1986年10月に創刊され、30年以上の歴史を誇る格闘技雑誌『ゴング格闘技』が、秘蔵写真と共に過去4月にあった歴史的な試合や様々な出来事を振り返る。59回目は2008年4月29日にさいたまスーパーアリーナで開催された『DREAM.2 ミドル級GP2008 開幕戦』より、田村潔司(U-FILE CAMP.com)vs船木誠勝(ARMS)のUWF対決。
今回のミドル級GPが発表された時、船木は『ゴング格闘技』のインタビューに答え、やってみたい相手として田村の名前をあげていた。元UWFの同門であり、UWF解散後に船木は藤原組、田村はUWFインターナショナルに所属。その後、田村がUインターを離れる際、船木が旗揚げしていたパンクラスに移籍するのではないかとの噂も流れたが、田村はリングスに移籍した。
UWFが好きだったファンからしてみれば夢のカードが、ミドル級GP開幕戦で実現したのである。試合前の煽りVTRには前田日明が登場し、10分近くの長いVTRでUWFの歴史が振り返られた。
1R、両者ともサウスポー。田村が右フックからの左ローを出せば、船木はローに合わせてパンチで飛び込み、ヒザ蹴りを放つ。そこで激しいパンチの打ち合いとなり、船木は顔面前蹴り、さらに右フックで攻勢に出たかと思われたが、田村がカウンターの右クロスで船木をグラつかせた。
田村は左手でクリンチしてのパンチを連打、すかさず内掛けして押し倒すようにしてテイクダウンし、上から鉄槌を数発落とすと顔面にまともにもらった船木は動きが止まる。田村がストップをアピールするとレフェリーがストップに入り、田村が1Rわずか57秒でこの注目試合をTKO勝ちで終わらせた。