UFCとアブダビ文化観光省が、2020年7月11日(日本時間12日)から25日(同26日)にかけてUAEアブダビのヤス島で「UFC 251」と3つの「UFCファイトナイト」を開催することを6月9日(同10日)、発表した。
「“ファイトアイランド”は本物で人里離れた場所ではありません」と米国で報じられたアブダビ・ヤス島での開催。
アブダビで最大の自然島(25平方キロ)の一つであるヤス島は、アブダビが進める海外観光客誘致政策の一環として、大規模な開発計画が行われているレジャー・アイランド。海岸線のヨットハーバー周辺に、高級ホテル、スポーツ施設などが建設され、2009年よりF1のアブダビグランプリが開催されているヤス・マリーナ・サーキット等が併設されている。島外とは高速道路で結ばれており、アブダビ国際空港から車で10分ほどで訪れることができる。
同地では、2019年9月7日に「UFC 242」が開催されており、メインでハビブ・ヌルマゴメドフがダスティン・ポイエーを3R リアネイキドチョークで下しUFC世界ライト級王座の防衛を果たしている。また、日本の佐藤天が出場したことでも知られる。
【写真】2019年9月7日にアブダビのドゥ・アリーナで開催された「UFC 242」に出場した佐藤天(C)On The Road Management
ダナ・ホワイトUFC代表は、プレスリリースで「アブダビは過去10年間に渡って戦いが繰り広げられた、イベントに最適な素晴らしい場所だ。我々はアリーナ、プライベートトレーニング施設、そして島のオクタゴンなどのインフラを整備した」と語り、ESPNの取材に「最も難しいのは、世界の他の場所から人々をアブダビに入れることだ」と明かしている。
アブダビ文化観光省によれば、同地はセーフティゾーンとなっており、これまで米国フロリダやラスベガス「UFC APEX」で開催された無観客大会同様に、関係者のみが滞在することになる。
現在のところ、7月11日に「UFC251」、15日、18日、25日に「UFC Fight Night」の開催が決定。
PPV大会となる「UFC251」のカードは正式発表されていないものの、3大王座戦の実施が報じられており、UFC世界ウェルター級選手権試合として王者カマル・ウスマン(ナイジェリア)vs.挑戦者ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)、UFC世界フェザー級選手権試合・王者アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)vs.挑戦者マックス・ホロウェイ(米国)、UFC世界バンタム級王座決定戦・ピョートル・ヤン(ロシア)vs.ジョゼ・アルド(ブラジル)が予定されている。
また、2020年1月にRIZINからUFCへと移籍したイリー・プロハースカ(チェコ・26勝3敗1分)が「UFC251」でオクタゴンデビューし、UFC世界ライトヘビー級ランキング6位のヴォルカン・オーズデミア(スイス・16勝4敗)と対戦すると、ESPNのブレット・オカモト記者が報じている。
現実のものとなった「UFCファイトアイランド」。UFCのESPNでの放送は、PPVを含む独占権によって7億5千万ドルが保証されており、年間42大会を行うのが契約上の条件となっている。
米国では、無観客大会が許可されたフロリダから、ラスベガスのUFC本社に隣接する最大2千人収容のイベント施設に移り、スタジオマッチを実施してきたUFC。インフラを整えたというアブダビ開催でのメリットはどんなところに現れるか、今後の大会で見えてくるだろう。