(C)ONE Championship
元ONEフライ級ムエタイ世界チャンピオンのジョナサン・ハガティー(英国)が、MMA(総合格闘技)挑戦を6月11日、表明した。
ハガティーは自身のinstagramの動画で「待ってろよ、MMA! 行くぜ」とのコメントから始まるMMAの動きを披露した。
その動画を見た現UFC世界ライトヘビー級王者の(最近、ヘビー級2位のフランシス・ガヌーとの対戦をアピール)ジョン・ジョーンズは、歓迎を示すレイジング・ハンズの絵文字を投稿。ハガティーも「ジョーンズは最高だ」と返答を送っている。
動画でハガティーは、ボクシンググローブを着けて、ワンツースリーの連打でミットを持つ相手を金網に詰めると、ダブルレッグでテイクダウン。左腕を枕に巻いて相手の上体を寝かせてサイドからマウントを奪うと、トップからヒジ打ち連打。
すぐさま相手の右腕を越えて首を手前にひきつけて左足を首後ろに巻くと、同時に左腕をしっかり内側に流して三角絞めの体勢に。その長い左足を右足のヒザ裏にフックさせて、三角に固めたまま下からヒジ打ちを頭部に連打した。
見事なムエタイとMMAの融合。手慣れた動きを見せたジョナサンだが、実は父親のジョンはキックボクサーであり、MMAでも戦っていた選手で、英国ケージレイジで勝利を挙げているトータルファイターだ。
8歳から空手とセミコンタクトキックボクシングを始めたジョナサンに、父ジョンは様々な格闘技を経験させたが、ムエタイが息子のハガティーに最も適していると考え、幼い頃からトレーニングを始めさせた。引退後は息子のキャリアをサポートするためにジム「チーム・アンダーグラウンド」を開いている。
現在、ONEフライ級ムエタイのランキング3位につけるハガティー。今回の動画では手足の長さを活かしたMMAの動きを見せたが、ONEムエタイではオープンフィンガーグローブを着用。ロープのたわみで逃がすことのできない金網に詰めての攻撃、あるいは金網を背にしての首相撲&ヒジの攻防にも長けている。
打撃で高い殺傷力を持つと同時に高い防御力も併せ持つハガティーが、実は組み技&寝技も出来るとしたら……ONEフライ級戦線の選手にとって脅威となるだろう。なぜなら、MMAは“必ず立った状態から始まる”からだ。
▼ONEフライ級 MMA
世界王者|アドリアーノ・モラエス(ブラジル)
1. デメトリアス・ジョンソン(米国)
2. ダニー・キンガッド(フィリピン)
3. カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
4. 若松佑弥(日本)
5. リース・マクラーレン(豪州)
▼ONEフライ級 ムエタイ
世界王者|ロッタン・ジットムアンノン(タイ)
1. パンパヤック ジットムアンノン(タイ)
2. スーパーレック・キアトモー9(タイ)
3. ジョナサン・ハガティー(英国)
4. エリアス・マムーディ(アルジェリア)
5. ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)
偶然か必然か、1月の「ONE:A NEW TOMORROW」でハガティーと再戦し、3RTKO勝ちを収めているONEムエタイフライ級世界王者のロッタン・ジットムアンノン(タイ)も、パートナーのスタンプ・フェアテックスから勧められ、柔術、そしてMMAに取り組んでいることを明かし、MMAの練習の模様をSNSにアップしている。
22歳のロッタンは「ONEムエタイ王座は獲得したから、次のゴールはキックボクシングでベルトを狙うこと。その後、MMAにも挑戦したい。自分を証明したいし、どこまでできるか知りたいんだ」という。
23歳のハガティーもまた、ファンからの「ムエタイから離れないで」のコメントに「それは決してない」と、MMAに挑戦するとしても、立ち技を辞めるわけではないことを記している。
現在、ONEのMMAフライ級世界王者は、2019年1月にジェヘ・ユスターキオ(フィリピン)を2Rギロチンチョークで下したアドリアーノ・モラエス(ブラジル)。モラエスに続き、1位にランクされるのは2019年10月のフライ級グランプリ決勝でダニー・キンガッドを下して優勝したデメトリアス・ジョンソン(米国)となる。世界の強豪が名を連ねるMMAフライ級に、いつロッタンとハガティーは参戦するのか、注目だ。