医療がある程度回ってきた時が再開の時かな
――選手が感染したとの話は聞いていませんか?
「今のところは聞いていません。ただ、知り合いの方が言っていましたが、感染して重症化したら、治っても後遺症が残る可能性があるそうです。選手は試合が出来なくなるかも知れないので本当に気を付けてもらいたいです」
――世界的に医療従事者への支援の声は高まっています。佐伯代表がそういう声をあげることはいいことだと思いますが、今のままでは興行再開の目途は立ちませんね。
「医療がある程度回ってきた時が、僕は再開の時かなと思っています。医療の余裕が出てきた時」
――しかし再開したとしても、以前のような興行スタイルでは出来ないのではないか、との懸念もあります。
「だから今は、どこまで感染するか、ワクチンがいつ完成するかを見ているところだと思います。実際、台湾や韓国は新規感染者がゼロになったこともあるじゃないですか。日本がそうなる事を願っています。確かに以前のようにはイベントが出来ないかって話をすればそうかも知れません。みんながマスクを着けることもそうだし、手を洗うことによって感染が少なくなればなるほど医療に余裕も出来てくるじゃないですか。だから今は耐える時だと思うんですよね」
――年内のイベント開催は無理、収束には少なくとも2年はかかるとの見方もあります。
「色々な意見がありますね。その答えは分からないです。ただ、地域によっては学校が再開したり50人以下の小規模のイベントはいいですよとか緩和化されてきていますよね。段階的にアメリカもヨーロッパも経済活動を再開しようとしています。抗体や病院の医療だっていろいろなことが分かってきているでしょうし、日々変わってきていますよね」
――6月1日に緊急事態宣言が解けたとします。そこから選手に7月に試合をやると声をかけて、やりたいという選手が少なかったらどうされますか?
「医療状況を含めてやれそうだったら、試合ができる選手だけでもやりたい思いはあります。ただ、5月6日の分と元々7月にやろうとしていた分があるので、試合数が少なくはならないと思います。でも5月末に緊急事態宣言が解けたとしても、またどうなるか分からないじゃないですか。だから、準備期間を考えると7月にやろうとしていた3大会を8月に空いている会場を探して移行するプランを含めて考えています」
――8月と言えば、榊原信行CEOが提案したRIZINのメガイベントが…。
「メガイベントも医療に余裕がなければ難しくないですか。8月にやるとすれば6月には動いていないと出来ないですからあまり時間がないですね。RIZINさんはイベントがデカいから、僕らよりもっと慎重になるんじゃないですか」
――希望的観測で言えば、年内に格闘技イベントが再開される可能性はあるということですね。
「最悪年内は開催できない覚悟もしていますが、僕は7月、8月ぐらいからは出来ると思っています。もちろん希望も含めて。感染予防や除菌などあらゆる安全策を講じての話ですけれどね。100%以前と同じには出来ないと思います。例えば来場者に検温してマスクをさせて連絡先を書いてもらったり、選手、セコンド、スタッフは2週間前から検温の申告を義務付けるとか。やれる事はやるつもりです。
例えばこれは無観客での話しですが検査も含め選手、スタッフの全員を試合前後の2週間は完全隔離してやれれば安心して家族の所に戻れるんですがね。まあスタッフの準備や会場の方、音響さん、照明さんなど外部スタッフを含めると現実的には難しいです。
しかし、ニュースを見ているとだんだん1日の感染者が減ってきているし、県によっては緩和されてきている。もっと医療が回ってくることによって事態は変わってくると思っています。あくまでも僕の希望ですけれどね」