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コラム

【1996年5月の格闘技】アンディ・フグが再延長戦にもつれ込む大接戦でホースト破る

2020/05/20 12:05
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去5月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。24回目は1996年5月6日、神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 GRAND PRIX決勝戦』から、アンディ・フグ(スイス)vsアーネスト・ホースト(オランダ)の再延長戦までもつれ込んだヘビー級トーナメント準決勝。  4度目の開催となったヘビー級トーナメント『K-1 GRAND PRIX』の準決勝は、準々決勝でバンダー・マーブを秒殺KOしたアンディとミルコ・タイガーをKOしたホーストで争われた。  両者は前年7月に初対戦しており、この時は判定2-0でホーストが勝利。しかし、内容的にはホーストのプレッシャーの前にアンディは対抗する策を見つけられぬまま、ロープを背にする場面が多く、実際には採点以上の実力差が感じられた。今回も戦前の予想ではホースト有利の声が多かった。  1R開始からアンディは左ローでホーストの右奥足を狙い撃ち。ホーストは右ハイ、軽く押し込むとアンディの首をつかんでのヒザ蹴りを連打する。クリンチで逃れるアンディは、離れると左ローから左ストレート、右フックを返すなど手数では負けていない。  2Rも両者ローを蹴り合い、ホーストが首相撲からのヒザ蹴りでペースを握ったかに思えたが、前に出るホーストにアンディは左右フック。パワーのあるアンディのフックにホーストはガードしていても再三バランスを崩して印象が悪い。  3R、ホーストの右ローでアンディの左足もダメージが見え始めるが、アンディはホーストをロープに押し込んでの右ストレート、左フックでホーストをふらつかせ、一進一退のまま本戦は終了。判定は三者三様のドローだった。  延長戦になるとアンディの右ローが決まりだし、接近戦でのパンチの打ち合いはホーストの手数が目立つが、アンディの重い一発一発もホーストの連打に引けを取らない破壊力がある。  延長戦はまたもドローで再延長戦へ。左ローと接近しての左右フックに攻撃を絞ったアンディに対し、ホーストは首を掴んでの左ロー、ヒザ蹴り攻撃に終始。中盤の打ち合いはホーストが従来のコンビネーションを発揮したが、アンディも一発に力のこもったパンチを返して反撃する。  何度ロープを背にしてもアンディは一発を狙い、ホーストは決定打を放つことはできないまま終了のゴング。最後の延長戦となる5R目の判定は2-1のスプリットでアンディの勝利が告げられた。  試合後、ホーストは「2回目の延長Rは自分の勝ちだったと思う」と判定に不満を漏らしたが、アンディは「3、4Rは私が取っていた。そこで終わりのはずだったと思っている」と最終延長戦を待たずして自分が勝っていたと主張。なお、この試合を見ていたアーツは「3、4Rはアンディ、5Rはホーストが取った」と評した。
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