コーナーに詰まったセフォーに得意の右ストレートを何度も叩き込むハリ
1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。62回目は2008年4月13日に神奈川・横浜アリーナで開催された『K-1 WORLD GP 2008 IN YOKOHAMA』より、世代交代マッチとなったバダ・ハリ(モロッコ)vsレイ・セフォー(ニュージーランド)。
バダ・ハリは2005年11月の東京ドーム大会で、ステファン"ブリッツ"レコをバックスピンキックでKOする衝撃日本デビュー。ピーター・グラハム、ルスラン・カラエフに連敗を喫するも、2006年12月からは連勝を重ねていき、カラエフとグラハムにも仮を返した。2007年4月には藤本祐介をKOし、初代K-1ヘビー級王座にも就いている。
迎えた2008年の初戦。相手はこれまでK-1をけん引してきたレイ・セフォー。ハリは世代交代を懸けての戦いとなった。
1R、グローブを合わせた直後にセフォーは左右フックから右ロー。ハリは右ローからの右ハイキックを返す。すかさずセフォーが右ボディストレートを打ち返すとハリは右フック、負けじとセフォーも右フックと打ち合いを展開し、どよめく館内。
左フックを連打して前へ出るセフォーにハリは右ローを2度蹴るが、セフォーはスネブロック。両腕をだらりと下げてノーガードになり、ハリを挑発する。セフォーが右ローを蹴ると、テレビ解説を務めていた魔裟斗が「踏み込みのスピードが物凄く速いですね」と、過去最高のコンディションを作ってきたというセフォーを評価する。
しかし、ジャブを出したところにハリが右のクロスを被せ、これがヒット。セフォーはガードを固めて後退する。すかさずハリが追い打ちをかけるが、セフォーも右フックで応戦するとこれにセフォーがバランスを崩して倒れかける。
沸きに沸く場内。ハリは体勢を立て直すと強烈な右ストレートを打ち込み、左右フックをヒザ蹴りのラッシュ。ロープを背にするセフォーはガードを固めて耐えるが、ハリの垂直に上がってきたヒザがアゴを突き上げる。完全に動きが止まったセフォーへハリが左フックを打つと、セフォーはついにダウン。
足元がフラつきながらも立ち上がるセフォーに、ハリはヒザ蹴りと右ストレート。セフォーも左右フックを打ち返す。パンチとヒザ蹴りの波状攻撃でコーナーへ追い詰められたセフォーに、ハリが右ストレートの3連打。最後の一発がガードを突き破って決まり、セフォーは横倒しに2度目のダウン。
立ち上がるもロープを背負うセフォーにハリは右ストレートを叩きつけ、ヒザを突き上げる。セフォーが右フックを一発放つと大歓声が沸き起こったが、その拳は空を切った。ヒザ蹴りと左右フックでセフォーをコーナーに貼り付けにするハリ。人間サンドバッグと化したところでレフェリーが試合をストップした。1R2分43秒だった。