(C)ARES FC
元世界ミドル級王者で村田諒太とも死闘を繰り広げたアッサン・エンダム(フランス/カメルーン)がMMA転向を表明。フランスの新興MMAプロモーションの「ARES FC」との契約を発表した。
プロモーション動画の中で「ARES FCの目的はアフロヨーロピアンの才能を発掘すること。アッサン・エンダムはその重要な役割を担っている」とフェルナンド・ロペスARES FC代表が語る通り、2004年にカメルーン代表としてアテネ五輪に出場し、フランス国籍を取得しプロキャリアスタートさせたエンダムは、同団体の目玉的な存在だ。
MMAデビューに向けて現在、UFCで3連勝中のシリル・ガーヌ(フランス ※写真下)と練習を積んでいるが、動画を見る限りでは、組み技を含めた本格的なMMAのトレーニングはこれからといった様子。
アウトボクシングを得意とし、スピードを生かした豊富な手数、サイドステップから角度をつけたパンチを武器にするエンダムだが、MMAではその打撃をレスリングの組み技やタックル、グラウンドと融合しなければならない。
スタンドでの遠目の距離や、オーソドックス構えから左の飛び込むフック、さらに右の強打は、MMAでも威力を発揮しそうだが、蹴ってくる相手やテイクダウンプレッシャーもあるなかで拳を当てるためには、その耐性が必要となってくる。
柔らかな上体・足腰から上下のレベルチェンジも見せているエンダムのMMAの打撃へのアジャストに期待がかかるが、36歳から取り組むMMAは、42戦37勝(21KO)5敗の元ボクサーにとって、大きな挑戦となりそうだ。
エンダムは、2017年10月の村田諒太との再戦で、7回終了時TKO負けとなりWBA世界ミドル級王座から陥落後、2018年12月の約1年2カ月ぶり復帰戦でマーティン・マレーに判定勝ちしWBCシルバータイトルを獲得したが、2019年6月のWBA世界スーパーミドル級タイトルマッチでカラム・スミスに3R TKO負け。同年12月に元WBA世界スーパーミドル級スーパー王者のヒョードル・チュディノフと対戦し、12R 判定負けを喫していた。
ボクシングでは72kg~76.2kgで戦っていたエンダムが、MMAでどの体重で戦うかは不明だ。
UFC Fight Passにより世界に配信される同団体は、第1回大会をセナガルのミュージアムオブブラックシビライゼーションズで開催。メインでは、UFC登竜門番組である「TUFシーズン28」のヘビー級1回戦に登場したジョシュ・パリジアン(米国)が、南アフリカの団体「EFC Worldwide 80」等で活躍してきたマトゥンガ・ディカサを(コンゴ)マウントからのパウンドで下している。
また、「ARES FC」は第2回大会に向け、元UFCファイターとも続々、契約をかわしており、元Bellator世界ライト級王者でもあるウィル・ブルックス、ウィルソン・ヘイス、エリック・シェルトン、ファン・アダムス、ダニーロ・ベラルドらの参戦を発表するなど、精力的なスカウト活動を続けている。
第2回大会は、当初4月3日にベルギーで開催予定だったが、新型コロナウイルスの影響で10月30日(日本時間31日)に延期となっている。