかく戦いたい。ナンバーワンコンテンダーをやりこめることは、かなりクレイジーだったわ。ジェシカ・アイに勝利したことで、フライ級のタイトル戦線に躍り出て、新しい階級で活躍し続けたい」と展望を語った。
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一本勝ちヴェットーリがアデサニャへのリベンジをアピール
【セミメインイベント】
▼190.5ポンド契約 5分3R〇マービン・ヴェットーリ(イタリア)186lbs/84.37kg[1R 4分17秒 リアネイキドチョーク]×カール・ロバーソン(米国)190.5lbs/86.41kg ※※ロバーソンは体重超過
イタリアのヴェットーリは、16歳のとき、PRIDEでエメリヤーエンコ・ヒョードルが戦っているビデオを見て、MMAにハマったという。「ヒーローを1人選ばなきゃいけないとしたら、試合を通してオレをこのスポーツに導いてくれたエメリヤーエンコ・ヒョードルだ」と語るほどのPRIDEファンだ。
UFCでは4勝2敗1分け。黒星は現王者のイスラエル・アデサニヤにスプリット判定負け、ランカーのアントニオ・カーロス・ジュニアにも判定負けと上位陣には敗れるも判定まで持ち込んでいる。前戦は2019年10月にUFC2連勝中だったアンドリュー・サンチェスに判定勝ちを収めた。
対するロバーソンはGLORY米国大会で活躍した元キックボクサー。2015年のプロキックボクシングのデビュー戦ではジェロム・レ・バンナからダウンを奪い判定勝ちも、2016年2月の「Glory 27」ではダスティン・ジェコビーに2R KO負け。同5月のマイク・レメイヤー戦でも判定負けと立ち技で連敗した。
2017年にMMAに戻り、「DW's Contender Series 2017」などで3連勝し、2017年11月のダレン・スチュワート戦の一本勝ちでオクタゴンデビュー。これまでセザー・フェレイラと、直前オファーで階級を上げて臨んだグローバー・テイシェイラとの2試合で、いずれも肩固めにより一本負けも、2019年11月の前戦ではローマン・コピロフを相手にカーフキックを効かせてリアネイキドチョークで一本勝ち。UFC4勝2敗と勝ち越している。
しかし、前日計量でロバーソン(190.5lbs/86.41kg)が4ポンド(1.8kg)の体重超過。両者は5月13日の『UFC Fight Night 171: Smith vs. Teixeira』で対戦予定だったが、ロバーソンが2.5ポンド・オーバーの体重超過、さらに体調不良により直前に試合が中止となっていた。今回は試合は予定通り行われるものの、ロバーソンは対戦相手のヴェットーリに報奨金の一部を支払い試合に臨む。
1R、サウスポー構えから左のかけ蹴りも見せるロバーソン。ヴェットーリのシングルレッグにバックテイクを狙うロバーソンだが、ヴェットーリはシングルレッグでテイクダウン。それを跳ね上げてスクランブルから立つロバーソン。そこにギロチンチョークを合わせるヴェットーリ。押し込んで首を抜きサイドを奪うロバーソンだが、足を手繰るヴェットーリに再びテイクダウンを許してしまう。その立ち際でバックを狙うロバーソン。しかし、シングルレッグが強いヴェットーリが上に。
ハーフガードから亀になるロバーソンの腰を抱き、左手でパウンドを連打し、レフェリーの顔を見るヴェットーリ。最後は背後からリアネイキドチョークを極めて、体重超過のロバーソンからタップを奪った。
これでヴェットーリは、MMA15勝3敗1分けに。試合後、ハファエル・コルデイロ率いるキングスMMAに感謝の言葉を述べたヴェットーリは、「6カ月間ハードワークしてきた。試合前にテンションが上がりすぎて泣きたくなったくらいだ。MMAは自分が愛してやまないことだからね。とにかく戦いたかった。いつだって準備万端だったんだ」と、自粛期間も気を緩めず鍛えてきたことを振り返った。
また、UFCデビュー戦でも極めた得意のギロチンチョークで追い込み、キャリア3回目のリアネイキドチョークでの一本勝ちについて、「相手(ロバーソン)は4ポンド体重超過してきたし、自分の方がグラップリングは得意だと言っていたけど、それは俺がテイクダウンを躊躇するように牽制していたから。俺は自分のグラップリングの方が上回っていると分かっていた」とグラウンドでの絶対の自信を語った。
これでUFC3連勝。ミドル級の強豪以外には敗れていないヴェットーリは、「自分が世界一だと思っている。みんな俺を避けようとしているけど誰も俺は超えられない。名を挙げたいんだ。アデサニヤとリマッチ(2018年4月にスプリット判定負け)がしたい。俺たちはもう一度、やらないといけない。この階級で登るためにはランカーとやらないといけないし、俺はそれにふさわしいと思う。すぐにトップ戦線をかき回す存在になってやる」と、上位ランク入りして、現UFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニヤとの再戦の実現をアピールした。
【メインカード】
▼ライト級 5分3R〇チャールズ・ローザ(米国)155lbs/70.31kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×ケビン・アギラー(米国)155.5lbs/70.53kg
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日本のフェザー級ファイターはこの2人とどこまで戦える?
▼フェザー級 5分3R〇アンドレ・フィリ(米国)145.5lbs/66.00kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×シャルル・ジョーデイン(カナダ)145.5lbs/66.00kg
2018年にデニス・バミューデスにスプリット判定勝ち後、マイケル・ジョンソンにはスプリット判定で敗れたフィリ。2019年には、マイルズ・ジュリーを判定で破ると、シェイモン・モラエスを1R KO。しかしソディック・ユサフには判定負けとランカー相手には黒星を喫している。総合力で接戦をモノにする強さをジョーディン相手にも見せられるか。
対するジョーディンは、2018年にマタ・ローを1R KOに下すと、ケヴィン・ゲネレックスをリアネイキドチョーク、アレックス・モーガンをギロチンで極めるなど3連勝。2019年4月にはダミエン・ラピルスも5R TKOに下し4連勝。5月にデス・グリーンのテイクダウンに苦しみ判定負けも、12月にはチェ・ドゥホを2R、逆転のTKOに下している。
1R オーソドックス構えのフィリ、サウスポー構えのジョーデインは左ミドルから入る。さらに左ミドルのダブルに右ハイを蹴り返すフィリ。左の跳び込みはジョーデイン。ジョーデインの右ジャブも左フックを合わせるフィリ。左前蹴りでストッピングするジョーデイン。フィリも右の蹴りを前蹴り、ハイと蹴り分ける。
ジョーデインの左の蹴りにすぐに右の蹴りを蹴り返すフィリ。
圧力をかけるフィリ。右から左で前に出るジョーデインをステップバックでかわすフィリ。ジョーデインのワンツーハイもかわしてその打ち終わりにフィリは右ミドルを返す。
オーソにスイッチするジャーデイン。サウスポー構えに戻し、後ろ蹴り、さらに左ミドルをフィリの右腕に当てる。さらにジョーデインは左ミドル。左回りでかわすフィリ。
スーパーマンパンチで飛び込むジョーデインの打ち終わりに右を当てるフィリ。ジョーデインのバックフィストは空を斬る。右ローにすぐに右ミドルを打ち返して前に出るフィリ。
フィリの右ハイに左ミドルハイを打ち返すジョーデイン。さらに左オーバーハンドフックでダウンを奪う! パウンドに行くジョーデインに金網で足を効かせると、ジョーデインは中腰で離れる。
立つフィリは、ジョーデインの左ローを掴んでそのままついていってバックに着くと、後方からリフトして崩してテイクダウンして背後からパウンドをたところでブザー。ジョーデインのダウン奪取が光るが、終盤にフィリもテイクダウンからパウンドで盛り返した。
2R、互いに蹴り技がシャープな両者。ジョーデインはオーソにスイッチし右ローをヒット。サウスポー構えに変えて左ミドルは、その打ち終わりに右ハイを返すフィリ。ガードを固め前足に右ローを打つジョーデイン。詰めるフィリは、サウスポー構えにスイッチし左ローも。そこにバックフィストはジョーデイン。ワンツーの打ち終わりに右を打ち込むジョーデイン。
フィリの左ジャブに右ローを前足に合わせにいくジョーデイン。フィリの左ジャブもヒットし始める。サウスポー構えにするフィリ。ジョーデインの右は遠い。詰めての右アッパーはフィリ。ジョーデインの右ローのダブルにはフィリも右ハイを返す。
互いにミドルハイもガード。ジョーデインは左を強振もかわすフィリはジョーデインの左ローを掴んでダブルレッグテイクダウン。ジョーデインも柔術立ちですぐに立つ。左から右を振り押し返すジョーデインをかわすフィリ。クロスラウンドに。
3R、左ストレート、左ミドルと先に攻めるジョーデイン。オーソにスイッチするとフィリも右ハイを返す。右ローを打ち込むジョーデイン。しかしフィリも右ストレートを返すと右ローを当てる。ジョーデインの右バックフィストをかわすフィリ。
フィリの左にカウンターの左でアゴを上げさせるジョーディン! サウスポー構えを選択するフィリは右ハイをブロック上から当てて、右ジャブ、右ストレートのダブルでジョーデインを下がらせる。オーソに戻し右ボディフックを当てるフィリ。
ジョーデインは跳びヒザもしっかりかわすフィリ。左ジャブを突いてからニータップでテイクダウン。背中を見せて立つジョーデインをリフト崩して再び亀にさせる。立ち際に足をかけるまでにはいかず、突き放す。
スタンドへ。ともにサウスポー構えに。ジョーデインの右のダブルをかわすフィリは左フック。ジョーデインも左を当て返す。オーソに変えたフィリは右ミドル。ジョーデインは素早い左インロー。サウスポー構えにして前足を変えたフィリに左ローを突くジョーデイン。さらに右ジャブを当てる。
右ジャブでフィリのアゴを上げさせるジョーデイン。さらに左! ジョーデインの大きな右をかわして組み付くフィリ。しかしここはヒザを突いて突き放すジョーデイン。フィリの左とジョーデインの右が交錯。しかし、ここもタイミングよくダブルレッグテイクダウンはフィリ。サイドを奪うと、背中を預けて立とうとするフィリのバックへ。背後からフィリがパウンドを連打しブザー。
1Rは左オーバーハンドでダウンを奪ったジョーディン。左右ローも効かせたが、蹴り返し、打ち返しもしたフィリは要所でテイクダウンを織り交ぜている。判定はスプリットでフィリが接戦をモノにした。
試合後、フィリは「判定に納得がいかない。ジョーデインには敬意を払うけど、彼だって俺の勝ちだと言っていたんだ。ただ、ジョーデインは本当にすごかった。彼は活躍する選手だと本気で思っている。次はビッグネームと戦いたい。もう自分が普通のUFCファイターのように見られるのは嫌なんだ。次はビッグネームと戦いたい」とランカーとの試合を希望した。
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▼バンタム級 5分3R〇ジョーダン・エスピノーサ(米国)135.5lbs/61.46kg[判定3-0] ※30-27×2、30-26×マーク・デ・ラ・ロサ(米国)136lbs/61.69kg
▼女子フライ級 5分3R〇マリヤ・アガポバ(カザフスタン)125.5lbs/56.93kg[1R 2分42秒 リアネイキドチョーク]×ハンナ・シファーズ(米国)125lbs/56.70kg
カザフタンのアガポワは2019年7月の「Contender Series 2019」でトレイシー・コルテズに判定負けも、2019年9月の「Invicta FC: Phoenix Series 2」でアレクサ・コナーズに1R リアネイキドチョークで一本勝ち、続く10月の「Invicta FC 37」でもマリリア・サントスに1R パウンドでTKO勝ちし、UFCデビューを決めた。
対するサイファースは、UFC2勝3敗。コロナ禍のなか、2020年はなんと今回で3試合目で、1月にアンジェラ・ヒルにTKO負け、5月30日にマッケンジー・ダーンのヒザ十字に一本負けしたばかり。
1R、サウスポー構えのアガポワに、オーソドックス構えのサイファース。女子フライ級ながら173cmと身長以上に長い左ストレートをヒットさせるアガポワ。頭を振って中に出入りするサイファースをさばくと、打ち終わりに左も当てる。さらに左右ラッシュを浴びたサイファースは左で差して組み付いて金網に押し込むが、体を入かえヒジを打ち込むのはアガポワ。
サイファースの組みを突き放しワンツーを連打で打ち込む。左を浴びたサイファースが金網に詰まると首相撲&ヒザ。両脇を差して体を入れ替えるサイファースだが、アガポワは突き放す。
左ミドルを当てて左ストレートで前に出るアガポワは、再び首相撲&ヒザ! 両脇を差して頭をアゴ下につけてきたサイファースを小手に巻いてから離れる。左に下がるサイファースを追うアガポワは、左ハイ! 腰から崩れるサイファースに右を連打し、首相撲&ヒザで回してバックへ。スタンドで右手を首に巻き両足をフックして背後に引き込み、リアネイキドチョークでタップを奪った。
一本勝ちしたアガポワは、「とても幸せ。また夢がかなった。ダナのコンテンダーシリーズで負けてから国(カザフタン)に帰らず米国にステイした。そしていまUFCにいる! シェイナ・ドブソン、戦いましょう!」と指名した。
▼140ポンド契約 5分3R〇メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)139lbs/63.05kg[判定3-0] ※30-26×2、30-25×グスタボ・ロペス(米国)140lbs/63.50kg※レイ・ボーグは欠場
▼女子バンタム級 5分3R〇ジュリア・アビラ(米国)135lbs/61.24kg[1R 0分22秒 TKO] ※左右ラッシュ×ジーナ・マザニー(米国)136lbs/61.69kg
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タイソン・ナムがGLORYでも活躍のアダシェフを失神KO
▼138.5ポンド契約 5分3R〇タイソン・ナム(米国)135.5lbs/61.46kg[1R 0分32秒 KO] ※右フック×ザルーク・アダーシェフ(ウズベキスタン)138.5lbs/62.82kg※※欠場したライアン・ベノワの代わりにスクランブル出場のアダーシェフ(138.5lbs/62.82kg)が体重超過。対戦相手のナムに報奨金の一部を支払う。
タイソン・ナムは、ハワイ「Icon Sport」で活躍後、2012年「Shooto Brazil 33」でエドゥアルド・ダンタスに1R KO勝ちし、WSOFに参戦。マルロン・モラエス、コディ・ボーリンガーに敗れた後、「Fight Nights Global」「X1」等で勝ち星を積み上げ、2019年9月からUFC参戦。セルジオ・ペティス、カイカラ・フランスにいずれも判定負けと2連敗中。
対するアダシェフは、試合4日前にライアン・ベノイが欠場したため、スクランブル参戦。バンタム級(135lbsの)から体重超過したため、対戦相手のナムに報奨金の一部を支払い、138.5ポンド契約で試合に臨む。
空道ルールに近いフェイスマスク着用での打撃・頭突き・関節技ありの軍隊格闘術のハンド・トゥ・ハンド・コンバットで王者になった実績があり、2013年にはWKU K-1世界王者、キックでもISKA、WKAのタイトルを獲得するなど16勝3敗。GLORYでも白星を挙げている。2015年6月にMMAデビュー後、3年のブランクを経て2018年からBellatorで3連勝。今回のオクタゴンデビューとなった。
Bellatorでは125ポンドのフライ級で戦っていたアダシェフ。今回は緊急参戦のため、135ポンドのバンタム級契約も、減量が間に合わず体重超過、138.5ポンドでの試合となった。
1R、グッドシェイプのナムに比べ、絞り切れていないアダシェフ。オーソドックス構えのナムとサウスポー構えのアダシェフ。左から右で飛び込むもデフェンスするナム。じりじりと圧力をかけると、押し戻したアダシェフは左インロー。
さらに右を打ちに行くアダシェフだが、そこに鋭い右ストレートはナム! 後方にもんどりうって倒れたアダシェフに右のパウンド1発と同時にレフェリーのハーブ・ディーンが滑り込んで間に入り、失神したアダシェフを抱きかかえた。
ナムは2019年7月のショージン・ミキ戦(X-1)以来の勝利。
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▼ウェルター級 5分3R〇クリスチャン・アギレラ(米国)170.5lbs/77.34kg[1R 0分59秒 TKO] ※左右ラッシュ×アンソニー・アイビー(米国)171lbs/77.56kg
【中止】フェザー級 5分3Rジョーダン・グリフィン(米国)146lbs/66.22kgダリック・ミナー(米国)※※ミナーの健康状態に問題が発生したため中止