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【UFC】アリスターが流血もハイキックから大逆転勝ち、ガデーリャがヒルとの接戦制す

2020/05/17 13:05
 2020年5月16日(日本時間・17日)、米国フロリダ州ジャクソンビル・ヴィアスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナにて、「UFC Fight Night: Overeem vs. Harris」が「無観客大会」として行われた。  世界で新型コロナウイルスが感染拡大するなか、“社会生活を維持するうえで必要な事業”として開催を認めたフロリダで、感染防止策を施した上で「必要最低限の関係者」のみで、5月に3大会連続開催のトリとなった今大会。  セコンドを含めたケージサイドはすべてマスク着用のなか、リングアナのブルース・バッファーもコール後は黒の「UFCマスク」を着用。勝者と「グータッチならぬ「ヒジタッチ」でエールをかわす場面も見られた。  また、メインイベントでは、継娘を誘拐され失ったウォルト・ハリスが、2019年11月大会の欠場以来の復帰戦でアリスター・オーフレイムと対戦。ランク上位のアリスターをKO寸前まで追い込みながら、逆転のハイキックからTKO負けを喫し、試合後に周囲に涙ぐみながら感謝の言葉を述べると、スタッフたちから拍手が送られた。  なお、ビザ問題で欠場が噂されていた中国のソン・ヤードンも予定通りマルロン・ヴェラ(エクアドル)と対戦している。  UFCは今後、5月30日(日本時間・31日)に「UFC Fight Night: Woodley vs. Burns」を予定。さらに、6月6日には、UFC女子世界フェザー級王座戦 アマンダ・ヌネス(ブラジル)vs.フェリシア・スペンサー(カナダ)をメインとする「UFC 250」の開催も発表しており、どの場所で実施となるか。  当初、企画されていたダナ・ホワイトUFC代表が個人所有しているファイト・アイランドでの大会も「現在、準備中」とされており、今後のUFCの動向が注目される。 ▼ヘビー級 5分5R〇アリスター・オーフレイム(オランダ)114.99kg[2R 3分00分 TKO] ※パウンド×ウォルト・ハリス(米国)119.98kg  メインイベントは、ヘビー級8位のアリスター・オーフレイム(オランダ)と、9位のウォルト・ハリス(米国)の対戦。  アリスターは日本のRINGS、PRIDE、DREAM、K-1で活躍し、K-1とDREAMの両方で王者になる快挙を達成。UFCには2011年12月から参戦し、ブロック・レスナーやロイ・ネルソン、マーク・ハント、ファブリシオ・ヴェウドゥムらに勝利。戦績は45勝18敗で23がKO、17が一本勝ち。  再起戦のアリスターは39歳の大ベテラン。前戦は2019年12月にジャルジーニョ・ホーゼンストライクを相手に優勢に試合を進めたが、残り10秒でパンチを受けダウン。唇が縦に割けたため、レフェリーがKO負けを宣言しており、アリスターにとっては不運な敗戦となった。  ハリスはバスケットボール出身で2011年にMMAデビュー、2013年11月にUFC初参戦を果たすも連敗してリリースされ、2014年11月に復帰。現在無効試合を挟んで3連勝中。戦績は13勝7敗で勝利は全てKO勝ちだ。  1R、サウスポー構えのハリスにオーソドックス構えのアリスター。圧力をかけるハリスに右の後ろ蹴りを放つアリスター。しかしハリスは右から左のビッグショットをヒット! ダウンしたアリスターに鉄槌連打。アリスターは、スイッチから立ち上がるが、顔面から大出血。ハリスのラッシュにガードを固めて下がるが、金網際で体を入れ替えテイクダウン! サイドを奪うとニアバックマウントで背後からハリスにパウンドを打ち込む。  パワーを使ったハリスは息遣いが荒い。立ち上がろうとヒジをマットに着くハリスの下の手を背後から縛り、固定してパウンドを打つアリスター。ハリスはパウンドを浴びながらも金網を背に立ち上がったところで、激しい1Rのホーンが鳴った。  2R、ガスを使った1Rから互いに慎重となる立ち上がり。右インローはアリスター。さらに今度は右ハイを当てると、下がったハリスに左フック、右アッパー! ダウンしたハリスに背後からパウンド! 亀になり動けないハリスにアリスターは足を差し入れて体を伸ばすと、うつ伏せになったハリスは頭を抱えて防御するが打たれるままに。長い時間見たレフェリーだが、試合を止めた。  試合後、ハリスとハグをかわしたアリスターは「集中するだけだった。長いキャンプだったけどチームといいコラボレートができた。1Rに出血したけど、この試合は5Rだったから。またタイトルショットに戻りたい」とマイク。  一方、2019年11月にアリスターと対戦予定も継娘の誘拐事件に遭い欠場、今回が事件後の初戦となったハリスは、周囲のサポートに涙ぐんで感謝の言葉を述べ、オクタゴンを後にした。 ▼女子ストロー級 5分3R〇クラウディア・ガデーリャ(ブラジル)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×アンジェラ・ヒル(米国)  王座挑戦経験もあるクラウディア・ガデーリャ(ブラジル)と、現在3連勝中のアンジェラ・ヒル(米国)の対戦。  1R、ともにオーソドックス構え。左ジャブから突くヒルにカウンターを狙うガデーリャ。右ボディフックのガデーリャは左レバー打ちも。ヒルの左右に両脇を差して金網に押し込むガデーリャだが、ヒルも金網背に右を小手に巻き左を差し返しに行く。しかしガデーリャは逆に振ってテイクダウン! そのままサイドを奪うと、ヒルは金網まで這ってケージウォークからシングルレッグで立ち上がる。その片腕を腹固めに捕えようとするガデーリャだが、ヒルは腕を抜き立ち上がりホーン。ガデーリャのラウンドに。  2R、ボディを突くガデーリャにアッパーを狙うヒル。しかしガデーリャはフックを強振する。ヒルのジャブに右目から出血するガデーリャ。左を振るがそこにヒルは右ストレート! ガデーリャはダウン! すぐに立ち上がるが、詰めるヒルは右アッパーを当てる。シングルレッグに入るガデーリャを切るヒル。右を振るとそのカウンターで脇を差しに行くガデーリャだが、金網際でヒルは体を入れ替える。  ヒルの左に右を合わせに行くガデーリャ。ヒルも左右ボディから顔面と散らし右のスーパーマンパンチも。続いてヒルが左前蹴り、左ハイ、左ヒザと蹴りをまとめたおころでホーン。ヒルのラウンドに。  勝負の最終ラウンド。3R、ニータップを混ぜるガデーリャに切るヒルは右ボディ、左フック。ガデーリャは右のカーフキックを返す。ジャブの刺し合いはヒルが優勢。しかしガデーリャもヒジ打ち、右ストレートを返す。左ジャブを突き、ガデーリャのパンチをスウェイでかわすヒル。左フックの相打ち。ヒルは左ミドルハイをガードの上に当てると、ガデーリャも右フックを返し、右ストレートにヒルはバランスを崩す。右目周辺から出血が多くなるガデーリャ。右で差して押し込むが、ヒルも左ヒジを張って突き放し。しかしガデーリャは離れ際に右ヒジをヒット! ヒルは左の蹴りを返したところでホーン。  一進一退の攻防の判定は、2-1でガデーリャが勝利。接戦を制したガデーリャは、3連勝中のカーラ・エスパルザとの対戦をアピールした。 ▼フェザー級 5分3R〇ダン・イゲ(米国)[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×エジソン・バルボーサ(ブラジル) ▼ミドル級 5分3R〇クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)[判定3-0] ※30-27、29-28、29-28×エリク・アンダース(米国) ▼バンタム級 5分3R〇ソン・ヤードン(中国)[判定3-0] ※29-28×3×マルロン・ヴェラ(エクアドル) ▼ウェルター級 5分3R〇ミゲル・バエザ(米国)[2R 0分18秒 KO] ※左フック×マット・ブラウン(米国) ▼ミドル級 5分3R〇ケヴィン・ホランド(米国)[1R 0分39秒 TKO]×アンソニー・ヘルナンデス(米国) ▼フェザー級 5分3R〇ジガ・チカズ(ジョージア)[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×マイク・デイヴィス(米国) ▼フェザー級 5分3R〇ネイト・ランドヴェール(米国)[判定3-0] ※30-27×2, 29-28×ダレン・エルキンス(米国) ▼女子フライ級 5分3R〇コートニー・ケイシー(米国)[1R 3分36秒 腕十字]×マラ・ロメロ・ボレッラ(イタリア) ▼ヘビー級 5分3R〇ホドリゴ・ナシメント(米国)[2R 2分05秒 リアネイキドチョーク]×ドンテイル・メイス(米国)
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