2020年3月22日の『K-1 WORLD GP 2020 JAPAN ~K'FESTA.3~』で、vs日本人無敗の最強挑戦者ジョーダン・ピケオー(オランダ)をテクニックで翻弄して3度目の防衛に成功。改めてそのテクニシャンぶりでファンを驚かせたK-1 WORLD GPウェルター級王者・久保優太(サラバニアファミリー)。
その久保がK-1 JAPAN GROUPの公式YouTubeチャンネルで始まった新企画『○○が選ぶ他選手ベストバウト』の第1回に登場。この企画はK-1&Krushの試合の中から、K-1ファイターが自分以外のベストバウトを選び、その試合について語るというもの。
「K-1で一番の分析家とファンの方から言われている」分析家王者・久保が選んだのは、2011年4月30日の『Krush初代王座決定トーナメント』で行われた野杁正明(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)vs“狂拳”竹内 裕二(菅原道場)の一戦。
久保がこの試合を選んだ理由は「ダブルノックダウンがあった」から。両者がほぼ同時にパンチを放ち、同時にダウンするダブルノックダウンは非常に珍しく、数年に一度見ることができるかできないかのシーンだ。
優れた分析眼でこの試合を最初から解説していく久保。そして今回のメインテーマであるダブルノックダウンのシーンへ。
左フックがほぼ同時にヒットし、弾け飛ぶように左右へダウンする両者。野杁が先に立ち上がり、竹内が遅れて立ち上がる。再び打ち合いとなってまたも両者が同時に左フックを放つが、今度は竹内の左が先にジャストミート。野杁がバッタリと倒れる衝撃KOの試合となった。
(写真)ほぼ同時にパンチが当たり、両者同時に倒れるダブルノックダウン(K-1公式YouTubeチャンネルより)「鉄壁のガードで凄い有名」な野杁がなぜダブルノックダウンのパンチを喰らってしまったか。久保は「いろいろな指導者のセオリーでボディを打って左フックを返す練習方法をやっているジムさんが多いんです。その技術も大事なんですけれど…」と、説明を開始。
「相手がボディを打ったのに対し、ボディの打ちやすくて左フックの打ちやすい距離にいてしまっては結局同時打ちになっちゃうんで、そうなると“いっせーのせ”の状態になっちゃう。必ずカウンターを打つ時は起点をずらす。左フックなら必ず右に起点をずらして打つ」と実演して見せる。
野杁と竹内は足を止めて左右フックで打ち合い、竹内が右ボディから左フックを返してきたところで野杁がカウンターを取ろうとして左フック。頭の位置が動いていなかった野杁も竹内の左フックを浴びる結果となってしまった。
この「カウンターを出しているはずの選手がカウンター返しをもらってしまった」ことは久保自身もあり、その試合ケースを紹介している。