世界中が注視した無観客大会のメイン後、会見に臨んだ暫定王者ゲイジー。(C)UFC/Getty
2020年5月9日(日本時間10日)米国フロリダ州ジャクソンビルのヴィアスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナにて「無観客大会」として行われた『UFC 249』のメインイベントとセミファイナルで勝利した王者らが試合後、会見に臨んだ。
ライト級暫定王者決定戦として、12連勝中だったトニー・ファーガソン(米国)を5RにTKOに下したジャスティン・ゲイジー(米国)は、死闘を終えた直後、オクタゴンのなかで、「(ファーガソンのレフェリーストップは)彼も死ぬ覚悟で来ているから残念だろう。僕も同じように死ぬ覚悟でここに来ている。オクタゴンにはそういう気持ちで来ているんだ。慈悲もない。でも、いい人間になるために、家族のために働き、社会奉仕もしているんだ」と、コロナ禍で厳重注意のなか、タイトルマッチを終えた感想を語っていた。
バックステージで暫定王者は、「(勝利に)浸る時間がなかったよ。とても良い夜だった。この試合を見るのが待ちきれないよ。僕は本当に僕のスキルを信じていたし、コーチと過ごした素晴らしい時間を信じていた。大きな挑戦だったから、今とても幸せだよ。家に帰って家族に会うのが待ちきれない。僕はどれほど人々をハッピーで気持ちよくさせたか知っている。オクタゴンに足を踏み入れたとき、どんな期待もしていなかった。ただ自身のベストを尽くし、良い夜になった」と、長いキャンプを経ての戴冠に、一刻もはやく家族と再会したいと安堵の表情。
続けて、「僕の動きのタイミングやコーチも信じられないほど良く、僕にとってインクレディブルな夜になった。これが僕が生まれ育った道だ。人生は一度きりだけど、最高にクレイジーな人生を生きている。勝っても負けても、僕はその挑戦を待ちきれない。100%の力を出し切って、地獄のような時間を過ごしたいと思っている」と、王座統一戦に向けての覚悟を語った。
無観客の会場でもマイクに向かって、「アメリカを代表して戦った。ロシアも強いけど、彼以外に戦う相手はいない」と正規王者ハビブ・ヌルマゴメドフとの対戦をアピールしていたゲイジー。「ファイト・オブ・ザ・ナイト」と「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」をダブル受賞し、7試合連続9度目のボーナスを獲得した勝者は痛めた左手のグローブを外し、「こんな手でごめんね。神と両親に感謝したい。彼らが僕に見本を示してくれた、導いてくれたから今の僕がある」と感謝の言葉を述べている。
異常なタフさを誇る難敵ファーガソンを相手に“やりすぎゲイジー”から、的確に打撃を当ててダメージを蓄積させるなどクレバーな姿を見せた暫定王者。強力なレスリングを誇る正規王者を相手に、この進化はいかに作用するか。注目だ。
В этом спорте и особенно в этом весе всегда будут голодные львы, которые будут тебе дышат в спину, если ты расслабишься то тебе конец. Одни уходят и другие приходят, тут нечему удивляться.
— khabib nurmagomedov (@TeamKhabib) May 10, 2020
Но я раньше выстрела не упаду. Мы ещё повоюем. pic.twitter.com/kxLWX8E8Ah
大会後、正規王者ハビブ・ヌルマゴメドフは「このスポーツでは、特にこの階級では、背中に息を吹き込む空腹のライオンが常にいるだろう。リラックスしている時間はない。行く人もいれば、来る人もいて、何も驚くことはない。銃声の前に倒れたりしない。また戦おう」とのコメントを発表している。