MMA
コラム

【2004年5月の格闘技】須藤元気vsホイラー・グレイシー、BJ・ペン、リョート・マチダ参戦と豪華だったK-1 MMA

2020/05/31 14:05
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。41回目は2004年5月22日、さいたまスーパーアリーナで1度だけ開催されたK-1の総合格闘技大会『ROMANEX 格闘技世界一決定戦』を振り返る。  K-1の総合格闘技大会として1度だけ開催された『ROMANEX 格闘技世界一決定戦』。PRIDEとの協力体制が途切れたために旗揚げされたもので、当初はPRIDE GP開幕戦(4月25日)に出場する予定だったザ・プレデター、ドン・フライ、そして前年大晦日にPRIDEで引退試合を行ったゲーリー・グッドリッジがROMANEXに参戦。  さらには日本人ヘビー級エースの藤田和之までもが参戦することになり、両団体の対立は浮き彫りとなっていた。  旗揚げ戦のラインナップには、豪華な顔ぶれが並んでいる。オープニングファイトに出場したアントニー・ハードンク(オランダ)は2006年から2009年までUFCに参戦。第2試合には後にUFC世界ライトヘビー級王者となるリョート・マチダ(当時のリングネームはLYOTO)、第4試合にはジョシュ・バーネット(アメリカ)が出場。  第5試合では須藤元気(ビバリーヒルズ柔術クラブ)とホイラー・グレイシー(ブラジル)が激突、第6試合にはUFCで二階級制覇を達成したBJ・ペン(アメリカ)が2010年から2012年までUFCに参戦するドゥエイン・ラドウィック(アメリカ)が対戦した。  旗揚げ戦の試合を振り返っていこう。  第2試合に出場したLYOTOはK-1ファイターのサム・グレコ(オーストラリア)との対戦。グレコは2001年の大晦日に佐竹雅昭と初のMMA戦を行い、2004年3月の2戦目ではリアネイキドチョークで一本勝ち。3戦目でのLYOTO戦となった。LYOTOはデビュー以来4連勝中。  試合はグラウンドで優位に立つRYOTOが何度も腕十字を狙うが、グレコはそれを全て凌ぐ。しかしグレコもスタンドで決定打を与えることができず、LYOTOが判定2-1のスプリットで勝利した。  第3試合は引退を撤回したグッドリッジがレスリングをバックボーンに持つプロレスラーのザ・プレデターと対戦。左フックの連打でダウンを奪ったグッドリッジが、倒れたプレデターに上からパンチを落とし続けると1R1分22秒、レフェリーが試合をストップしてKO勝ち。  第4試合にはジョシュが登場。MMAとキックボクシングの二刀流で、安田忠夫を2度にわたってKOして名を売ったレネ・ローゼ(オランダ)を迎え撃った。ジョシュがマウントを奪いパウンドを打って行くと、ローゼはローブの外へエスケープ。しかしジョシュはお構いなしにパウンドを浴びせ続け、1R2分15秒、KOの圧勝。  第5試合では須藤元気が念願だったホイラー・グレイシーとの対戦を実現させ、下になったホイラーが頭を起こした瞬間、須藤が顔面へヒザ蹴りをぶち込み、そのままパウンドの連打を浴びせて1R3分40秒、KO勝ちした。  第6試合には大物のBJ・ペンが登場。ラドウィックが得意な打撃には付き合わず、タックルを仕掛けてテイクダウン。すぐさまマウントを奪い、パンチを落としながら肩固めへ移行すると、1R1分45秒、ラドウィックは何も出来ぬままタップアウト。UFC王者の貫禄を見せつけた。  第7試合のドン・フライ(アメリカ)vs中尾芳広(フリー)は、中尾がタックルに入った瞬間に頭がぶつかり、フライが右目上から流血。その傷が深く1R1分21秒でノーコンテストとなった。  第8試合では新日本プロレスの中邑真輔がMMAに挑戦。これが5度目のMMAとなる中邑は2003年大晦日に対戦して無効試合となっていたK-1ファイターのアレクセイ・イグナショフ(ベラルーシ)との再戦に臨み、サイドを取った中邑が上から右前腕を喉に押し付けると、イグナショフはあっさりとタップした。2R1分51秒、一本勝ちした中邑はこれが最後のMMAの試合となった。
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