2018年2月4日「PANCRASE 293」でのフライ級キング・オブ・パンクラス・タイトルマッチで若松佑弥にTKO勝利後、2019年3月の日本大会でONE Championshipデビューを果たした“激闘男”仙三こと池田仙三。
両国でのフライ級GP一回戦は緊急出場だったものの、若松佑弥、和田竜光を下していたダニー・キンガッド(フィリピン)とタフファイトを繰り広げ判定負け。
所属をFREEDOM@OZからパラエストラ千葉ネットワークに移し、怪我の治療を経て、2019年10月に、ONE WARRIOR SERIESで3連勝をマークしていたたリト・アディワン(フィリピン)と対戦し、キンガッドと同門のチームラカイのアディワンに、1R右腕脱臼によるTKO負けを喫した。
「ONEでは本来の戦いが出来ていない。このままでは終わらせられない」と闘志を燃やす仙三に電話取材した。
仙三は現在、怪我も回復しベストの状態に戻す練習をしているという。
「昨年の怪我から回復し、対人練習を始める頃にコロナの時期に入りました。今までやらなかったベンチや器具を使った練習をし、落ちた筋肉を戻そうとしています。長距離や坂道ダッシュなど日々メニューを変えながら、スタミナも上げています。今は一から身体を作り直しています。そうでないと、ONEでは勝てませんからね」
コロナ禍の中、ONEの王者になりたいという気持ちが強まったという。
「昨年の怪我や結果で気持ちの波があったんです。モチベーションが上がったり、下がったり。悩んだりしました。その中でコロナがあった。『こうなったら何が何でもやるしかない。これに賭けるしかないんだ』──そう考えるようになりました。ONEでは2連敗。もう勝たないと後が無い。そしたら、格闘技を始めた頃の気持ちになれた。ゼロの気持ちになった事で、むしろONEでチャンピオンになれると自信が湧いたんです」
ONE Championshipで戦うのは、「世界のトップと戦いたいと思っていました。応援してくれる仲間や家族の為に、“世界チャンピオン”になりたい。やっぱり勝った姿を見せたい」から。
「『仙三だったら、必ず世界チャンピオンになれる』と昔から言ってくれる仲間が沢山いるんです。ダメかなと思った時も、その言葉を思い出して諦めず戦ってきたから。その期待に応えたいです」
大会を再開したONEではアディワンとの再戦を強く意識しているという。アディワンは、仙三戦後の2020年1月にもタイのポンシリ・ミートサティートをキムラで極めて一本勝ちするなど頭角を現している。
「負けが続いたので、次は絶対に勝たないといけないと思っています。アディワンは将来、チャンピオンになる器。自分がチャンピオンになるには避けて通れない相手なので、必ず対戦するはず。次に対戦したら、打撃戦に持ち込み、相手の打撃を掻い潜りながら拳を当てて、アディワンの心を削って勝ちたいです」
現在37歳とベテランの域にいる仙三は現役での戦いのリミットをどのように考えているのだろうか。
「今年(2020年)の9月に38歳になります。ここまできたから、今は振り切った気持ちになっている。40歳までにはONEの頂点に、チャンピオンになります。でも、まだ自分の戦いが出来ていないので。まずは自分の本来の戦いを見せて、ONEに認められるようにします。だから、次は絶対に勝ちます」
コロナ禍を充電期間とし、心身ともに復活した仙三の激闘が見れる日は近い。