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【MMA】KID、美憂、ヒクソンから手ほどきを受けたレスリング元全日本王者・中村倫也が総合格闘技転向を表明

2020/04/02 15:04
 2019年レスリング全日本選手権フリースタイル65kg級準優勝の中村倫也(りんや)が、レスリングを引退。総合格闘家転向をSNSで表明した。  1995年3月23日生まれの中村倫也は25歳。レスリングの名門・埼玉花咲徳栄高から専大、博報堂DYスポーツと進み、2016年全日本選抜選手権フリースタイル57kg級で優勝。17年には61kg級で優勝。さらに2017年にはU23世界選手権61kg級で優勝を果たしている。  昨年2019年12月の全日本選手権では階級を上げて65kg級に出場。金メダル候補とも呼ばれる乙黒拓斗(山梨学院大)に敗れ準優勝となり、東京オリンピック代表内定とならなかった。  中村は、MMA(総合格闘技)とも縁の深いレスラーだ。父・中村晃三氏はPUREBRED大宮のオーナーで、バーリトゥードジャパン開催にも尽力した人物。倫也は来日したヒクソン・グレイシーから格闘技の手ほどきを受けたこともあるという。  レスリングに触れたのは、山本美憂がきっかけだった。5歳のときに美憂がPUREBRED大宮で行っていたキッズレスリング教室に参加したことでのめりこんだ。ジムには山本“KID”徳郁を始め、晃三氏を訪ねてくる現役ファイターたちも多く、「そういう人たちに遊んでもらうのが日常でした」と語る。 「格闘技をやるために生まれてきたと思っている」という中村は、博報堂時代にも「レスリングをやるだけやったら、その後格闘家になる、というのが当時描いていた将来像」と語っている。  レスリングスタイルは、右手・右足前のサウスポー構えが基本ながら時にオーソドックスに構えることもあり、シングルレッグ、あるいは脇を潜ってのバックテイクを得意とする。花咲徳栄高校時代に習得した、足首を狙ったときの相手の退き際を狙う変則アンクルホールド=リンクルホールドは中村の代名詞的な技となっている。スタミナ勝負にも強く、後半でもバテることのないバランスのよい戦い方が身上だ。  和製ヘンリー・セフード(北京オリンピック男子フリースタイル55kg級金メダリスト・現UFC世界バンタム級王者)を目指して、当初は東京オリンピックで活躍後、MMA転向のプランを描いていたが、全日本選手権での敗退、さらに2021年にオリンピックが延期となったこともあり、東京五輪を待たずにMMA転向に踏み切った。  中村は、4月1日に「20年続けてきたレスリングを引退しました。生き物としてより強くなる事を毎日考え続けて、気付いたら全日本や世界で優勝したり、想像もつかなかった景色を見ることができました。今後は物心付いてからの夢、総合格闘技の舞台で大暴れする為、より一層死に物狂いで努力します」とツイート。  スポーツギフティングサービス「Unlim」では、「レスリング競技で日本一や世界一になった経験を生かし、メジャー総合格闘技団体『UFC』のチャンピオンを目指します。応援よろしくお願いします!」とコメントを記している。  レスリング界からは、中村が幼少期に教えを受けた山本“KID”徳郁、美憂の山本姉弟を始め、現在では、UFC入り目前とされる村田夏南子、ONEで活躍中の松嶋こよみ、修斗を主戦場に世界を目指す安藤達也、倉本一真らもレスリングをベースにMMAで頭角を現している。RIZIN・DEEPで活躍中の元高校5冠の武田光司は、中村のMMA転向表明に「遂にきた」とコメントを記している。 “打・投・極”の時代から、すべてがミックスされた近代MMAにおいて、組み技のみで戦うことは不可能だが、レスリングを軸に持つことは大きな強みとなる。幼少期に“総合格闘技”の時代のファイターに触れ、カレッジレスリングの研究も進んでいるフリースタイルレスリングで強さを発揮していた中村が、どんなMMAファイターになっていくのか、注目だ。
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