MMA
コラム

【2009年4月の格闘技】桜井“マッハ”速人と青木真也因縁の対決は、マッハが27秒KO勝ち

2020/04/30 22:04
 1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。64回目は2009年4月5日に愛知・日本ガイシホールで開催された『DREAM.8 ウェルター級グランプリ2009開幕戦』より、メインイベントの桜井“マッハ”速人(マッハ道場)vs青木真也(パラエストラ東京)の因縁の対決。  2009年2月12日に行われた『DREAM.8 ウェルター級グランプリ2009開幕戦』の記者会見。今回の超目玉となったのはライト級(70kg以下)からウェルター級(76kg以下)に階級を上げて挑戦する青木の参戦だった。会見に出席した青木は「俺、出なくて大丈夫すか? と勝手に思っていたら、主催者から『やってくれ』と打診された。自分はDREAMが好きだし、盛り上げたい。それに、自分が強くなるために必要なことだと思ったから」と出場の理由を説明する。  さらに「ウェルター級挑戦は今回限定。日本人って限定って言葉が好きでしょう? ライト級が一番いいれけど、重いとか軽いとかそんなくだらないことじゃない。やると言ったら100%に持っていくだけ。普通にやれば普通に優勝できると思うので、まず1本目のベルトを巻きたいと思います」と堂々の優勝宣言。  この発言をマッハはムスッとした表情で聞き、両者は明らかにピリピリとしたムードを醸し出す。マッハは「2カ月前にライト級でやっていたんでしょう? 本当に勝とうと思っているのかね。青木の参戦は盛り上がると思うけれど、半分ヤケクソに感じる。ナメられてるとしか言いようがないですね」と、青木のウェルター級挑戦を快く思っていないようだった。  3月19日には1回戦での両者の対戦が決定。両者は2005年8月に修斗で対戦しており、この時はマッハが判定3-0で勝利を収めている。会見ではあっさりした答えが多かった2人だが、やはりピリピリとしたムード。  公開練習では青木から「僕が勝って、格闘技界の新陳代謝をして世間にアピールしたい」と世代交代との言葉が飛び出し、前日会見ではマッハが「もちろん青木選手も強いけど、誰とやっても一歩間違えば落とし穴に落ちる可能性がある」と言うと、青木が「マッハ選手には笑顔で落とし穴に落ちて欲しい」と挑発する場面も。前日計量は青木73.5kg、マッハ75.9kgだった。  試合当日、両者の対立を煽るVTRが試合をさらに盛り上げる。  1R、ゴングと同時にコーナーを飛び出して行ったマッハは右フックで青木に殴りかかるが、これをかわした青木が片足タックルでテイクダウンに成功。青木は右で脇を差してパスガードを狙うが、マッハは下からフックガードで青木の腰を浮かせる。頭を着けて腰を切ってパスを狙う青木を、マッハはそのパスする方向へ押してスイープして上になり、グラウンド状態の青木の頭を抑えつけながらの顔面ヒザ連打。そして右のパンチを3発、左のパンチを1発打ったところでレフェリーストップ。1R27秒の決着だった。  コーナーポストに乗って雄たけびを上げるマッハに場内は総立ちの歓声で応えた。最後は青木の方から歩み寄り、マッハと握手を交わした。随所で階級上のマッハの力強さが際立ったこの試合。  これから9年後の2018年、両者はAbemaTVの番組『格闘代理戦争』で共演。舌戦や乱闘を繰り広げたが、3rdシーズンの最終回では2人で仲良く歌うという結末を迎えた。
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