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キックボクシング
コラム

【1996年6月の格闘技】竜虎再び相まみえる、吉鷹弘と港太郎が3年ぶり再戦でまたも大激闘

2020/06/09 16:06
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去6月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。第19回目は1996年6月2日、東京・後楽園ホールで開催されたMA日本キックボクシング連盟『CHAMPION CARNIVAL』より、吉鷹弘(大阪ジム)vs港太郎(港山木)の大激闘。  後楽園ホールがこれほどまでに沸いたのは、1995年1月29日の新妻聡vsハンマー松井戦以来だろう。なにしろ3分5Rのほぼ全ラウンドを通して、観客の“ワーッ”や“オーッ”といった言葉にならない歓声が止むことがなかったのだ。  好試合になることは、ある程度予測できた。3年前の1993年3月20日に行われた初対決も、前半は港が優勢。後半に吉鷹が逆襲に転じる展開で満員のファンを唸らせる名勝負となっていたからだ。  あれから3年…当時と2人の状況は大きく変わっている。港は主戦場をタイへと移し、殿堂ルンピニースタジアムで現役ランカーのサジットカーンをKOに下した。一方、吉鷹は1994年11月22日に大江慎との歴史的死闘で負った左足前十字靭帯断裂により、復帰戦後の2戦は吉鷹の試合とは思えない内容となってしまった。  吉鷹はその靭帯の不安をなくすために、鉄パイプで負傷個所を腫れあがるまで叩いたという。靭帯は完全に治っているんだ、俺は大丈夫なんだ――自分にそう言い聞かせながら自分の身体を苛め抜いた。傍から見れば“狂気”の沙汰である。  リングに上がった吉鷹は2度、3度と大きくジャンプを繰り返した。この時、吉鷹は“大丈夫、蹴れる”と確信したという。常識ではない“狂気”で恐怖心を克服したのだ。  そして迎えた3年ぶりの再戦。好勝負などという言葉だけでは語れないほどのスリリングな試合展開になった。  まず、吉鷹が2Rに右アッパーからの左フックでダウンを奪った。致命的になりかねないほどのダウンだったが、港は立ち上がってこのラウンドを生き残る。場内は港のホームリングであるにも関わらず「吉鷹コール」一色に染まった。(写真)試合が終了すると、港は「全てを出し切った」満足感から男泣き 港も吉鷹の気持ちに応えるように、右ハイと左ストレートで必死の抵抗。3R終了時には“やるな”とばかりに吉鷹のボディを叩き、4Rには右フックからの右ヒジでダウンを奪い返した。  最終5Rはどちらが倒れてもおかしくない、見る者によって優劣の分かれる展開で終了。「全てを出し切った」港はリング上に跪いて男泣き。吉鷹も久々の笑顔を輝かせる。判定は3年前と同じドローとなったが、2人は不満を口にしなかった。勝敗よりも素晴らしい“何か”をつかみとったのだろう。観客もまた見応えのあったフルラウンドに大きな拍手を送った。
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